豊川稲荷は、日本三大稲荷の1つとされていて、全国各地から商売繁盛・福徳開運のご利益を求めて、多くの参拝者が訪れる聖地として知られていますよね。
その豊川稲荷で御祈祷を受けると、精進料理(点心)の接待が受けられます。
精進料理は、素材の味を生かしたやさしい味付けで、体にも心にも優しい料理です。精進料理を食べることで、自然と感謝の気持ちが湧いてきますよ。
この記事では、豊川稲荷の御祈祷~精進料理をいただく流れとその魅力をたっぷりご紹介します。
豊川稲荷のご祈祷と精進料理で、特別な体験をしてみてくださいね。
豊川稲荷の御祈祷に予約は必要?
豊川稲荷のご祈祷に予約は不要、当日の受付で御祈祷を受けることができます。
御祈祷時間は、8:30・9:30・10:30・11:30・12:30・13:30・14:30と、1時間に1回となっています。
まずはご祈祷受付にて「祈願票」を記入します。住所・氏名・祈願内容(3つまで)を記入します。
家内安全・家業繁栄・身心堅固・交通安全・学業増進・良縁具足・出産安全・災難消除・営業繁栄・社中安全・商売繁盛・病気全快・厄難消除・芸道増進・心願成就・開運満足・大漁満足・海上安全・工事安全など
記入した祈願票を受付(立願所)に提出します。祈祷料は3,000円からお志で、4,000円以上で「精進料理(点心)」の接待を受けることができます。
参拝証はお志の金額によって色が違います。
紫券(3,000円)→点心の接待はなし。御祈祷が終わったら授与品をいただいて帰ります。
白券(4,000円)・金券(5,000円)→点心をいただいたあと、お札受興所にて、自分の名前が書かれた授与品を受け取ります。
グリーン券(10,000円)→点心をいただいているときに、授与品を届けてもらえます。
15分前までに受付を済ませて「参拝証」をもらい、瑞祥殿(靴を脱いで上がります)の中で待ちます。グリーン券は待合処も別室の控室になり、お茶が用意されています。
ご祈祷を受ける
中に入ると、イスの置かれた部屋とお座敷の部屋の待合処があります。名前を呼ばれた順に通天廊(長さ200mmの渡り廊下)を通って、ご本堂へ向かいます。(グリーン券の方が先に呼ばれます。)
住所と名前が呼ばれるのですが、東京をはじめ県外からご祈祷を受けに来られている方、会社の役員さんが多いのには驚きました。それだけご利益が期待できるんですね。
ご本堂の中では祈祷太鼓による読経と、分厚い経文をバサバサと開いて閉じての大般若経転読(経典を読んだことと同じ功徳が得られる)が行われます。
読経が終わって自分の名前と祈願内容が読み上げられると、前に出て手を合わせます。
最後まで座っていると時間がかかるので、自分の名前が呼ばれた後にそっとご本堂から出て、瑞祥殿へ戻ります。
精進料理を味わう
御祈祷終了後、待合処の奥にある点心席の部屋で、季節に合わせた精進料理をいただきます。グリーン券の方は、別室の控室にて精進料理をいただきます。
券の色によって料理の内容が変わる、というわけではなく、食べる場所や授与品の違いのようです。
精進料理をいただく宝箸の入っている箸袋の裏に、食事をいただくことができることは尊いことであるという「食事訓」が書かれています。
2つ私どもの徳業の足らざるに、この食物を頂くことを過分に思います。
3つこの食物に向かって、むさぼる心を起こしません。
4つこの食物は、私どもの心身をいやす良薬と心得ていただきます。
5つこの食物は、まことの道を行ぜんがためにいただくことを誓います。
いつも何気なく食べている食事も、敬意や感謝の気持ちを持っていただかなくては!と改めて思いました。感謝の気持ちを持って、ゆっくりじっくり味わってくださいね。
豊川稲荷の御祈祷の授与品は?
授与品はお守り(受付時にお札を指定することもできます)とお供物です。
お供物は願望成就を祈願し、豊川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)にお供えされた「くず湯」です。ちんちんに沸かしたお湯を注いでよくかき回すと、トロトロになります。
精進をいただいた後、お札受興所のカウンターの上に、名前の書かれた紙と授与品がセットになって置かれているので、必ず受け取ってくださいね。
※御祈祷を受けると「豊川稲荷大駐車場」の駐車料金(1台600円)が無料になります。受付で駐車した旨を伝えてくださいね。
豊川稲荷の精進料理の内容は?
豊川稲荷の精進料理(点心)のメニューは、季節によって変化しますが、基本的な内容は同じです。
- ご飯: ホカホカのご飯は、ほんのり甘みがあって、ふっくらやわらか。
- お味噌汁:お豆腐が入った赤味噌のお味噌汁。おかわりも用意されています。
- 野菜料理:野菜を中心にした料理。煮物、天ぷら、もずくなど、旬の食材を使ったヘルシーな料理です。
- お豆腐:味噌の上にのせられたごま豆腐。
- お漬物: さっぱりとした味わいのお漬物。
なんといっても「がんもどき」がおいしくて、たっぷりと出汁を含んで、ふっくらジューシーで、これだけで大満足な1品でした。
お座敷にお膳が並べられていて、座っていただきます。どうしてもお座敷に座っていただくことが難しい方は、お願いをするとテーブルとイスを用意していただけるので、安心してくださいね。
精進料理ってどんなもの?
精進料理はもともとは中国から日本に伝わったもので、仏教の戒律に基づいて作られています。野菜や豆類、穀物、海藻などの植物性の食材を使って、作法にのっとって調理されています。
- 生・煮る・焼く・揚げる・蒸すで調理する
- 赤・白・黄・緑・黒の5食を使った献立
- 素材の味を生かすために薄味にする
動物性の食材が全くなくても物足りないことはなく、満腹感を味わうことができました。
精進料理は、心と体に良い影響を与えてくれます。ぜひ、豊川稲荷での精進料理体験を楽しんでくださいね。
豊川稲荷のご本尊は?
豊川稲荷のご本尊は、白い狐にまたがり、稲穂を持った豊川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)です。
吒枳尼眞天はヒンドゥー教や仏教の神話に登場する力強い女神さまで、五穀豊穣や豊作の象徴として崇拝されています。
豊川稲荷のご利益は主に「商売繁盛」と「立身出世」とされていて、江戸時代から多くの武将や商人が参拝し、現在も、経済や仕事に関する願い事をする人が多く訪れています。
さいごに
豊川稲荷の御祈祷から精進料理をいただく流れとその魅力をお伝えしました。
豊川稲荷は、御祈祷や精進料理といった特別な体験もできる場所です。日本の食文化や精神文化に深く関わっている精進料理をいただいて、感動体験を味わってみてくださいね。