春日井市高蔵寺にある円福寺は、人魚の肉を食べて800歳まで生きたとされる八百比丘尼(はっぴゃくびくに)の生誕地として知られています。
八百比丘尼はそれが何かも知らずに人魚の肉を食べてしまったんですが、自分を知ってる人がどんどん先に死んでいく中で、800年生き続けるって想像以上に辛かったんじゃないでしょうか。
この記事では、春日井市円福寺に伝わる八百比丘尼伝説と、円福寺のご利益や見どころ、御朱印、アクセスと駐車場についてご紹介します。
1290年の歴史を持つお寺、なんですが、緑の囲まれた境内はきちんと手入れされていて、新しいもの古いものが混在するお寺です。ゆっくり散策して、日々の憂いを癒してくださいね。
円福寺の八百比丘尼伝説って?

八百比丘尼(はっぴゃくびくに)は人魚の肉を食べて800年生きたとされる女性で、日本全国に百以上の伝説があります。なんと、「全国八百比丘尼サミット」が定期的に開催されているんですよ~。
円福寺に伝わる伝説は…
むかしむかし円福寺周辺がまだ入り江だった頃、漁師の網に珍しい魚(人魚)がかかりました。「庚申さまにこの奇妙な魚をお供えをすれば、厄除けになって福徳がやってくる」と僧に言われた漁師たちは、人魚をお供えしました。
近くに住む小さな娘が、皆の知らないうちに人魚の肉を一口食べてしまいました。その後、美しく成長した娘は結婚し、幸せに暮らしたものの、娘はいつまでたっても年をとりませんでした。
何回も結婚して夫を見送り、その後尼となって各地を巡礼しながら時代の流れを見続けた娘は、淋しさに我慢できなくなって洞穴に入り、そのまま行方不明になってしまいました…。
八百比丘尼堂は、円福寺の表参道の階段を上がって、仁王門の手前にあります。お堂には平安時代後期に造られた比丘尼像が祀られていましたが、現在は宝物殿(納骨堂)に保管されています。
長生きと縁結びのご利益があるとされていて、今でもお参りに来られる方が後を絶たないんだとか。
実際にかつては円福寺近くまで海が広がっていたそうで、伝説がいつ生まれたものなのか不明ですが、まったく嘘とも言えないような気がします。
人魚の肉を食べると不老不死になっちゃうそうで、今でもこっそりどこかに紛れて、この世を生きているかもしれませんね。
円福寺のご利益と見どころは?

723年(奈良時代初め)に創建された円福寺は、伊勢の商人が海の中から観音像を拾いあげ、この地に安置しました。ご本尊は鎌倉時代末期の十一面観世音菩薩で、永年秘仏として祀られています。
円福寺のご利益は「厄除け」ほか、病気や事故から守る、食べ物に困らないなど、頭上に11の顔を持つ観音さまが、あらゆる方面を常に見て苦しむ人を見つけ、救済の手を差し伸べてくださいます。
現在の観音堂は1657年(江戸時代初め)に再建されたものです。
観音堂の奥の厨子に十一面観世音菩薩、脇侍に不動明王と毘沙門天が守っていて、その両端に三十三応現身像が並んでいます。
三十三応現身像は、観音菩薩が様々な姿に変化して表れた像で、室町時代より以前の像と考えられています。33体すべてそろっているのは鎌倉の長谷寺と円福寺のみなんだそうです。
修復されているおかげで、色彩もキレイな姿で並んでいます。外からでは格子もあってちょっと見えにくいんですが、ぜひのぞき込んで見てくださいね。

観音堂の北側にある「文殊堂」、文殊菩薩は知恵の仏さまで、学業成就のご利益があるとされています。受験や試験の合格祈願を願う絵馬が掲げられていました。
文殊堂の北側には「馬頭観音」「金比羅大権現」も祀られています。
境内にある鐘楼は、100円を納めると誰でも鐘を撞くことができます。願いを込めて撞いてみてくださいね。

表参道の階段を上がった先にある仁王門、左右には室町時代に作られた仁王像が収まっています。(アクリル板に反射して、うまく写真を撮ることができませんでした。)
筋肉隆々のどっしりした体はどちらも2m65cmほど、水晶(現在はガラス玉)がはめ込まれた目を見開いて、怒った顔で睨みつけています。
その先に新しい仁王門が建設中でした。屋根には鬼瓦も取り付けられていて、もうほとんど出来上がっているようにも見えました。仁王像も新しい仁王門に移るんでしょうか。

境内南には「博望公園」があり、十一面観世音菩薩像が立っています。視線の先は展望台になっていて、高蔵寺の町並みが一望できます。
とっても穏やかなお顔の観音像ですよね。
仁王門から北に向かう坂道沿いには「西国三十三観音」、家内安全・息災延命の願いを込めて、観音像が並んでいます。(西国三十三観音は和歌山・大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・岐阜にまたがった巡礼路です。)
寺務所で春駒を購入しました。春駒は、張り子で馬の頭の形にしたものを竹串にさしたもので、江戸時代から継承されている張り子玩具です。馬頭観音にあやかって作られているのでしょうか?
現在も手作りされているそうで、「馬の顔はもう少し丸かったんだけど、丸く作るのは難しいみたい。作る人も少なくなってきてるしね」とのこと。
白と赤があり、1つ300円、2つで500円でした。
※名古屋市守山区の龍泉寺でも春駒を見ました。龍泉寺のご本尊は馬頭観音です。
円福寺の御朱印は?
#愛知県 #春日井市
— 黒武 (@kurotake2019) May 9, 2021
勝嶽山圓福寺さんの#御朱印 です✨
観音堂前の寺務所にて、書置きをいただきました🙏#勝嶽山圓福寺 #圓福寺#十一面観音 #円福寺 pic.twitter.com/Duvqfcs7NQ
円福寺の御朱印は、観音堂前にある寺務所でいただけます。
- 十一面観世音
- 大悲殿
オリジナルの御朱印帳はないので、忘れずに持参するか、書き置きの御朱印を頂いてくださいね。
住所:春日井市白山町9-1-3
電話番号:0568-91-6500
円福寺のアクセス駐車場は?

名古屋からJR中央線「高蔵寺駅」で下車します。
高蔵寺駅北口前にあるバスターミナル3番から名鉄バス71・72・73番(県医療療育総合センターまたは桃花台センター行き)に5分ほど乗って、「円福寺前」で下車します。
駐車場は山門前(30台ほど)と表参道の北側(6台)に無料駐車場があります。県道199号(高蔵寺小牧線)から表参道横の駐車場に入る道は、看板が出ているのでわかりやすいです。
「円福寺南」の交差点から北へ行くと、左手に山門、右手に駐車場があります。
山門から入ると本堂があります。本堂から観音堂へ行くにはいったん敷地外へ出て、住宅街の中にある表参道の階段を上がって行きます。

※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
さいごに
春日井市円福寺の八百比丘尼の伝説、ご利益と見どころ、御朱印、アクセスと駐車場をお伝えしました。
緑に囲まれた境内もいいんですが、黄色に色づいたイチョウと赤いモミジに彩られた観音堂もとってもステキです。個人的にはナンジャモンジャの白い花が咲く5月初めの風景が大好きです。
表参道の階段を上るので、歩きやすい靴でお出かけくださいね。
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