名古屋市中区にある闇之森八幡社(くらがりのもりはちまんしゃ)、かつてはうっそうと木が茂り、昼間でも薄暗く、夜は真っ暗な暗闇の森の中にある神社でした。
現在も大きな木々に囲まれていて、真夏の昼間でも直射日光が遮られて、夏休み中の子供たちが虫取りに熱中していました。
この記事では、闇之森八幡社に伝わる片目のフナの伝説や境内社のご利益、御朱印、アクセスと駐車場についてご紹介します。
くらがりの森ってなんだかいわくありげな名前ですが、緑に囲まれた境内は大きなパワーがあふれているような感じがします。ぜひお参りに行ってみてくださいね。
闇之森八幡社のご利益は?
闇之森八幡宮(くらがりのもりはちまんしゃ)のご利益は、開運厄除、心願成就、学業成就、安産祈願、子育大願とされています。
平安時代後期に創建された闇之森八幡社は、源為朝(源頼朝の叔父さん)が京都の石清水八幡宮を勧請して創建されたと言われています(異説あり)。
石清水八幡宮は戦いの神さま、必勝の神さまとして、武将たちによってあちこちの八幡宮に勧請されているんですよね。
闇之森八幡宮の境内には為朝の武具が埋められたとされる「鎧塚」が残っています。
闇之森八幡社に伝わる片目のフナの伝説
拝殿に前にある鳥居横には、コイが泳ぐ池と弁才天社があります。
昔、ある少年が病気の母親に滋養のあるものを食べさせようと、闇之森の池で捕ったフナを食べさせたちころ、病気がよくなりました。喜んだ少年はお礼に2匹のフナを川で捕まえて、池に放しました。
また別の人が池でフナを捕まえて食べたら、病気が回復、そしてまた別の人が…と同じことが続き、みな病気が回復。食べたフナはどれも片目のフナでした。
病気を治す片目のフナの伝説が残る闇之森八幡社では、毎年七夕に癌、糖尿、病気封じ息災祈願祭が行われています。
福森稲荷社
2017年に竣工された、朱色の鳥居がまだ新しい福森稲荷社です。商売繁盛・五穀豊穣のご利益があるとされています。
奥に見えるお社の右側に半円を描くように鳥居がつながっていて、その先に「奥の院」があります。
榎白龍明神社と楠黒龍大神社
2020年の10月に完成した榎白龍明神社↑です。
闇之森八幡社の境外社として、榎白龍をお祀りしたお社が神社近くに2つありました。
- 榎白龍大神:名古屋市中区正木3-13
- 榎白龍明神:名古屋市中区正木3-3
2つのうち、榎白龍明神の方が境内に遷座されたようです。遷座される前の白龍明神のお社の横には、大きな榎が立っていたんですが、大きくなりすぎて電線にかかってしまうせいか、切られてしまいました。
長い間ずっとそこにあった木が姿を消してしまうのは、なんだかちょっと寂しい気がします。
楠黒龍大神のお社は、楠の下にあります。かつて、樹齢千数百年の楠があり、雌雄(男女)2体の黒龍さまが祀られていましたが、昭和13年の落雷で現在は根だけが残されています。
縁結び・商売繁盛・進学入学に関して霊験あらたかとされています。
闇之森八幡社で起こった心中事件!?
1733年江戸時代、享保の大飢饉による、庶民が米商人の家を襲って打ちこわしを行った年の11月、畳屋の喜八と遊女の小さんが闇之森八幡社で心中を図りました。
恋い慕う2人でしたが、家柄や身分が不釣り合いと結婚は許されず、心中することで「来世で一緒になろう」と思い詰めたのでしょう。けれども心中は未遂に終わってしまいます。
その頃、心中が社会問題になっていたこともあり、心中事件を起こした2人は3日間さらし者となったあと、身分をはく奪されて、元の生活に戻ることはできないとされていました。
当時の尾張藩7代藩主・徳川宗春は、幕府の質素倹約令に反して規制緩和政策をとっていました。宗春は心中した喜八と小さんをさらし者にしたあとは親元に返し、2人は結婚、子供にも恵まれたそうです。
宗春公の粋な計らいもあったんでしょうが、闇之森八幡社の縁結びのご利益が叶えたのかもしれませんね。
この2人の心中未遂事件はその後、浄瑠璃「名古屋心中」として評判になったんだとか。ハッピーエンドの心中物語は、とっても珍しかったのかもしれませんね。
闇之森八幡社の御朱印は?
#名古屋市 中区にある
— 黒武 (@kurotake2019) January 22, 2019
闇之森八幡社 さんの
(くらがりのもりはちまんしゃ)
#御朱印 です✨ pic.twitter.com/fb092tBfgK
御朱印は、弁才天社のある池の西側にある授与所でいただくことができます。授与所のガラス窓の向こうに誰もいらっしゃらないときは、社務所のインターホンを押してくださいね。
授与所の前には「おみくじ」と書かれた打出の小槌が置いてありました。小槌に穴が開いていて、振っておみくじを引きます。
他ではあまり見ない、ちょっと変わったおみくじですね。
住所:名古屋市中区正木2-6-18
電話番号:052-321-7500
御朱印授与時間:9:30~15:00
※神職さんがお留守の時もあります。
月次祭:毎月1日
闇之森八幡社のアクセスと駐車場は?
闇之森八幡社の最寄り駅は「尾頭橋(おとうばし)駅」、JR東海道本線豊橋方面の普通電車で1区乗車します。尾頭橋駅出口から線路を渡って、東へ10分ほど歩きます。
駐車場へは、北側の鳥居脇から入ることができますが、駐車スペースには名前が書かれていて、月極駐車場となっていました。拝殿に近い一番端に1台分「参拝者用」と書かれていました。
駐車される時は、名前を確認して駐車するようにしてくださいね。
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
↑闇之森八幡社はこちらの本の「美容・健康(老若男女の強い味方になってくれる神様!)」で紹介されています。
さいごに
名古屋市中区の闇之森八幡社のご利益と御朱印、アクセスと駐車場についてお伝えしました。
大きな木々に囲まれた神社には、境内社が12社あり、南側の鳥居の幣額は、尾張徳川家19代藩主・徳川義親の直筆と言われています。
夏でも日陰が多くて参拝しやすいです。蚊が多いというわけではないんですが、虫よけはあった方がいいですよ。森の中の神社をゆっくり散策してみてくださいね。