この記事では、愛知県犬山市にある人気の野外博物館「博物館明治村(以下、明治村)」について、詳しくご紹介します。
明治時代の建築物や文化を体験できる素晴らしいスポットですが、広大な敷地を効率よく楽しむにはちょっとしたコツが必要です。
明治村の所要時間やおすすめスポット12選、さらに知っておくと便利な情報まで、網羅的にお伝えします。
明治村に行かれる際にはぜひ参考にしてくださいね。
明治村の所要時間は?
明治村は東京ドーム約21個分という広大な敷地に、明治時代に建てられた68の建物が点在しているため、十分な時間を確保して訪れることをおすすめします。
一般的な所要時間の目安は以下の通りです:
- 全てをじっくり見て回る場合:6時間以上
- 主要な建物だけを見る場合:3~4時間
- 謎解きイベントやガイドツアーに参加する場合:さらに1~2時間追加
所要時間に影響する要因
明治村の所要時間は、以下のような要因によって大きく左右されます:
1.見学方法:全ての建物をじっくり見て回るのか、気になる建物だけを見るのか
2.移動手段:村内の移動を徒歩、バス、電車、SLなどどのように利用するか
3.食事:園内で食事をするかどうか、時間をかけるかどうか
4.イベント参加:ガイドツアーや季節のイベントに参加するかどうか
5.写真撮影:写真をたくさん撮るかどうか
明治村を訪れた方たちの声
実際に明治村を訪れた方々の声を聞いてみましょう:
- 「1日中いても時間が足らず、全ては回れなかった」
- 「主要な建物だけなら、3時間で回れた」
- 「バスや電車などを活用すれば、効率的に回れる」
- 「ゆっくり写真を撮りながら回ったら、1日かかった」
所要時間を有効に使うコツ
1.事前に見学したい建物をピックアップ:地図やパンフレットで確認し、優先順位をつけておく
2.効率的な移動手段を活用:村内バスやSLを上手に使って移動時間を短縮
3.食事の時間を考慮:混雑を避けるため、時間をずらしてランチをとるのがおすすめ
4.季節や天候に注意:夏は暑さ対策、雨の日は濡れない工夫を
結論として、明治村を満喫するには半日以上は必要です。できれば1日かけて、ゆっくりと明治時代の雰囲気を楽しむことをおすすめします。
時間に余裕を持って計画を立て、自分のペースで楽しんでくださいね。
明治村の見逃せないおすすめスポット12選!
明治村に行ったら、ぜひここで写真を撮ってほしいおすすめスポットをご紹介します。
日本赤十字社中央病院病棟(鬼滅の刃の蝶屋敷!?)
明治村の4丁目にある「日本赤十字社中央病院病棟」は、アニメ「鬼滅の刃」に登場する蝶屋敷にそっくりだと話題になっています。
見どころ
- 病室の雰囲気:那田蜘蛛(なたぐも)山の戦いで負傷した炭治郎たちが回復するまで使っていた、蝶屋敷の病室にそっくり。
- ベッドの配置:ちょうど3つ並んだベッドは、善逸、伊之助、炭治郎が並んで寝ていた風景を想像させます。
- 建築様式:明治時代の病院建築を体感できる貴重な機会です。
撮影ポイント
病室内のベッドを背景に、鬼滅の刃のキャラクターになりきって写真を撮ると楽しいですよ。コスプレイヤーにも人気のスポットです。
森鴎外・夏目漱石住宅
森鴎外、夏目漱石、2人が借家した和風住宅。明治の文豪たちの生活空間を垣間見ることができる貴重なスポットです。(夏目漱石はこの家に住んでいる時に「吾輩は猫である」を執筆しました。)
見どころ
- 縁側:「鬼滅の刃」で炭治郎が蝶屋敷の3人娘に励まされて、ひょうたんを破裂させる訓練をしていた縁側に似ていると言われています。
- 文学の雰囲気:森鴎外と夏目漱石、2人の大文豪の住居を一度に見学できます。
- 明治時代の生活様式:当時の知識人の暮らしぶりを感じられます。
撮影ポイント
縁側に座って、明治時代の文豪になりきった写真を撮ってみるのはいかがでしょうか。
西園寺公望別邸「坐魚荘」
3丁目にある「坐漁荘(ざぎょそう)」は、第12・14代内閣総理大臣を務めた西園寺公望が、政界引退後に清水港近くの海岸に立てた別邸です。
重要文化財に指定されており、NHKドラマ「わろてんか」や「まんぷく」のロケ地としても使用されました。
見どころ
- 庭園の景観:庭の木々も移設、入鹿池を海に見立てた庭園の眺めは圧巻。
- 建築の特徴:1階の明るい洋間や、2階の小窓など、防犯を考慮した造りが興味深い。
- 竹細工の装飾:天井や欄間、お風呂の天井など、至る所に職人の技が光ります。
1階には3面(コの字)に窓を入れた明るい洋間があり、1か所に大きな戸袋がついていて、全部の雨戸が収納されています。角の部分をどうやって雨戸を動かして閉めるのか、不思議です。
撮影ポイント
庭園を背景に、明治時代の政治家になりきった写真を撮ってみましょう。
SL蒸気機関車
明治村を走る「SL蒸気機関車」は、まるで「鬼滅の刃」の無限列車のよう! 実際に乗車することもできます。
見どころ
- 迫力ある走行:汽笛を鳴らし、煙を吐きながら走る姿は圧巻です。
- 歴史的価値:12号機関車は動く機関車としては国内最古、SLと客車を鎖でつなぐ連結は、明治時代の手法そのままです。
- 乗車体験:実際に乗って、明治時代の鉄道旅行を体験できます。
撮影ポイント
SLが走ってくる瞬間を狙って撮影すると、ダイナミックな写真が撮れます。
聖ヨハネ教会堂
1丁目にある「聖ヨハネ教会堂」は、明治40年に京都に建てられた教会で、美しい外観が特徴です。
見どころ
- レンガ造りの外観:1階はレンガ造り、2階は木造という珍しい構造です。
- ステンドグラス:美しいステンドグラスが印象的です。
- アーチ型の天井:2階の教会部分には竹簾を使ったアーチ型の天井があります。
撮影ポイント
外観全体を撮影すると、明治時代の西洋建築の美しさを捉えられます。
2階には3方に大きな窓があって、とっても明るい空間が広がっています。昭和年代から普及し、教会や学校で使われたオルガンがいくつも置かれています。
清水医院
2丁目にある「清水医院」は、中山道の木曽路に建てられた洋風建築の医院で、島崎藤村の小説の舞台にもなりました。
入口の土間に面して畳敷きの待合室があり、その奥に診察室が見えます。
見どころ
- アーチ型の入り口と窓:洋風建築の特徴がよく表れています。
- 待合室と診察室:当時の医療の様子を想像できます。
- 文学との関連:島崎藤村の姉が入院していたことがあり、姉を主人公にした小説「ある女の生涯」のモデルになった場所です。
撮影ポイント
アーチ型の入り口をフレームにして、中の様子を撮影すると面白い構図になります。
芝川又右衛門邸
3丁目にある「芝川又右衛門邸」は、大阪の商人だった芝川又右衛門の別荘として建てられた和洋折衷の建物です。
見どころ
- 和洋折衷の建築様式:外観は洋風、内部は網代とヨシズを市松模様にした天井や暖があって、和洋の要素が融合しています。
- ステンドグラス:昼と夜で雰囲気が変わるステンドグラスが印象的です。
- 震災からの移築:阪神淡路大震災(1995年)が起こる前までは実際に人が住んでいた住宅で、震災後に明治村に移築されました。
撮影ポイント
2階の床の間がある和室に、押入れがあるように見えるふすまの中に暖炉が隠されていて、ぱっと見の違和感がないようになっています。
玄関横には昼と夜と出雰囲気が全く変わるステンドグラスが入っています。外観も素敵ですが、家の中もとってもおしゃれなので、和洋の要素が混在する内部の様子を撮影すると面白いでしょう。
呉服座
4丁目にある「呉服座(くれはざ)」大阪府池田市に建てられていた芝居小屋で、江戸時代の名残を残す木造2階建て、重要文化財に指定されています。
くれはざって読めなくて、そのまま「ごふくざ」って呼ぶことが多かったようです。
呉服座のマークが、「座」の文字の周りに5人のお福さんの横顔が丸く囲んでいるので、「五福座(ごふくざ)」と呼ばれていたとも言われています。
見どころ
- 手動の廻り舞台:当時の舞台機構を見ることができます。
- 升席と桟敷席:江戸時代から続く劇場の座席配置を体感できます。
- 多目的な利用:芝居だけでなく、政治演説会なども行われていた歴史があります。
中は江戸時代の芝居小屋の名残がそのまま残されていて、舞台は手動の廻り舞台、中央の客席は4名まで座れる升席に仕切られていて、左右に桟敷席と花道があります。
撮影ポイント
舞台から客席を見渡す構図で撮影すると、劇場の雰囲気を捉えられます。
高田小熊写真館
明治村の「おすすめスポットランキング」ベスト3に入っている「高田小熊写真館」は、明治41年頃に新潟県に建てられた洋風木造2階建ての写真館です。
見どころ
- かわいらしい外観:洋風木造2階建ての愛らしい外観が印象的です。
- 2階のスタジオ:ガラス張りの屋根で自然光を取り入れる工夫が見られます。
- 当時の撮影機材:写真を撮るとき、被写体はしばらくじっとしていなくてはいけなかったので、体を固定する首おさえや胴おさえのイスがありました。そんな明治時代の撮影技術を知ることができますよ。
撮影ポイント
建物の外観全体を撮影すると、明治時代の写真館の雰囲気を感じられる素敵な写真が撮れます。また、内部のスタジオで当時の撮影ポーズを真似てみるのも面白いでしょう。
聖ザビエル天主堂
5丁目にある「聖ザビエル天主堂」は、明治23年に京都に建てられたカトリックの教会で、美しいステンドグラスが特徴です。
見どころ
- 外観と内装のコントラスト:外はシンプルなレンガ造り、内部は華やかなステンドグラスという対比が面白い。
- 色鮮やかなステンドグラス:自然光によって様々な表情を見せる美しいステンドグラス。
- 木造の内部構造:外壁はレンガ造りにしっくい塗りですが、内部は木造で組まれているという特徴的な構造。
ステンドグラスは色ガラスに模様を描き、外側に透明ガラスを重ねて保護しています。外から見たらモノトーンの教会ですが、中に入るとステンドグラスの色の鮮やかさがよくわかります。
撮影ポイント
内部のステンドグラスを通す光を利用して、幻想的な雰囲気の写真を撮ることができます。また、教会の長椅子に座って祈る姿を撮影するのもおすすめです。
大明寺聖パウロ教会堂
「大明寺聖パウロ教会堂」は明治12年に長崎県伊王島に建てられた教会で、外見は一見すると普通の農家のようです。
見どころ
- 隠れキリシタンの歴史:禁教令解除直後に建てられた教会の歴史を感じられます。
- 外観と内部の意外性:農家のような外観に対し、内部はゴシック様式の教会という驚き。
- ルルドの洞窟:聖母マリアが現れたとされるルルドの洞窟を再現した場所があります(正面右側)。押入れのようなくぼみに、竹細工に泥を塗って岩を表現し、その上にマリア様が立っています。
撮影ポイント
外観と内部の両方を撮影し、その意外性を表現するのがおすすめです。また、ルルドの洞窟の再現部分も、歴史を感じさせる良い被写体になります。
帝国ホテルの中央玄関
5丁目にある「帝国ホテル中央玄関」は、大正12年に建てられた帝国ホテルの中央玄関部分(全体の8分の1)で、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトの設計によるものです。
京都の平等院鳳凰堂をモチーフにした左右シンメトリーな外観で、当時の日本では最高傑作の建築物。
ホテルのオープン初日(大正12年9月1日)に関東大震災が起こるという災難に遭ったんですが、周囲の建物が倒壊・炎上している中で、帝国ホテルに大きな損傷はなかったそうです。
昭和42年に老朽化のために取り壊され、昭和60年に明治村で公開されました。
見どころ
- 重厚感のある外観:大谷石とレンガを組み合わせた独特の外観デザイン。
- 幾何学模様の装飾:軒や手すりに施された繊細な彫刻。
- 3階まで吹き抜けのロビー:華やかで開放感のある内部空間。
- 帝国ホテル喫茶室:レトロな着物に割烹着を付けたお給仕さんがいます。フランク氏設計の、背もたれが6角形になったイス(ピーコックチェア)や食器のレプリカが使用されています。
撮影ポイント
外観全体を撮影すると、ライトの建築デザインの特徴がよく分かります。また、内部のロビーを見上げて撮影すると、吹き抜けの開放感を表現できます。
知っていたらなお楽しい!明治村情報
明治村をより楽しむために、知っておくと便利な情報をご紹介します。
効率的な回り方
- 1丁目から5丁目の構成:敷地は1丁目から5丁目に分かれています。地図を参考に、効率的なルートを計画しましょう。
- ランチの場所を事前に決める:どこでランチを食べるか決めてから、できるだけ行ったり来たりしないようにコースを考えると、効率的に回れます。
- 歩きやすい靴を準備:敷地内は広く、高低差もあるため、歩きやすい靴での来村をおすすめします。
イベントやガイドツアーを活用
- ボランティアガイドツアー:予約制のガイドツアーに参加(当日、現地予約)すると、建物の詳しい解説を聞くことができます。
- 建物ガイド:「西園寺公望別邸」「芝川又右衛門邸」「呉服座」では、定時の建物ガイドがあります。
- 季節のイベント:四季折々のイベントが開催されるので、事前にチェックしておくと良いでしょう。
テーマ別のコース
明治村では、以下のようなテーマ別のコースが用意されています:
- 偉人コース:明治時代の偉人の関連場所を巡るコース
- 乗り物コース:人力車やSLなど、当時の交通手段を体験するコース
- 殖産興業コース:日本の近代化と産業発展を学ぶコース
- 文明開化コース:西洋文化の影響を感じるコース
自分の興味に合わせてコースを選ぶと、より深く明治時代を体感できます。
※正門近くにある「ガイダンスセンター」に、コースマップが用意されています。
写真撮影のコツ
- 朝早めの来村:開村直後は人が少なく、建物を背景にした写真が撮りやすいです。
- 光の変化を利用:一日の中で光の向きが変わるので、同じ建物でも違う表情が楽しめます。
- ディテールにも注目:建物の細部や展示物など、小さな発見を写真に収めるのも楽しいでしょう。
快適に過ごすための準備
- 季節に応じた服装:夏は暑さ対策、冬は防寒対策をしっかりと。
- 雨天時の準備:雨の日は、傘や雨具を忘れずに。滑りにくい靴もおすすめです。
- 水分補給:特に暑い季節は、こまめな水分補給が大切です。
※情報が変更されている場合もありますので、明治村公式ページで最新情報をご確認のうえ、お出かけくださいね。
明治村を楽しむためのコツとまとめ
明治村は、単なる博物館ではなく、タイムスリップしたかのような体験ができる特別な場所です。以下のコツを参考に、充実した村内散策をお楽しみください。
- 事前の計画を立てる:見たい建物やイベントをリストアップし、効率的なルートを考えましょう。
- 時間に余裕を持つ:急ぎ足で回るよりも、ゆっくりと各建物の雰囲気を楽しむことをおすすめします。
- ガイドや解説を活用する:建物の歴史や特徴を知ることで、より深い理解と感動が得られます。
- 五感で楽しむ:建物の外観だけでなく、内部の雰囲気、木の香り、畳の感触なども味わってみてください。
- 写真をたくさん撮る:思い出として、また後で詳しく調べる際の参考として、写真を残すのがおすすめです。
- 季節ごとの魅力を楽しむ:四季折々の自然と建物の調和を楽しむのも明治村の醍醐味です。
明治村は、紹介したスポット以外にも、すてきな場所がたくさんあります。ぜひ、お気に入りのスポットを探してみてください。
歴史の中に身を置き、明治時代の空気を感じながら、素晴らしい1日を過ごしてくださいね。