豊橋市の吉田城と言えば、戦国時代には名だたる武将たちが争奪戦を繰り広げ、城主が次々と入れ替わったお城です。
現在の姫路城を築城した池田輝政が、姫路城の前に城主として改修したという吉田城って、どんなお城なんでしょうか?
この記事では、愛知県豊橋市にある吉田城の見どころと歴史、名城スタンプと御城印情報、アクセスと駐車場についてご紹介します。
この記事を読めば、吉田城に行った気になる…じゃない、行きたくなっちゃいますよ。
吉田城の見どころは?
吉田城の石垣刻印
吉田城は戦国時代から江戸時代まで、名城主たちによって築城や改修が行われました。その結果、現在も残る石垣と堀は、当時の城郭の壮大な規模と高度な技術を垣間見ることができます。
石垣には大名や家臣の印が刻まれた「石垣刻印」が約60個発見されています。武田氏や今川氏、そして徳川家など、日本の歴史に名を遺す武家の家紋が残ってるなんて、すごいですよね。
刻印は築城にかかわった武士や石工、石を運んだ商人など、自分の所有を示すため、自分の仕事であることを誇示するため、盗難を予防するため、いろんな理由があったようです。
吉田城は、徳川3代将軍家光までが、江戸から京都へ向かう途中で宿泊した本丸御殿があり、幕府にとって重要なお城だったんですね。石垣は名古屋城築城で余った石が転用されています。
写真と見比べても…はっきりとした刻印ではないので、見分けがつかず…。石を運んだ時の穴?はわかるものの、刻印は見つけられませんでした。
「これだよ」というマークがないので、看板で紹介されていても見つけるのは難しいかもしれません。
吉田城の鉄櫓(くろがねやぐら)
吉田城の象徴とも言える鉄櫓(くろがねやぐら)は、昭和29年に立て直されたコンクリート製。その内部は無料で公開され、吉田城の歴史や模型、貴重な資料が展示されています。
吉田城は平城ながらも、豊川を天然の堀として「後ろ堅固の城」でしたが、川から直接本丸が攻撃される危険性もありました。
公園側から見ると、こじんまりとした、小さなお城に見えますが、本丸の北側(豊川側)には9mの石垣を積み、その上に三重魯、鉄櫓の高さは15m、徳川家康の本城・岡崎城に次ぐ広大なお城でした。
対岸から見る吉田城鉄櫓は高さ30mの五重天守。4階の四方の窓からは豊川と広がる豊橋市街を一望することができます。
住所:豊橋市今橋町3番地(豊橋公園内)
開館時間:10:00~15:00
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)、12/29~1/3
※外観見学は自由
入館料:無料
吉田城の歴史は?
吉田城は1505年に築城、東三河の重要な地理的位置にあったため、松平氏(徳川氏)、今川氏、武田氏などの武将たちの間で吉田城の争奪戦が繰り返され、城主もたびたび交代しています。
1565年に吉田城を攻略した徳川家康は、徳川四天王の1人・酒井忠次を城主に任命、吉田城は徳川氏の強固な支配下に入ることとなりました。
けれども、1590年豊臣秀吉によって家康は関東(江戸)へ移封となり、秀吉の家臣だった池田輝政が吉田城の城主になりました。池田輝政は吉田城と城下町の大改築を行いました。
関ヶ原の戦いの翌年(1601年)、池田輝政は姫路に移封され、姫路城を現在の姿に改修したのは有名な話です。
もし、池田輝政が吉田城主を続けていたら、吉田城が姫路城のようになっていたのかも?しれませんね。
徳川幕府が成立後、吉田城には幕府の老中や大阪城代などの普請大名が、城主に任命されたため「出世城」とも呼ばれていましたが、明治維新後1873年廃城令で取り壊されました。
現在の吉田城は太平洋戦争後に模擬再建されたお城です。城跡には曲輪、掘、土塁、石垣を今も見ることができます。
吉田城の100名城スタンプと御城印は?
吉田城の100名城番号は「151」、続100名城に記載されています。
続100名城のスタンプは吉田城鉄櫓内に用意されています。※吉田城が休館日の時は、豊田市役所東館13階にある手筒花火体験パーク内に設置されています。
住所:豊橋市今橋町1番地(豊橋市役所東館13階)
開館時間:8:00~21:30
入館料:無料
休館日:なし
吉田城の御城印は6種類販売されています。
- 池田輝政:吉田城の基礎を築いた池田輝政の家紋(丸に揚羽蝶)の上に吉田城と書かれています。
- 酒井忠次:徳川四天王の1人・酒井忠次の家紋「丸に酢漿草(かたばみ)」の上に吉田城。
- 大河内松平:吉田城最後の城主・大河内松平の家紋「三蝶円内十六葉菊(さんちょうえんないじゅうろくはきく)」の上に吉田城。
- 牧野:吉田城の前身・今橋城を築いた牧野氏の家紋「丸に三つ柏(がしわ)」の上に吉田城。
- 深溝松平:本丸御殿を完成させた深溝松平家の家紋「重ね扇(おうぎ)」の上に吉田城。
- 小笠原家:約52年間4代にわたり吉田城主を務めた小笠原家の家紋「三階菱(さんがいびし)」の上に吉田城
それぞれの御城印は「吉田城」の字体が違うので、見比べてみてくださいね。
御城印の販売場所↓1枚300円(税込)
- 豊田市美術博物館1階 ミューシアムショップ
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日
- こすたりかシティガーデン(豊橋市役所13階)
営業時間:11:00~20:00
休館日:年始
今日は吉田城の
— ねこ侍 (@GgyHUIkQD9m9XWp) March 24, 2024
特別版「切り絵の御城印」を
お迎えしに吉田城に行って来ました。
新デザインの小笠原家の家紋入り御城印もお迎え出来ました。 pic.twitter.com/syBGQXaHxD
2024年吉田城春まつりでは、特別版「切り絵御城印」が限定販売されました。とっても好評で、今後も販売されることを願っています!
吉田城を取り囲む観光スポット
豊橋公園
吉田城がある豊橋公園の広大な敷地には豊かな緑が広がっています。春にはたくさんの桜が公園内をピンクに染めて、季節の花が咲き誇る花壇は、訪れる人々の心を和ませてくれます。
豊橋公園内には「ポケモンマンホール(ポケふた)」があるので、ゆっくり散策しながら探してみてくださいね。(市内4か所のうちの1つ「バクフーン」のふたがあります。)
吉田城の歴史を感じた後に、豊橋公園で自然の中でのんびりと過ごす時間は格別ですよ。
豊橋市美術博物館
吉田城の南側にある豊橋市美術博物館は、2024年3月にリニューアル。地元豊橋市の歴史の資料や美術工芸品、国内外の名作を見ることができます。
吉田城址(屋敷地跡)から出土した、戦国時代の陶器(瀬戸焼や常滑焼の茶わんやすり鉢など)や磁器、家紋の入った屋根瓦、屋敷図なども収蔵されています。
特別展も定期的に開催されていて、一般ギャラリーとコレクション展示は無料です。文化と歴史の息づく吉田城を訪れたなら、ぜひ美術博物館も合わせて訪れてみてくださいね。
また、美術館内には「ネオこすたりかミュージアムカフェ」があり、モーニング(9:00~11:00)もいただけます。
ドリンク代+100円で、トースト・朝焼きクロワッサン・サラダ・スクランブルエッグ・ポテトが付いてくるんです。(美術館のカフェなのに、本格的なモーニングです!)
ホットサンドモーニング(ドリンク代+300円)、グラタンモーニング(ドリンク代+350円)メニューもあり、朝からちょっと贅沢な気分を味わえます。
カレーやパスタなどのランチ(11:30~14:00)もあり、ドリンクメニューも充実しているので、休憩するのにぴったりのカフェです。
住所:豊橋市今橋町3-1(豊橋公園内)
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(有料企画展開催中の月曜日が祝日の場合は開館)、年末年始(12/29~1/3)
※有料企画展の料金は、催し物によって異なります。
吉田城へのアクセスは?
吉田城へ電車・路面電車での行き方
名古屋からJR東海道新幹線(ひかり・こだま)東京方面に乗り「豊橋駅」で下車、またはJR東海道本線豊橋行または浜松行で「豊橋駅」で下車します。
新幹線、在来線どちらも運賃は同じです。(新幹線の指定席代は別途) 新幹線では約30分、在来線では約1時間かかります。
名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線で豊橋行特急または快速で「豊橋駅」、約55分で料金はJRより少し安いです。
豊橋駅からいったん外に出て、「駅前駅」から路面電車に乗車します。大正14年に開業した路面電車は1回大人180円、子供90円の均一料金です(交通系ICカード利用可)。
「豊橋公園前駅」または「市役所前駅」で下車、豊橋公園の一角に吉田城があります。豊橋駅から歩いた場合は約20分ほどかかります。
吉田城へ車での行き方・駐車場は?
東名高速道路豊川ICから国道151号線→国道247号線経由で豊橋公園に向かいます。
豊橋公園に入ると有料駐車場があります。豊橋美術博物館を利用すると3時間まで無料になります(9:00~17:00まで)。有料駐車場を過ぎて奥に行くと、グラウンド横に無料駐車場があります。
グラウンドでイベントや野球の試合が行われているときは、満車になる場合がありますので、気を付けてくださいね。
そのほか周辺の駐車場はこちら↓
住所:豊橋市今橋町3-1(豊橋公園内)
料金:1回500円
住所:豊橋市今橋町1
開放時間:7:00~22:00
料金:30分100円、最大料金1日2,400円
※立体駐車場は市役所休業日は使用不可。
住所:豊橋市八町通2-18
料金:40分200円、12時間900円
※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認くださいね。
さいごに
豊橋市にある吉田城の見どころと歴史、名城スタンプと御城印情報、アクセス駐車場についてお伝えしました。
パっと見は「小さいお城」と思いましたが、二の丸、三の丸を備えた城全体の敷地は、現在の豊橋公園全体と、隣接する豊橋市役所の敷地で、名古屋城よりも広かったそうです。
多くの武将が欲しがった拠点でもあり、重要な役割を持ったお城だったんですね。
戦国時代の石垣が残り、城内には資料や模型がわかりやすく展示されています。豊橋公園にはソメイヨシノが約500本植えられていて、桜とお城のコラボもとっても素敵ですよ。
ぜひ一度お出かけしてみてくださいね。
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