名古屋市中川区にある荒子観音寺と言えば、円空仏で有名ですよね?
円空さんは荒子観音寺に逗留されたこともあり、独特な円空仏が数多く残されています。優しい微笑みの円空仏は必見です!
この記事では、荒子観音寺の円空仏拝観、ご利益と御朱印、荒子観音寺近くに残る前田利家生誕地、アクセスと駐車場についてご紹介します。
円空仏が拝観できるのは月に1回です。大小さまざまな円空仏を見ることができる機会なので、じっくり円空仏を堪能してみてくださいね。
荒子観音寺の円空仏拝観はいつ?
荒子観音寺では毎月第2土曜日の13:00~、本坊にて円空仏を拝観することができます。
円空仏は、江戸時代に美濃(岐阜県羽島市)に生まれた僧・円空さんが一生涯に約12万体彫ったとされる仏像のことで、現存する円空仏5350体あまりのうち、荒子観音寺には1256体、約4分の1が残されています。
円空さんはその土地で手に入る木ならどんな木でも(板でも)、仏像を彫っていきました。荒々しいノミ使いと、口角が上がっていて、微笑んで見えるのが円空仏の特徴です。
仁王門の中にある高さ3mを超える円空仏の仁王像は、直径90cmのヒノキから彫られています。どちらかと言えば、仁王像は凛々しい、いかついお顔で睨んでるものが多いんですが、円空仏の仁王像はなんだかちょっとユーモラス。
独特な作風で、ぱっと見は仁王像らしくなくて、おなかもちょっとメタボっぽいし、寺の中に悪いものが入らないように睨んでる、というよりは、参拝者を歓迎してるって雰囲気です。
アクリル板がはめ込まれているので、全体を見るのはちょっと難しいんですが(写真も反射してうまく撮ることができませんでした)、仁王門の裏側に写真が掲示されてありました。
円空仏拝観では、円空さんとはどんな人だったのか、円空仏の特徴などを説明していただけます。円空さんは旅をしながら、病や災害で苦しむ人たちのために、気軽に拝める仏像を制作しました。
1本の木から一刀彫りで仏像を彫り、残りの木くずから木端仏を彫るので、小さな小指ほどの小さな円空仏がずらりと棚に並べられています。※写真撮影はできません。
背中が平らになっている仏像も多く、どんな形の木でも、仏像を彫っていった円空さん。懐中電灯で照らして近くでじっくり円空仏を見てみると、口元から歯や舌がのぞいている仏像もありました。
首から下が彫っていない仏像もあれば、2.7㎝の、どうやって彫ったのか不思議に思うくらいの小さな観音坐像もあります。
憤怒顔の愛染明王も、怒髪天(怒りで毛が逆立ってる)の仏様も、怖い目つきなのに口角が上がっているだけで、なんだか優しい感じで親近感がわきます。
なんというか…仏像として威厳があって拝みたくなる、というのではなくて、もっと身近な、うちの玄関に置いてあっても違和感なく、「行ってきま~す」って声を掛けたくなるような存在みたいな。
たくさんの優しいお顔の円空仏は必見! ぜひ会いに行ってみてくださいね。
※尾張四観音の1つ「龍泉寺」にも、1.12mの円空仏(馬頭観音像)があります。
住所:名古屋市中川区荒子町宮窓138
電話番号:052-361-1778
円空仏拝観:毎月第2土曜日 13:00~16:00
円空仏拝観料:500円/1人
荒子観音寺のご利益と御朱印は?
荒子観音寺のご利益は?
荒子観音寺のご利益は、厄除けや縁結び、現世利益のご加護があると言われています。
荒子観音寺は奈良時代(729年)に開基された天台宗のお寺で、正式には「浄海山円龍院観音寺」、現在はどこの宗派にも所属していない単立寺院です。ご本尊の聖観世音菩薩像は33年に一度御開帳されます。
本堂は火災で焼失したため、1997年に再建されています。本堂前はスロープになっていて、どんな方にもお参りしやすいようになっています。バリアフリーのお寺や神社が増えるのは、いいですよね。
荒子観音寺は、名古屋城を中心にして鬼門の方角にある4つのお寺を尾張四観音として、徳川家康が定めたうちの1つです。
毎年、尾張四観音の恵方のお寺に参拝すると、ご利益がたくさんいただけると言われています。次に荒子観音が恵方に当たるのは、2025年の節分になります。
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護摩堂の青い不動明王
本堂左手にある護摩堂には、赤い炎を背負った青い体の不動明王が立っていて、その周りにカラフルな着色で円光を背負った二十八部衆が囲んでいます。右側の中央に鎮座されているのは、秋葉大権現です。
不動明王はあらゆる願いを叶えてくださる強力なパワーの持ち主、秋葉大権現は火伏せの神さまです。
なんか、仏像というよりはフィギアのような、かっこいいヒーロー戦隊が並んでいるような印象です。
天井画がくっきりと残されていました。正面の仏像に視線が釘付けになってしまいがちですが、天井も忘れずに見上げてくださいね。
荒子観音寺の多宝塔と六角堂
山門をくぐって左手にある多宝塔は、室町時代末期に建てられた、名古屋市内で最も古い木造建造物で、国の重要文化財に指定されています。
右手には、鐘楼、地蔵尊、六角堂が並んでいます。
昭和47年(1972年)に六角堂から古い厨子が見つかり、その中には千体を超える円空仏が入っていました。
円空さんが亡くなって270年以上たつのに、なぜそれまで見つからなかったのか? 誰がその厨子を六角堂に入れたのか? ちょっとミステリーな感じがします。
六角堂の裏側には「荒子神明社」が鎮座しています。創建は不明なんですが、本殿が茅葺き屋根で、中をのぞくと、小さな社殿が祀られていました。かつては荒子観音寺の守護神だったんですね。
荒子観音寺の御朱印は?
お昼やすみにぶらり名古屋荒子近く浄海山観音地元では荒子観音とよばれてしたしまれてます😀円空仏でも有名です‼御朱印もいただきました‼️ pic.twitter.com/ZbwcG7Bm6r
— 山水弘己 (@cHlETlpRoqe3jN2) February 10, 2020
荒子観音寺の御朱印は、本堂左側にある授与所でいただくことができます。
- 大悲殿
- 尾張三十三観音霊場 第12番札所
オリジナルの御朱印帳はありませんので、ご注意くださいね。
※境内の開門時間は7:00~17:00です。御朱印はこの時間内で対応していただけますが、授与所が留守の時もあります。
荒子観音の円空市
荒子観音寺の境内では、毎月第1日曜日9:00~13:00に「円空市」が行われています。とれたての野菜やグルメ、ハンドメイド雑貨などを目当てに、たくさんの人たちが訪れます。
ミニ盆栽や焼き菓子、パンなど、欲しいものがいっぱい並ぶので、月1回が待ち遠しいんですよね。
雨天時や新型コロナ感染拡大時には中止になることもあるので、インスタなどで確認してからお出かけくださいね。
荒子円空市のインスタはこちら
荒子観音近くにある前田利家生誕地
荒子観音寺から200mほどの場所に、戦国武将でのちの加賀藩主・前田利家が居城した荒子城跡に建立された「富士権現天満宮」があります。
天満宮となってるので、ご祭神は「菅原道真」なんですが、なんと前田家の祖先は菅原道真公なんだとか。史実は不明なんですが、荒子城の鎮守社として開創された神社です。
参拝すれば「若年者は知恵がつき、老齢者はボケない」と言い伝えが残されています。
前田利家は15歳の時から織田信長に仕え、長篠の戦では鉄砲隊を指揮するなど、家臣の中でも一目置かれる存在でした。
本能寺の変のあとは豊臣政権の5大老のひとりとして秀吉を補佐し、加賀藩百万石の礎を築きました。
※前田利家生誕地は、荒子城より3Kmほど西にあった「前田城」説もあります。
荒子観音寺の本堂には、2002年に放送されたNHK大河ドラマ「利家とまつ」の色褪せたポスターが貼ってありました。現在も「犬千代ルート」の案内マークが路上に表示されていて、利家ゆかりの地をめぐることができます。
住所:名古屋市中川区荒子4-208-1
※駐車場はありません。
荒子観音のアクセスと駐車場は?
荒子観音寺へ電車での行き方
名古屋から荒子観音寺へ行く場合は、あおなみ線「荒子駅」で下車します。南西方向へ10分ほど歩きます。
または名古屋市営地下鉄東山線「高畑駅」で下車、5番出口から東へ8分ほど歩きます。
金山駅からバスターミナル3番のりば、(金山21)地下鉄高畑駅行または中川車庫前行きのバスに乗って「荒子観音バス停」で下車します。バス停から西へ2分ほど歩くと東門に到着します。
荒子観音寺の駐車場は?
荒子観音東門(荒子観音の北側の道路沿い)に、50台ほど駐車できる参拝者用の無料駐車場があります。
節分会や毎月第1日曜日(1・2・8月はお休み)9:00~13:00に行われている荒子円空市で駐車場が満車の場合、周辺のコインパーキングが便利です。
※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認くださいね。
↑荒子観音寺はこちらの本で紹介されています。
さいごに
名古屋市中川区にある荒子観音寺の円空仏の拝観とご利益、御朱印、荒子観音近くの前田利家の生誕地、アクセスと駐車場についてお伝えしました。
荒子観音寺は戦国武将・前田利家の菩提寺でもあります。
2002年には「前田利家が着用したと思われる甲冑」も発見されています。(400年以上も前の甲冑で、かなりボロボロでしたが。)
甲冑も円空仏も、なぜか何百年もたってから発見されている荒子観音寺。まだ境内のどこかにお宝が眠ってるかもしれない?ですね。