冬の寒さがひと段落したころ、愛知県豊橋市で春を呼ぶお祭り「豊橋鬼祭り」が開催されます。
毎年2月10日と11日に開催される伝統的な「天下の奇祭」では、タンキリ飴と白い粉が舞い、人々は真っ白になりながら飴をゲットしようと手を伸ばします。
この記事では、豊橋市鬼祭りの日程やお祭りのクライマックス「赤鬼と天狗のからかい」、アクセス駐車場をご紹介します。
童心に帰って思いっきりはしゃげる奇祭に、ぜひ一度参加してみてくださいね。
豊橋市の鬼祭り2025年の日程は?
場所:安久美神戸神明社(別名:豊橋神明社)
安久美神戸神明社(あくみかんべしんめいしゃ)で2日間に渡って行われる鬼祭りは、平安時代から鎌倉時代に五穀豊穣を祈った祭礼儀式が、今でもそのまま受け継がれ、1000年以上続いている歴史あるお祭りです。
戦時中も途切れることなく奉納された鬼祭りは、現在「重要無形民俗文化財」に登録されています。
2月10日は宵祭り、11日は本祭りで、氏子14町会によって様々な行事が行われます。
【2日間のスケジュール】※(飴)はたんきり飴、(粉)は小麦粉が巻かれます。
10:00 青鬼出動・岩戸舞(飴)(粉)
古代衣装を着た少女と青鬼が日本神話の岩戸開きの場面を舞う
11:00 開運厄除け祈祷(飴)
12:00 五十鈴神楽
14:30 子鬼行事予習
小鬼の地踏み(罪や穢れ・災いを大地に閉じ込め、再生して祝福をもたらす動作)
15:00 奉幣祭(飴)
16:00 岩戸舞と青鬼(飴)(粉)
19:00 宵宮祭
本祭りのリハーサル。面をつけずに総稽古をして、お宮にこもる
8:30 御日の出神楽
10:00 例祭(飴)
11:50 子鬼の地踏み行事(飴)(粉)
12:30 神事祭・五十鈴神楽(飴)
13:20 御的(おまと)神事
神前で五穀豊穣と厄鬼退散を祈願して12本の矢を射る
14:00 赤鬼と天狗のからかい(飴)(粉)
15:00 天狗切祓・諸神楽・田楽
16:00 御玉引の年占
球を引きあってその年の農作物の豊作凶作を占う
17:00 談合宮へ御神幸
本祭りの日、赤鬼と天狗は神社境内の井戸から汲んだ冷水を3杯かぶって身を清め、2時間かけて装束を身につけていきます。赤鬼も天狗も20Kg以上の装束で、12時間の長丁場を務めます。
赤鬼の髪の毛だけで4~5Kgあるんだとか。汗を吸って、装束は徐々に重くなっていくそうで、雨が降ったら立つのもやっとの重さになりそうです。
からだを縛っているように見える白い紐は筋骨を表していて、とっても複雑な結び方をしています。この結び方も伝承されています。
子鬼は小学校5~6年生の男の子が、約20日間毎晩1時間ほど練習をして臨みます。子鬼の装束は全部で10Kgくらい、髪の毛だけで3Kgあります。
豊橋鬼祭りはタンキリ飴と粉が舞う!
鬼祭りの1番のクライマックスは、14:00から行われる「赤鬼と天狗のからかい」です。
全身赤の装束に虎の皮のふんどし、白い太い紐でかがられた赤鬼は「荒ぶる神」、具足と侍鳥帽子(さむらいえぼし)を身に着け、薙刀を持つハナタカ天狗は「武神(猿田彦の化身)」を表しています。
いたずらをする赤鬼を天狗が懲らしめようと、互いに秘術を使って戦い、最後は和解して、赤鬼が犯した罪を償うためにタンキリ飴と白い粉を豪快にまきながら出ていきます。
この粉を浴びてタンキリ飴を食べると、古くから厄を払い夏病みから身を守ると言い伝えられています。
タンキリ飴は2日間で約10万6千袋、粉は2トン以上まかれるんだとか。想像もできない量ですね。
「赤鬼と天狗のからかい」は1時間以上かかります。途中、汗だくの赤鬼と天狗に扇子であおって呼吸を整える小休憩(風を入れる)もあります。
ずっと見ていると身体が冷えるので、カイロやマフラーなど防寒対策をしてお出かけくださいね。
豊橋鬼祭りの粉対策はして行くべし!
「赤鬼と天狗のからかい」で、追い詰められた赤鬼は二の鳥居まで逃げ出します。
その後に参道の左右に隔てていた縄が取り外され、戻ってきた赤鬼の投げるたんきり飴を受け取るために、たくさんの人たちが参道を埋め尽くします。
赤鬼が投げるたんきり飴は袋に入っていなくて、飴のまま投げられます。そして、赤鬼が去っていくときに袋に入った飴が投げられ、噴煙が上がります…その白い粉は、もう、半端な量じゃないんです。
前の方に出てると、頭の上から思いっきり真っ白い粉をかぶります。100均のポンチョタイプのカッパを着ていたんですが、それでも気が付くとズボンの膝から下が真っ白。
カッパを着ていなかった人たちは見事に粉まるけで、「これじゃぁ電車に乗れない~!」と嘆いている人も。飴をゲットすることに夢中になっていると、大変な状態になります。
真っ白にならないためには、
- 参道わきに避けておく
- かっぱを着て、フードをかぶる
- 黒い服を着て行かない
- 目に粉が入るのを避けたい方はメガネをかける(メガネが飛ばされないように注意)
- カバンやカメラもビニールなどでカバーしておく(カメラにサランラップを巻く人もいます)
しっかり粉対策をしておかないと、ウェットティッシュで全身拭かないと電車に乗れない状態になります(笑)。おしゃれして行かないでくださいね。
※粉が付いた服を洗濯するときは、水で洗い流してから洗うようにしてくださいね。お湯をかけると小麦粉なのでダマになって取れにくくなります。
豊橋鬼祭りに屋台が出る?
2024年の鬼祭りでは、安久美神戸神明社の境内や周辺の道路で、屋台は見ませんでした。白い粉を巻く祭りということもあるからか?屋台は出ないのかもしれませんね。
タンキリ飴の神宝抽選券
神社の境内で購入出来る赤い袋のタンキリ飴と、本殿前にある八角台から巻く白い袋(安久美神戸神明社の名前入り)のタンキリ飴には「神宝抽選券」が入っています。
鬼祭りの翌日12日の14:00~抽選が行われ、番号が発表されます。純金神宝小判5枚、純銀神宝小判25枚が当たる抽選券なので、ゲットしたら忘れずに番号をチェックしてくださいね。
豊橋市の鬼祭りのアクセス駐車場は?
鬼祭りが開催される安久美神戸神明社(あくみかんべしんめいしゃ)は、JR豊橋駅東口から出て豊鉄市内線(市電)に乗って「市役所前」で下車します。市電は1乗車180円(こども90円)です。
豊田市公会堂の方へ渡ってから東(豊橋警察署がある方)へ向かいます。
普段は1の鳥居から2の鳥居の間が駐車場なんですが、鬼祭りの日は利用できません。神社の北側にある「豊橋公園駐車場」は無料なので、11時前には満車になる確率が高いです。
そのほか周辺の駐車場はこちら↓
住所:豊橋市今橋町3-1(豊橋公園内)
料金:1回500円
住所:豊橋市今橋町1(地下駐車場入り口は公会堂の裏側)
開放時間:7:00~22:00
料金:30分100円、最大料金1日2,400円
※立体駐車場は市役所休業日は使用不可。
住所:豊橋市八町通2-18
料金:40分200円、12時間900円
住所:豊橋市曲尺手町36
料金:60分100円、24時間500円
※神社1の鳥居まで徒歩約6分
さいごに
豊橋市鬼祭りの日程やお祭りのクライマックス「赤鬼と天狗のからかい」、アクセス駐車場についてお伝えしました。
「赤鬼と天狗のからかい」で神社を遁走した赤鬼は、そのあと9時間かけて氏子各町を駆け巡ります。天狗も申し込みのあった各世帯を巡回し、夜更けに神社に帰還します。
とっても奥が深いお祭りで、でもそれをみんなで守り続けて、次の世代へと受け継いでいく、そんな世代や時代を超えた絆でつながっているお祭りです。
頭から粉をかぶって真っ白けになっても、みんな笑顔なんですよね。見るだけじゃなく参加もできる鬼祭り、粉対策をしてぜひお出かけくださいね。
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