愛知県あま市の甚目寺観音は、仏教が伝来(538年)してから60年後(597年)に開基された、古い歴史があるお寺です。
日本で最初に創建された寺院は、596年創建の飛鳥寺と言われているので、ほぼ同時期ですよね。衰退や再建を繰り返し、現在は尾張四観音の1つとして信仰を集めています。
悠久の歴史を誇る甚目寺観音での節分会は、毎年大勢の参拝者で賑わう人気行事。この記事では、節分会の詳細情報から境内の見どころまで、参拝に役立つ情報をご紹介します。
境内は見どころ満載で、巡拝すると1時間くらいあっという間です。ゆっくり回って、たくさんのご利益を頂いてくださいね。
2025年の甚目寺観音の節分会
豆まき祈祷券
白券(枡付き):(前売り券)4,500円 (当日券)5,000円
赤券(枡なし):(前売り券)3,500円 (当日券)4,000円
子ども券:1,000円(当日券のみ)
※白券・赤券にはお守りやお供物、福引券が付いています。
※前売り券は2月1日(土)16:00まで本堂にて引き換え
甚目寺観音の節分は、その年の恵方に向かって「福は内」を4回したあと、外に向かって「鬼は外」を1回、豆をまきます。
本堂の入り口に桟敷が作られていて、そこから豆をまきます。
山門をくぐった境内の参道には、左右にたくさんの屋台が並んで、とっても賑やかな1日となります。
※甚目寺観音では12月に「枡供養」があり、節分会でいただいた枡にお願い事を記入して「お焚き上げ」をすると、金の守護札を授与していただけますよ。
甚目寺観音の12か所巡拝でもらえるご利益
甚目寺(じもくじ)観音は正式名「鳳凰山甚目寺」、真言宗智山派のお寺です。甚目寺観音の境内12か所を順番に参拝すると、たくさんのご利益がいただけます。
本堂で「甚目寺観音諸堂巡拝票」と書かれた黄色い用紙をいただいて、各お堂の前に置かれたハンコを押していきます。12か所すべて捺印して本堂へ持っていくと、記念品のお守りがいただけます。
四国八十八ヶ所めぐり

①四国八十八ヶ所は、四国にある弘法大師ゆかりの八十八ヶ所霊場のミニ版。阿波国(徳島県)・土佐国(高知県)・伊予国(愛媛県)・讃岐(香川県)の4つのエリアに分かれています。
たくさんの仏像がずらりと並べられた4つの国をまわると、身体健康のご利益がいただけます。
釈迦堂と六角堂

②釈迦堂には薬師如来さまと御狙(おそそ)さまが祀られています。おそそさま…?って今まで聞いたことがなかったんですが、「おそそ」というのは、関西の方では女性器のことなんだとか。
犬山市の大縣神社には、女陰をかたどった石が祀られているので、不思議ではないですよね。おそそさまのご利益は、女性の肌荒れや赤ちゃんの痣の平癒と言われています。
③六角堂には、千体の地蔵菩薩が祀られています。大小さまざまなお地蔵様が優しいお顔でずらりと並んでいて、小さな窓からのぞき込んで見てるだけで、なんとなく癒されるんですよね。
赤や青など鮮やかに彩色された、穏やかなお顔の地蔵菩薩をぜひ見てくださいね。(腰をかがめて小さな窓から覗き込んでると、はたから見たら不格好ですが…)
子供の成長を見守り、学業成就・身体健康にご加護があります。
十王堂と不動堂

④十王堂は扉を開けて中に入ることができるんですが…ずらりと並ぶ10人の閻魔大王が睨んでいます。何に対してかわかんないけど、とにかく「ごめんなさい」って言いたくなるくらい、めっちゃ怖いです。
死後に生前の行いに対する裁判を受けるならこんな感じ?って思うと、足がすくんじゃいます。三途の川で服をはぎ取る奪衣婆も座ってるし、こんな怖い場所に行くなら、死にたくないって思いますよ!
十王堂では、往生安楽のご利益がいただけます。
⑤不動堂は不動明王が祀られていて、重要文化財の青不動の掛け軸が収められています。交通安全・災難除けのご利益があります。
大徳院

甚目寺観音の駐車場から道を挟んだ向かい側にある⑥大徳院は597年創建、えびす大黒天さまが祀られています。商売繁盛、福徳開運の神さまですよね。
本堂の前に紫色の「仏糸」が置かれています。仏糸を自分の首にかけて願をかけ、男性は大黒さまに、女性はえびすさまの首にかけて参拝します。
大黒さま、えびすさまの笑顔が、なんだか「大丈夫やで~」と言ってるみたいで、なんだか願いが叶うような気がしてきます。
備え付けの赤い紙に嫌なこと・怒り・愚痴を書いて、えびす大黒天さまに貼り付けて厄払いをしたり、60歳以上の方専用の寿おみくじなどもあります。
住所:あま市甚目寺東門前26
電話番号:052-444-0241
尾張三霊場の2番札所
※御朱印あります。大徳院東側に駐車場あり。
法花院(ほっけいん)

仁王門の西側にある⑦法花院(ほっけいん)は、甚目寺観音の境内にある脇寺です。山門をくぐって、中に入ります。
2001年に全焼し、2005年に再建された本堂は、正面に蓮の花をエッチングした丸窓が付いています。蔀戸(しとみど)と言われる跳ね上げ式の扉は古風なんだけど、全体は近代的な雰囲気のお寺になっています。
きちんと手入れされているお庭は、客殿の前に置かれたベンチに座ってのんびり眺めていたくなる、とっても落ち着く空間になっています。
法花院では、出世幸福のご利益がいただけます。
住所:愛知県あま市甚目寺東門前1
電話番号:052-444-0541
※御朱印はありません。
三重塔

高さ25mの⑨三重塔は、1623年江戸時代の再建、国の重要文化財になっています。中に愛染明王が祀られています。
愛染明王は真紅の身体に怒った顔で、獅子の冠をかぶった明王ですが、恋愛や縁結び・家庭円満と耳の遠い人にご利益があるとされています。
底が抜けたひしゃくが奉納されていました。耳の通りがよくなるように、という願いが込められています。
秋葉堂・弘法堂・明王道

三重塔を挟んで、⑧秋葉堂、⑩弘法堂、⑪明王堂が並んでいます。
秋葉堂は火伏せの神さまで火防守護、弘法堂は真言宗の開祖・弘法大師が祀られていて心願成就のご利益があるとされています。
明王堂は烏枢沙摩(うすさま)明王、不浄を浄化する神さまで、トイレの神様とも言われています。下半身の病の治癒や金運アップのご利益があります。
本堂

⑫本堂に祀られているのは、50年に一度の御開帳でしか見られない厳重秘仏、奈良時代の十一面観音像。597年に漁の網に引っかかった聖観音が胎内仏として納められています。
家内安全、厄除けのご利益があるとされています。
※飛鳥時代、仏教伝来に対して廃仏派の物部氏と、崇仏派の蘇我氏が対立、聖観音は物部氏が海に投げ込んだ仏像の1つと言われています。
585年に海に捨てた観音さまが、10年以上たって網に引っかかるって、日本で仏教が信仰されるまで(物部氏と蘇我氏の争いで蘇我氏が勝つまで)、海の中で待ってたみたいですね。
仁王門

仁王門は1196年、源頼朝の命により再建された、鎌倉時代初期の建物です。木造の金剛力士像は1597年、福島正則が寄進したものです。福島正則は、あま市二ツ寺屋敷が生誕地なんですよ!
愛知県内最古の楼門は、多くの武将たちが通ったんだと思うと、時間の流れってあっという間な気がします。800年以上も傾くことなく建ってるって、すごいことですよね。
甚目寺観音は、織田信長や豊臣秀吉らの庇護を受けて発展、徳川家康に「尾張四観音」の1つと定められ、栄えてきました。
甚目寺観音の御朱印は?
甚目寺観音の御朱印は本堂の右側にある納経所でいただくことができます。
- 大悲殿
- 聖観世音菩薩(尾張三十三観音霊場の第16番札所)
- 不動尊
- 青不動尊(東海三十六不動尊霊場の第5番札所)
シンプルなデザインのオリジナル御朱印帳もあります。
住所:愛知県あま市甚目寺東門前24
電話番号:052-442-3076
御朱印受付時間:8:00~16:00
甚目寺観音のアクセスと駐車場は?
甚目寺観音へ電車で行く
名鉄名古屋駅から名鉄本線「須ヶ口駅」で津島線に乗り換えて、「甚目寺駅」で下車します。弥富行きなら、乗り換えの必要はありません。
甚目寺駅の南(ヨシズヤ甚目寺店の反対側)の信長街道をすすみ、突き当りを右折したら、甚目寺観音に到着します。
徒歩で5分ほどの距離です。
甚目寺観音の近くの駐車場は?
甚目寺観音の南大門横に「参拝者用無料駐車場」がありますが、節分会の日は駐車することができません。
甚目寺駅の北側にあるコインパーキング駐車場と、甚目寺観音の東側にある駐車場をご紹介します。
名鉄協商甚目寺駅前
住所:あま市甚目寺郷裏35-2
駐車台数:10台
料金:40分200円、最大料金24時間600円
タイムズ甚目寺駅前
住所:あま市甚目寺郷裏17
駐車台数:6台
料金:30分110円、最大料金24時間500円
シンプルパーキング甚目寺駅前
住所:あま市甚目寺郷中133
駐車台数:44台
料金:前払制 3時間まで200円 12時間300円 24時間400円
※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認くださいね。
さいごに
1,400年以上の歴史を持つ甚目寺観音。2025年の節分会は、その歴史ある境内で新年の厄除けと開運を願う特別な機会となります。
国の重要文化財である三重塔や、様々な御利益が期待できる12か所の参拝スポットなど、見どころも満載。
本堂前にはたくさんのハトがいて、本堂内でハトのえさを購入することができます。エサをあげると一斉に群がってくるので、注意してくださいね。
古い歴史と重要文化財が並ぶ甚目寺観音の節分会に、ぜひ行ってみてくださいね。