名古屋駅から地下鉄で1駅、徒歩でも15分かからない場所に、こんな場所があるのかと思う商店街がありますー円頓寺(えんどうじ)商店街。
アーケードの下を歩いていると、朝9時にラジオ体操が流れてくる。昔ながらの店構えの隣に、古民家をリノベーションしたカフェがある。シャッターが降りたままの区画の向こうに、ボルダリングができる店がある。
「ごちゃごちゃしているのに、全部が一体になっている」という感覚、歩いてみないとわかりません。
観光地ではないんです。でも歩くと、名古屋の「日常のレトロ」がそこにある。そういう場所です。
円頓寺商店街ってどんな場所?

円頓寺商店街は、名古屋で最も古い下町の商店街のひとつ。
かつては路面電車が走り、名鉄瀬戸線の堀川駅もあって、このエリアは賑わっていました。でも廃線・廃駅が続いて、一時はさびれた時期もありました。
今は空き家や古い建物が再利用されて、若い商店主たちが少しずつ店を開いています。
「昔の商店街が復活しつつある」というより、「古い骨格に新しいものが入ってきている」という感じ。その過渡期の空気が、このエリアの独特の魅力になっています。
2015年にはアーケードがリニューアル。昭和39年当時の骨組みをそのまま残して、屋根だけ全面取り替えられました。古い骨組みに新しい屋根——これがこの商店街の象徴みたいな話です。
昭和レトロ感が残る
人通りがめちゃくちゃ多いわけでもなく、地域密着型の商店街です。
昔ながらのメニューを出す食堂、年季の入った看板、古い建物の壁——あちこちに「時間が止まっている部分」があります。
それが観光地として整備されたレトロではなく、「ただそのままある」という感じなのがいい。
朝のラジオ体操が流れてくる商店街、全国でもそう多くはないと思いますよ。
新しいカフェも増えている
昔の建物をリノベーションしたカフェや個性的な店も増えています。ナゴヤカブキ小屋があり、スペイン食堂があり、ボルダリングができる場所もある。
「昭和と令和が同じアーケードの下にいる」という不思議な混在感が、今の円頓寺の面白さです。
実際に歩いて感じた円頓寺の魅力

円頓寺商店街を歩いていると、閉まったままのシャッターと、最近オープンしたばかりの店が交互に現れます。
整然とした商店街ではない。でもそのムラ感がリアルで、「生きている商店街」として感じられます。
再開発されてきれいになった場所ではなく、現在進行形で変わっている場所。その過渡期にしか出せない空気が、ここにはあります。
古い看板や路地が面白い
アーケードの外に一歩出ると、細い路地が続いています。古い建物の壁に残った看板、年季の入った暖簾、石畳の路地——「これ、いつの時代のものだろう」と思いながら歩くのが楽しい。
意識して上を見たり、路地の奥を覗いてみたりしながら歩くのがおすすめです。何気ない場所に、ちょっとした発見があります。
歩いているだけで”名古屋感”がある
観光地として整備された場所では感じにくい、「名古屋の日常」がここにはあります。
地元のおじさんが自転車で通り過ぎる。常連らしい人がお店の人と話している。派手な呼び込みもなく、特別なにぎわいがあるわけでもないのに、なんか落ち着く。
そういう「地元の時間の流れ」の中に、旅人として混じれる場所です。
金刀比羅神社の名古屋弁おみくじが面白い

アーケードの中に、細い参道があります。人ひとりが通れるくらいの幅で、その奥に金刀比羅(こんぴら)神社の拝殿がある。
名古屋城築城当時(江戸時代初期)に建てられた神社で、もとは尾張藩家老の屋敷内にありました。1859年に庶民のためにここへ移築されて、今に至ります。
かつては現在の3倍ほどの敷地だったとか。都市計画で縮小されて、今のこじんまりした姿になったそうです。
この神社の名物が名古屋弁おみくじ。お賽銭箱に100円を入れて引くと、運勢が名古屋弁で書かれています。
「着実にお金をためやぁよ」
「あせらんでもええて」
「縁談はまぁええけど次のほうが幸せだて」
ズバッと言われますが、なんだか背中を押してもらっているような安心感もある。
商店街の中にこういうローカルな神社があって、名古屋弁で背中を押してくれる——これが円頓寺らしさだと思います。
住所:名古屋市西区那古野1-6-16
円頓寺交差点の三英傑+αも必見!

円頓寺交差点に差し掛かると、銅像が立っています。
北東角に全身金色の織田信長(鉄砲を持ってりりしく構えている)
南東角に銀色の豊臣秀吉(かしこまって座っている)
北西角に胴色の徳川家康(しかめっ面で座っている、刀が折られている)

「あ、三英傑だ」と思って南西角を見ると——まさかの水戸黄門。フルカラーで、満足そうに立っておられます。「いいじゃん、わしだってさ…」と言いたげな表情です。
観光スポットというより、「街を歩いていたら突然現れる違和感」として楽しんでほしい場所です。知らずに通ると素通りしてしまうので、円頓寺交差点に来たらぜひ4つの角を確認してみてください。
なお、2019年に信長公の左腕がもぎ取られるという事件もあったりして、何かと大変な目にあっている三英傑です。
2027年のリニア中央新幹線開業までに、名古屋駅の西側に三英傑の銅像を設置することが検討されています。水戸のご老公も一緒に設置されるといいですね!(…多分ないだろうなぁ…)
ランチや喫茶店で休憩するのも楽しい

円頓寺商店街の休憩場所選び、「どこに入るか」を決める楽しさがあります。
昔ながらのメニューを出す食堂、古民家を改装したスペイン食堂、商店街の空気に馴染んだカフェ——それぞれ全然違う顔を持っています。
「おしゃれなカフェに行く」というより、「気になった扉を開けてみる」という感覚で入ると、ここらしい体験になります。
スペイン食堂「BAR DUFI(バル ドゥフィ)」は焼き台付きの丸いカウンターが特徴的で、若いカップルから年配のご夫婦まで幅広い客層でにぎわっています。
トイレが階段の下にあって、全部タイル貼り、鍵は鉄筋を曲げた手作り——細部まで面白い店です。
食べ歩きが好きな方には円むすも。各店が考案した丸いもの(おにぎり的なもの)で、お出汁に入れて食べるものや揚げたものなど、19種類あります。
円むす食べ歩きMAPをゲットして、気になった店をはしごするのもおすすめです。
住所:名古屋市西区那古野1-20-1
営業時間:11:30~14:00/18:00~22:00
定休日:月・火曜日
所要時間はどれくらい?
- アーケードをさらっと通り抜けるだけなら、30分ほど
- 金刀比羅神社・三英傑の銅像も含めてゆっくり歩くなら、1時間ほど
- ランチやカフェ休憩を挟んでのんびり過ごすなら、2〜3時間
- 隣接する四間道と合わせて歩くなら、半日
毎月第3土曜日の16時からは「円頓寺 星空マーケット」というナイトマーケットが開催されます。昼とは違う夜の商店街の雰囲気も、なかなかいいですよ。
円頓寺商店街のまとめ
円頓寺商店街は、「観光地」というより名古屋の日常のレトロを歩ける場所でした。
整備されすぎていない。にぎやかすぎない。でも歩くと、昭和の骨格に新しいものが少しずつ入ってきている、今この瞬間にしかない空気がある。
名古屋駅から1駅なのに、時間の流れが違う場所。初めて来た人も、「ここ、なんか好きだな」と思える場所だと思います。
四間道とセットで、ぜひゆっくり歩いてみてくださいね。
>>円頓寺がある名古屋市西区の観光情報はこちら【楽天たびノート】※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認くださいね。
