名古屋港から飛島ふ頭の工場夜景をクルーズ船でめぐるツアーが、不定期に開催されています。
名古屋港は日本で1番臨港地区(港の陸地部分)面積が広く、取扱貨物量は2002年から2019年まで18年連続日本一(コロナ期に自動車減産の影響で2位に)、自動車の輸出台数日本一なんです。
この記事では、名古屋港の工場夜景クルーズの見どころと、申し込み方法についてご紹介します。
不定期開催なので、開催日をチェックするようにしてくださいね。
名古屋港工場夜景クルーズの見どころは?
夜景クルーズは、ガイドさん(水辺の案内人)が名古屋港のしくみや歴史などをわかりやすく説明しながら、約1時間ちょっとのクルーズです。
名港トリトンの下をくぐる
名港トリトンの3つの橋(名港西大橋(赤)・名港中央大橋(白)・名港東大橋(青))のうち、一番西側にある赤の名港西大橋(橋の長さは名古屋にちなんで758m)をくぐります。
名港西大橋は豊田方面行きと四日市方面行きとがそれぞれ独立していて、2つの橋が並行して架かっています。(中央大橋と東大橋は片側3車線ずつ計6車線が1つの橋で架かっています。)
3つの斜張橋(塔から斜めに張ったケーブルで橋を支えるつり橋)が海上に並ぶのは世界的にも珍しく、晴れた日に伊勢湾岸自動車道の東海ICから飛島ICの間を運転するのはちょ~最高です。
名港トリトンの3つの橋がオープンしたのは1998年(平成10年)、当時の大型船(カーフェリー「いしかり」や航海練習船「日本丸」)を想定して、海面から橋桁まで50mの高さで作られました。
近年はさらに大型船(ダイヤモンドプリンセス号は18階建て、水面から高さ54m)が寄港することになり、名港トリトンの下をくぐることができないので客船用のガーデンふ頭まで行くことができず、貨物専用の金城ふ頭に接岸しています。
コンテナターミナルに並ぶガントリークレーン
コンテナターミナルでは、停泊している貨物船にコンテナを積み込む作業が行われていました。
大きなガントリークレーンがコンテナを吊り上げて、積み重ねていきます。クレーンの下にはレールがあって、横に移動しながら作業を続けることができます。
20年くらい前、コンテナ1つの積み下ろしには1時間くらいかかっていました。コンテナの4隅についているポケット(穴)にピンをひっかけて吊り上げるんですが、上にある運転室から下を見ての作業は、なかなかすんなりいかないんですよね。
コンテナの積み下ろしのために2、3日停泊するのが当たり前だったんですが、今はまるで磁石でくっつくかのようにすんなり吊り上げられ、1本3分くらいで積み下ろしされるのにびっくりしました。
高さ100m以上の、キリンのように首を上げた、赤と白のガントリークレーンが並んでいます。
動いていないガントリークレーンは”しん”としていて、闇夜の遠くを眺めてたたずんでいます。
普段見ることがない風景が広がっていて、光が照らす中に浮かび上がる1つ1つがとっても幻想的です。
自動車積み出し基地もあり、たくさんの車が並んで世界各地に運ばれていくのを待っていました。自動車専用船は大きいもので12階建て、約4,900台の車を積み込むことができます。
この積み込みの仕事をしていた友人の話では、1チーム5人のドライバーが、監督の指示に従って車を前後30㎝左右10㎝ほどの間隔で駐車していくとのこと。
車の積み込みはどうしても人が運転しなくてはいけないんですが、ドライバーさんたちはほぼ1回でぴったりの場所に駐車していくそうで、熟練の技なんでしょうね。
港(ヤード)ではいろんな人たちが、昼夜を問わず働いています。ガントリークローンの後ろには、火力発電所の2本の煙突が並んでいて、航空障害灯の赤いランプが光っています。
工場夜景クルーズ乗り場は?
あおなみ線金城ふ頭駅からポートメッセなごや方面に歩いた先にある金城ふ頭中央緑地から、エンゼルハープ号(定員60名)に乗船しました。
船は2階がオープンデッキになっていて、1階はエアコン付き、男女別になったトイレも完備されています。
オープンデッキには左右と後方にベンチがあるんですが、20人くらいしか座れません。席を確保するなら、早めに乗船するようにしてくださいね。
※写真↑左側奥はポートメッセなごや。この日はイベントが開催されていて、帰りの時間がバッティング、あおなみ線は大混雑でした。
名古屋港クルーズの申込は?
名古屋港(飛島ふ頭)の工場夜景クルーズは、11月中旬から12月に下旬の間にも開催が予定されています。
次回の開催は金城ふ頭発着ではなく飛島村役場発着で、バスで金城ふ頭まで向かうツアーです。申し込みは「VISIT愛知県」から、10月10日に申し込み開始です。
とっても人気のツアーなので、早めに予約するようにしてくださいね。
前回の「VISIT愛知県」の申込は名鉄太田川駅に集合で、「工場見学+遊覧クルーズ」と「夜景遊覧クルーズ」があり、工場見学は「日本製鉄」「大同特殊鋼」「愛知製鋼」から選択となっていました。
工場見学付きツアーは夕方のクルーズ、夜景遊覧ツアーは日没後の2便が運行されました(中央大橋をくぐるルート)。
※私が参加したツアーは「JR東海ツアーズ」のアプリ「スマートEX旅のコンテンツポータル」から申し込みました(WEB申し込み限定)が、このサービスは9月25日で終了します。
10月より新サービス「EX旅先パック」がスタートしますが、この夜景クルーズが今後企画されるかは未定です。
さいごに
名古屋港の工場夜景クルーズの見どころと、申し込み方法についてお伝えしました。
工場夜景といえば、四日市のコンビナート夜景みたいなのを思い浮かべるかもしれませんが、名古屋港クルーズのメインはガントリークレーンでのコンテナ積み込みです。
夜の暗い中でひときわ輝くようなライトに浮かび上がる、動くガントリークレーンをぜひ目の前で体感してくださいね。