この記事では、愛知県半田市にある歴史的な建造物「半田赤レンガ建物」についてご紹介しています。
半田市にある「赤レンガ建物」は、本格的なドイツビール醸造のために建てられたビール工場。2015年から常時公開されています。
ここでは、戦時中に製造中止した幻の「カブトビール」の、復刻された明治と大正の2種類のビールを飲むことができます。
ビール好きの方や建築に興味がある方、そして歴史好きの方にとって、この場所は絶対に見逃せない観光スポットなんです。
入場料、見どころ、そして幻のカブトビールの復刻版まで、詳しくお伝えしていきますね。
大手ビールメーカーに挑んで作られた「カブトビール」の歴史が分かる展示室は、一見の価値ありですよ。
半田赤レンガ建物の入場料は?お得に楽しむコツも
半田赤レンガ建物を訪れる際、まず気になるのが入場料ですよね。実はとてもリーズナブルな料金設定になっています。
【常設展示室の入場料】
- 高校生以上の大人:200円
- 中学生以下:無料
これだけの歴史的価値がある建物を200円で見学できるなんて、とってもお得だと思いませんか?
常設展示室は、3つに分かれています。(展示室内は撮影禁止)
- 半田赤レンガ建物の誕生物語
- カブトビールの歴史や当時の写真や看板などの展示
- シアター
ガイド付き見学のススメ
水曜日と土日祝日には、ガイド付きの見学ツアーが開催されています。
【定刻ガイド】
- 開催時間:1日5回(①10:00 ②11:00 ③13:00 ④14:00 ⑤15:00)
- 定員:各回15名
- 案内時間:約40分
- 料金:(1名)100円(中学生以下無料)
ガイドさんの解説を聞きながら見学すれば、建物の歴史や細部の見どころをより深く理解できますよ。当日申込みで、気軽に参加できるプランです。※別途、入場料が必要です。
※希望日に個別ガイドも可能です。15名まで2,000円、1か月前までに所定用紙での予約が必要です。
【定刻ガイドプレミアム】
- 開催日:土曜日(①11:00 ②14:00)
- 定員:各回15名
- 案内時間:約50分
- 料金:(1名)1,800円(高校生以上)
- 予約電話番号:0569-24-7031
定刻ガイドに明治&大正カブトビール試飲、おつまみ、お土産(カブトビールグラス)が含まれた、スペシャルガイド。開催3日前までに電話予約が必要です。
※ビールが飲めない方は酢ムージーがいただけます。別途、入場料が必要。
住所:半田市榎下町8
常設展示室:9:00~17:00
カフェ&ビアホール「リ・ブリック」:10:00~17:00
※17:00以降は予約BBQ、貸し切り営業
ショップ:10:00~17:00
定休日:年末年始
半田赤レンガ建物の見どころベスト3!写真スポットも紹介
それでは、半田赤レンガ建物の魅力的な見どころをご紹介します。
明治建築の巨匠が設計した独特の建築様式
半田赤レンガ建物は、明治建築界の巨匠・妻木頼黄(つまきよりなか)によって設計されました。
妻木は、横浜の赤レンガ倉庫や日本橋の装飾、明治村の旧内閣文庫庁舎など、多くの有名建築を手がけた建築家です。
この建物の特徴は、一部木造のハーフティンバー構造にあります。倉庫の中に入って見上げると、赤レンガの壁に木の柱が組み込まれた独特の構造を見ることができます。
また、ビール造りに適した環境を維持するため、壁の内部に空洞を作る中空構造が採用されています。これにより、真夏の暑さにも負けない温度管理が可能になったんです。
※現在は倉庫の1階部分のみ公開中
現存数が少ないビール工場遺構としての価値
日本には、このような歴史あるビール工場の遺構がほとんど残っていません。半田赤レンガ建物は、その希少な存在として非常に価値が高いんです。
2004年には国の登録有形文化財に登録され、2009年には近代化産業遺産にも指定されました。日本のビール産業の歴史を肌で感じられる貴重な場所なんですよ。
戦争の痕跡が残る貴重な建造物
建物の北側には、第二次世界大戦中にP51マスタング戦闘機から受けた機銃掃射の跡が今も残っています。レンガ造りの頑丈さゆえに、攻撃を受けてもびくともしなかったんですね。
この傷跡は、戦争の悲惨さを物語ると同時に、建物の堅牢さを証明する貴重な歴史の証人とも言えます。
建築後、大きな地震や戦争の空襲にも耐え、現在までその姿を残していて、2004年に国の登録有形文化財に登録、2009年に近代化産業遺産に指定されています。
インスタ映えスポット!原寸大カブトビール広告塔
2022年3月には、かつて名古屋に実在した高さ約10mのカブトビールの原寸大広告塔が再現されました。この四角柱の広告塔は、ジブリ映画「風立ちぬ」にも登場しているんですよ。
レトロでありながら斬新な、この立体看板は絶好の写真スポットになっています。SNS映えを狙うなら、ぜひここで1枚撮ってみてくださいね。
カブトビールとは?幻のビールの歴史と復刻版の魅力
さて、ここからは半田赤レンガ建物と切っても切れない関係にある「カブトビール」についてご紹介します。
カブトビールの誕生と歴史
カブトビールは、1898年(明治31年)から1943年(昭和18年)まで製造されていた日本のビールです。ミツカンの4代目と敷島パン創業者が協力して本格的なドイツビールの製造に挑戦し、誕生しました。
その品質の高さは、1900年のパリ万国博覧会で金牌を受賞するほど。サッポロ、エビス、キリン、アサヒと肩を並べる人気ビールだったんです。
しかし、第二次世界大戦の戦況の悪化による企業整備令(政府の強制的な命令により軍需産業に転換)で工場は閉鎖(1943年に製造が中止)。幻のビールとなってしまいました。
復刻されたカブトビール
2005年、カブトビールは2種類の復刻版として蘇りました。
- 明治カブトビール:当時の文献を基に再現
- 大正カブトビール:分析表をもとに復刻
これらは、ビールのラベルデザインまでオリジナルを忠実に再現しています。
カブトビール復刻版の味わいと特徴
カフェ&ビアホール「リ・ブリック」では、この2種類の復刻版カブトビールを楽しむことができます。どちらも700円(税込)です。
明治 | 大正 | |
アルコール | 7% | 5% |
色 | 赤褐色 | 淡い琥珀色 |
特徴 | 麦汁糖度:高 炭酸:少なめ 苦味が強い | 麦汁糖度:高 炭酸:少なめ 芳醇な香味 |
明治・大正のビールの原材料はどちらもドイツ産モルト・ホップ、低温発酵で0℃で90日間貯蔵された本格ラガービールです。
明治のビールは、炭酸が少なめ(現在の一般的なビールより約30%炭酸が少ない)なので少し気の抜けたような感じ。さっぱりとした中にも麦の甘みがあり、ワインに近い味わいと言われています。
大正のビールは、明治版より炭酸が多く、コクが深いのが特徴です。苦みもしっかり感じられます。
どちらも現代のビールとは一味違う、麦の風味豊かな味わいが特徴です。ビール好きの方はもちろん、普段あまりビールを飲まない方にもぜひ試していただきたい一品です。
鮮度にこだわった瓶詰のカブトビールは賞味期限が短めですので、気をつけてくださいね。
半田赤レンガ建物へのアクセス方法は?駐車場情報も
最後に、半田赤レンガ建物へのアクセス方法をご紹介します。
電車でのアクセス
【名鉄線を利用する場合】
- 名鉄名古屋駅から名鉄常滑線に乗車
- 「太田川駅」で名鉄河和線に乗り換え
- 「住吉町駅」で下車、駅から東へ徒歩約5分
※知多半田行きなら乗り換え不要です。 ※住吉町駅に停車するのは、快速急行・急行・準急・普通です。
【JR線を利用する場合】
- JR東海道本線「大府駅」で武豊線に乗り換え
- 「半田駅」で下車、駅から北西へ徒歩約15分
車でのアクセスと駐車場情報
- 知多半島道路「半田中央IC」から東へ約10分
隣接する「ナゴヤハウジングセンター半田会場」と共用の駐車場が利用できます。ただし、混雑時は満車になる可能性もあります。
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
まとめ:半田赤レンガ建物は歴史と美味しさが詰まった魅力スポット!
半田赤レンガ建物は、歴史的価値の高い建築物を見学できるだけでなく、幻のビール・カブトビールを味わえる貴重なスポット。
明治時代の建築技術や戦争の痕跡、そして日本のビール産業の歴史を肌で感じることができます。
そして、カフェ&ビアホールでは100年以上前に誕生したビールの味を楽しめるなんて、なかなかできない体験ですよね。
歴史好きの方も、ビール好きの方も、そしてちょっと変わった観光地を探している方も。半田赤レンガ建物は、きっと皆さんを満足させてくれる素敵なスポットです。ぜひ訪れてみてくださいね!
最後に、名古屋市内で復刻版カブトビールを飲みたい方へ。
「納屋橋TWILO(トワイロ)カブトビール名古屋支店」でも楽しむことができますよ。レトロな店内で堀川を眺めながら100年前のビールを味わう。これもまた素敵な体験になりますね。