犬山市にある明治村には、約100万㎡の敷地内に、明治時代に建てられた68の建物が移築されています。
江戸時代から継承された木造建築技術に、ガラスやレンガ、セメントなどの欧米技術が合わさって、芸術的・歴史的に価値がある建物ばかり。カメラを構えたくなるスポットがいっぱいです。
この記事では、鬼滅の刃の蝶屋敷そっくりの病院など、明治村のおすすめ撮影スポット12選、知っていたらなお楽しい!建物まめ知識、おすすめの回り方モデルコースをご紹介します。
明治村ですてきな写真をたくさん撮ってくださいね。
明治村のおすすめ撮影スポットはココ!
明治村の病院は鬼滅の刃の蝶屋敷!?

明治村には「鬼滅の刃」に出てくるシーンとそっくりな場所があります。
4丁目にある①日本赤十字社中央病院病棟の病室は、那田蜘蛛(なたぐも)山の戦いで負傷した炭治郎たちが、回復するまで使っていた蝶屋敷の病室にそっくり!
ベッドもちょうど3つ並んでて、善逸、伊之助、炭治郎が並んで寝てた風景を彷彿させますよね。

1丁目の②森鴎外・夏目漱石住宅の縁側は、炭治郎が蝶屋敷の3人娘に励まされて、ひょうたんを破裂させる訓練をしていた場所に似てませんか?
3丁目の③西園寺公望別邸も、外から見た建物の全体が、蝶屋敷に似てると言われる人もいます。なんとなく似てる場所を見つけると、なんだか嬉しくなりますよ。
明治村を走る鬼滅の刃の無限列車!?

④SL蒸気機関車が汽笛を鳴らして煙を吐きながら走ってくるのが見えると「無限列車」を想像しちゃいます。鬼滅の刃は大正時代のお話ですが、明治と時代感が近いせいか、全然違和感ないんですよね。
※写真↑は、人力で回転させる転車台の上に、蒸気機関車がのっています。
鬼滅の刃のコスプレしてるちびっ子たちもたくさんいました。炭治郎のコスプレしてる男の子が蒸気機関車に乗るときに、「日輪刀は持っていませんよね?」ってスタッフの方に聞かれていました。
明治村と「鬼滅の刃」がコラボしてるというわけではありませんが、お土産ショップには「鬼滅コーナー」があったり、さりげなく意識してる???って感じです。
明治村の風景の中にある、さりげない鬼滅の刃のシーンを見つけてみてくださいね。
西園寺公望別邸「坐魚荘」

3丁目にある③「坐漁荘(ざぎょそう)」は、第12・14代内閣総理大臣を務めた西園寺公望(さいおんじきんもち)が、政界引退後に清水港近くの海岸に建てた別邸です。
庭の木々も移設し、眼下に広がる入鹿池を海に見立て、窓から見える風景までも当時のままの雰囲気を残しています。
1階には3面(コの字)に窓を入れた明るい洋間があり、1か所に大きな戸袋がついていて、全部の雨戸が収納されています。角の部分をどうやって雨戸を動かして閉めるのか、不思議ですよね。
二・二六事件で暗殺の名前が挙がっていた西園寺公望さん、賊が入ってもわかりにくいような家の造りと、2階には玄関が見下ろせる小窓が付いていました。
天井や欄間には竹を使って、シンプルだけど手の込んだ作りがあちこちに見られます。お風呂の天井も同じ太さの竹を集めて組まれていて、職人さんの技があちこちに光っています。
派手さはないけど、とってもぜいたくな別邸は、重要文化財に指定され、NHKドラマ「わろてんか」や「まんぷく」のロケ地として使われました。
ステキな外観の聖ヨハネ教会堂

1丁目にある⑤「聖ヨハネ教会堂」は、明治40年に京都に建てられた教会です。1階はレンガ作りで日曜学校や幼稚園に使われていて、2階は木造で教会になっています。
とっても素敵なデザインの教会ですよね。

2階には3方に大きな窓があって、とっても明るい空間が広がっています。昭和年代から普及し、教会や学校で使われたオルガンがいくつも置かれています。
島崎藤村の小説の舞台になった清水医院

2丁目にある⑥「清水医院」は、中山道の木曽路の中程(長野県)に建てられた、アーチ型の入り口や窓が目をひく洋風の建物です。入口の土間に面して畳敷きの待合室があり、その奥に診察室が見えます。
ふすまには「養生訓(ようじょうくん:実体験に基づいた健康法)」、生活の心得が書かれています。
島崎藤村の姉が入院していたことがあり、姉を主人公にした小説「ある女の生涯」に出てくる病院は、清水医院がモデルになっています。
明治村に最後に移築された建物

3丁目にある⑦「芝川又右衛門邸」は大阪の商人だった芝川又右衛門の別荘として、明治44年に兵庫県西宮市に建てられました。阪神淡路大震災(1995年)が起こる前までは実際に人が住んでいた住宅です。
震災で建物には被害はなかったものの、2階にあった暖炉が崩れ落ち、その年の秋に解体されて明治村に移築されました。
1階のホールはリノリウムの床に、網代とヨシズを市松模様にした天井、暖炉があって全くの洋風造りです。
2階は床の間がある和室に、押入れがあるように見えるふすまの中に暖炉が隠されていて、ぱっと見の違和感がないようになっています。

外観は全くの洋風で、中は和洋折衷。玄関横には昼と夜と出雰囲気が全く変わるステンドグラスが入っています。外観も素敵ですが、とってもおしゃれな家の中に魅了されちゃいますよ。
江戸時代の名残が残る呉服座

4丁目にある⑧「呉服座(くれはざ)」大阪府池田市に建てられていた芝居小屋で、重要文化財に指定されています。くれはざって読めないですよね。そのまま「ごふくざ」って呼ぶことが多かったようです。
呉服座のマークが、「座」の文字の周りに5人のお福さんの横顔が丸く囲んでいるので、「五福座(ごふくざ)」と呼ばれていたとも言われています。

中は江戸時代の芝居小屋の名残がそのまま残されていて、舞台は手動の廻り舞台、中央の客席は升席に仕切られていて、左右に桟敷席があります。
ここでは歌舞伎、芝居、落語、浪曲、講談、漫才だけでなく、立憲政治に演説会なども行われていたそうです。
2階にスタジオがある高田小熊写真館

明治村の「おすすめスポットランキング」ベスト3に入っている⑨「高田小熊写真館」は、明治41年頃に新潟県に建てられた洋風木造2階建て、かわいらしい外観です。
明治時代の写真屋さんは高度な理化学の知識と技術が必要だったため、「写真師」は花形職業でした。
1階には暗室や作業室、2階のスタジオは、屋根をガラス張りにして自然の光を取り入れています。

人工照明がない時代に写真を撮るのは、天気に左右されたのかもしれませんね。
写真を撮るとき、被写体はしばらくじっとしていなくてはいけないので、首おさえや胴おさえで体を固定したイスも展示されています。
ステンドガラス必見の聖ザビエル天主堂

5丁目にある⑩「聖ザビエル天主堂」は、明治23年に京都に建てられたカトリックの教会です。外壁はレンガ造りにしっくいを塗り、内部は木造で組まれています。
教会を色鮮やかに飾るステンドグラスは、色ガラスに模様を描き、外側に透明ガラスを重ねて保護しています。

外から見たらモノトーンの教会ですが、中に入るとステンドグラスの色の鮮やかさがよくわかります。
お祈りの席に座って、しばし休憩するのもおすすめです。
見た目は農家の大明寺聖パウロ教会堂

明治12年、長崎県伊王島に建てられた⑪「大明寺聖パウロ教会堂」は、普通の農家にしか見えません。
キリスト教は明治6年に禁教が解かれたものの、いつまた禁教になるかも?という不安がある中で建てられたのかもしれませんね。屋根の上の鐘楼は、創建後に増設されたものです。

中に入るとゴシック様式の教会で、コウモリ傘を広げたような天井が並んでいます。外観と中の違いにびっくりしますよ。
正面右側には、聖母マリア様が現れたという「ルルドの洞窟」が再現されています。押入れのようなくぼみに、竹細工に泥を塗って岩を表現し、その上にマリア様が立っています。
重厚感たっぷり帝国ホテルの中央玄関

5丁目にある⑫「帝国ホテル中央玄関」は、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト設計により、大正12年に皇居の正面に建てられた帝国ホテルの中央玄関部分(全体の8分の1)です。
京都の平等院鳳凰堂をモチーフにした左右シンメトリーな外観で、当時の日本では最高傑作の建築物。昭和42年に老朽化のために取り壊され、昭和60年に明治村で公開されました。
軒や手すりは幾何学模様の彫刻が入った白い大谷石を、節目を入れたレンガと組み合わせて、重厚感と華麗さを表現しています。
ホテルのオープン初日(大正12年9月1日)に関東大震災が起こるという災難に遭ったんですが、周囲の建物が倒壊・炎上している中で、帝国ホテルの被害は少なかったそうです。

ロビーを入ると3階まで吹き抜けになっていて、2階、3階にロビーをぐるっと囲むように通路があり、外からの日差しがふんだんに差し込んで、華やかなロビーを映し出しています。
正面2階にはフランク氏の写真が飾られています。浮世絵の収集家としても有名だったそうです。
2階にある帝国ホテル喫茶室では、レトロな模様の着物に割烹着を付けたお給仕さんが、オーダーをとってくれます。フランク氏設計の、背もたれが6角形になったイスや食器のレプリカが使用されていますよ。
ちょっとぜいたくな休憩時間を味わうことができます。(12月~2月の平日休)
明治村の回り方モデルコース
明治村は1丁目から5丁目に分けられています。どこでランチを食べるか決めてから、できるだけ行ったり来たりしないようにコースを考えると、効率的に回れます。
私が実際に回ったコースをご紹介します。
北口から入園(10:00)し、蒸気機関車と京都市電を乗り継いで、終点の3丁目をまわる。
(西園寺公望別邸と芝川又右衛門邸は、建物ガイドに参加)
市電「京都七条駅」から2丁目へ。「食道楽のカレーパン」をいただく。
2丁目をまわってから1丁目へ。「碧水亭」でランチ(12:30)したあと、4丁目をまわる。
5丁目をまわってから、帝国ホテル喫茶室で休憩(15:30)
このコースで、ほぼ6時間でした。全部の建物の中までじっくりと見ていませんが、ほぼ全部の建物をまわっています。
正門近くにある「ガイダンスセンター」では、コースマップが用意されています。
- 建築コース:明治時代に建てられたいろんなタイプの建物を見るコース
- 乗り物コース:人力車、蒸気機関車と発達していった理由とその後の発展を知るコース
- 殖産興業コース:重工業、製糸・紡績業など日本の製造業とその後を知るコース
- 文明開化コース:欧米諸国の文化を取り入れて、近代化が始まった日本の変化を知るコース
このほかにも、建物内に展示されている錦絵を見て、問題を解いていくコースもあります。
- 西郷従道コース:西郷従道邸・三重県尋常師範学校・聖ヨハネ教会堂・札幌電話交換局
- 石川啄木コース:呉服座・本郷喜之床・札幌電話交換局・鉄道寮新橋工場
- 伊藤博文コース:内閣文庫・神戸山手西洋人住居・鉄道局新橋工場・名古屋衛戌病院
建物ガイドやコースガイドでは、その建物のことがよく理解できるので、おすすめです。
※ボランティアガイドツアーは要予約、建物ガイドは「西園寺公望別邸」「芝川又右衛門邸」「呉服座」の3か所で、開始時間が決まっています。(当日変更もあるので、現地で確認してくださいね。)
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
さいごに
鬼滅の刃の舞台にそっくりなスポットなど、明治村のおすすめ撮影スポット12選と、知っていたらなお楽しめる建物まめ知識、おすすめの回り方モデルコースをお伝えしました。
まだまだ他にも、すてきな場所はたくさんあります。ぜひ、お気に入りのスポットを探してみてください。明治村はとにかく広いので、園内の乗り物を上手に使って、休憩しながら見学してくださいね。
「明治の暮らしよろず体験コーナー」や「各丁目ガイドツアー」「帝国ホテルガイド」など、新型コロナウィルス感染予防・防止のため、当面の間中止になっている展示やイベントがあります。
詳細は明治村公式ページを確認のうえ、お出かけくださいね。
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