名古屋駅から歩いて15分。都会の真ん中に、こんな場所があるのか?と思う場所。
赤レンガの建物が緑の木々の間に見えてきて、噴水の音が聞こえてくる。煙突のモニュメントが並ぶゲートをくぐると、街の喧騒がすっと遠のきます。
「ノリタケの森」——日本を代表する洋食器メーカー・ノリタケの創業の地に作られた複合施設です。
明治37年(1904年)に建てられた赤レンガの工場が今も残っていて、ミュージアム・カフェ・ショップが並んでいます。
「観光施設」というより、「明治の産業遺産の中をゆっくり歩く場所」という感覚。洋食器の歴史、近代産業の記憶、赤レンガの空気感——大人がゆっくり散歩したくなる場所でした。
ノリタケの森には何がある?

ノリタケは1904年(明治37年)創業の陶磁器メーカーで、日本で初めて本格的な洋食器の量産に成功した会社です。
「ノリタケ」という名前は、創業の地・愛知郡鷹場村則武(現在の名古屋市西区則武)に由来しています。
ノリタケの森は、その創業の地にあった工場跡を整備した施設です。明治時代の赤レンガの建物が残る敷地に、ミュージアム・体験工房・カフェ・ショップが集まっています。
洋食器文化を伝える施設
ミュージアムでは、明治時代に作られた「オールド・ノリタケ」と呼ばれる歴史的な食器が展示されています。
当時の職人が手で描いた精緻な絵付け、繊細なデザイン——「食器」というより「美術品」として見てしまうほどの美しさ。
絵付け体験(所要時間:約1時間30分)もできて、自分だけのオリジナル作品を作る体験は、大人にも人気があります。
赤レンガ建築が残る
1904年建築の赤レンガ造りの建物が複数残っていて、その外観が「ノリタケの森」の象徴的な風景になっています。
煙突のモニュメントが並ぶゲート、緑の木々との組み合わせ——名古屋駅から歩ける場所に、これほどのレトロ空間があることに驚きます。
赤レンガ建築の空気が心地いい

ゲートをくぐって緑の中を歩いていくと、赤レンガの建物が少しずつ姿を現してきます。
明治時代の工場建築らしい、どっしりとした存在感。整備されすぎておらず、「本物の時間の積み重ね」が残っている空気があります。
名古屋駅から歩いてきたばかりとは思えない静けさで、「こんな場所があったのか」という感覚が自然に湧いてきます。
噴水広場にはベンチが並んでいて、ただ座ってぼーっとしているだけでも心地いい。木々の緑と赤レンガのコントラストが、季節によって違う顔を見せてくれます。
写真を撮りたくなる景色が多い
煙突モニュメントが並ぶメインゲート、赤レンガの壁と緑の木々、噴水広場——歩いているうちに「ここで1枚」という場所が次々と出てきます。
「観光地っぽい写真」ではなく、「自分が気に入った景色を撮りたい」という気持ちになる場所です。
SNS映えというより、「記念に残したい」という感覚。その違いが、ノリタケの森の空気感を表している気がします。
クリスマスデコレーションも人気

冬のノリタケの森も魅力的です。クリスマスシーズンには高さ8mのシンボルツリーが登場し、赤レンガの建物とイルミネーションのコントラストが幻想的な雰囲気になります。
「海外のクリスマスマーケットのような空気」と表現されることが多く、昼間とはまったく違う夜の顔があります。この時期に来るのもおすすめです。
ノリタケミュージアムも大人ほど面白い

クラフトセンター・ミュージアムの3・4階がノリタケミュージアムです。
明治時代に作られた「オールド・ノリタケ」の作品が並んでいて、豪華な花瓶・絵皿・ティーセットなどが展示されています。
「食器」という枠を超えた美術品としての存在感で、思わず足が止まります。
当時の職人が手で一つひとつ描いた絵付けの精緻さは、近くで見るほどに驚かされます。「明治時代の日本人がこれを作っていたのか」という感慨が、見ているうちに湧いてきます。
日本の近代産業の歴史を感じる
1・2階は陶磁器の製造工程と職人技の展示エリアです。
職人さんの絵付け作業を間近で見られることがあって、繊細な筆使いにしばらく見入ってしまいます。「どうやってこんなに細かく描けるのか」という純粋な驚きがある。
ノリタケが創業した明治時代、日本が西洋の食器文化を取り入れながら独自の美意識を加えていった——その歴史の積み重ねが、この場所には残っています。
実際に歩いて感じたノリタケの森の魅力

ノリタケの森の一番の驚きは、名古屋駅からこれほど近い場所に、これほどの静けさがあること。
「都会の中のオアシス」という言葉が文字通り当てはまる場所で、木々の緑と赤レンガに囲まれた空間は、名古屋の中心部にいることを忘れさせてくれます。
混雑しすぎておらず、自分のペースでゆっくり歩ける。それがここの心地よさです。
大人のレトロ散歩にぴったり
子ども連れのファミリーも来ていますが、どちらかというと大人の方が楽しめる場所だと思います。
ミュージアムの展示は、歴史や美術に興味がある人ほど深く楽しめます。赤レンガの建築を眺めながら歩く時間も、「知っていると楽しい」ことが増える場所です。
「ゆっくり歩く旅」をしたい50代以降の方に、特におすすめです。
カフェやショップをゆっくり見るのも楽しい
カフェ「グラン ヴェール」では、ノリタケの食器で提供されるティータイムを楽しめます。「食器を眺める」という視点でコーヒーを飲む時間は、普段とは少し違う体験です。
ショップではノリタケの食器やアウトレット商品も並んでいて、「使いたい器を見つける」という楽しみがあります。
ただ、「買い物をしなければ」という気持ちにならないのがいい。見るだけでも十分楽しい空間です。
レストラン「キルン」(キルンは窯の意味)では、ノリタケの器で創作フレンチ料理が楽しめます。特別な日の食事として、選択肢に入れてほしい場所です。
また、名古屋レトロ建築散歩と一緒に巡るのもおすすめ。
ノリタケの森は、名古屋のレトロ建築散歩コースの起点として最適な場所です。
四間道・円頓寺エリアはノリタケの森から徒歩圏内、昭和の商店街と土蔵の路地が残るエリアです。ノリタケの森でゆっくりした後に、円頓寺でいなり寿司を食べながら歩く——という流れもいいですね。
ノリタケの森の所要時間は?
- 赤レンガの外観と園内をさらっと歩くなら、1時間ほど
- クラフトセンター・ミュージアムをじっくり見るなら、2〜3時間
- 絵付け体験やカフェでのティータイムも楽しむなら、半日
月曜定休・年末年始休業なので注意してくださいね。絵付け体験は所要時間が1時間30分ほどあるので、体験したい方は時間に余裕を持って。
住所:名古屋市西区則武新町3-1-36
定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始(12/26~1/3)
営業時間:ショップ 11:00~19:00※年中無休
カフェ グラン ヴェール:11:00~17:00※年中無休
ノリタケの森ギャラリー 10:00~18:00
レストランキルン 11:30~14:30 ディナーは要予約
ノリタケの森のアクセスと駐車場
地下鉄の場合
地下鉄東山線「亀島駅」(名古屋駅から1駅)2番出口から東へ徒歩約5分。輪ノ内町の交差点を左折するとイーストゲートに到着。
バスの場合
名古屋駅バスターミナル6番乗り場から名駅13系統「上飯田行き」で「ノリタケの森」下車。
または、観光ルートバス「メーグル」(11番乗り場)で「ノリタケの森西」下車。メーグルの1DAYチケット提示でミュージアム入館料50円引き。
徒歩の場合
名古屋駅桜通口からルーセントアベニューを歩き、L4出口から外へ。そのまままっすぐ歩いて「牛島町」交差点を渡るとイーストゲートに到着。約15分。
駐車場
ノリタケの森専用駐車場なし。隣接する「イオンモールNagoya Noritake Garden」の駐車場を利用(30分200円・1円以上の買い物で2時間無料)。
ノリタケの森まとめ
ノリタケの森は、「観光施設」というより、赤レンガと洋食器文化の空気を歩く場所でした。
明治時代のビール工場・酢の醸造・洋食器——愛知の近代産業の歴史は、案外そこかしこに残っています。
その中でもノリタケの森は、名古屋駅から歩いて行けて、静かで、大人がゆっくりできる場所としてピッタリ。
「名古屋駅の近くにこんな場所があったのか」と思いながら散歩してみてくださいね。
ノリタケの森で食器を見たらすごくステキで、揃えたくなっちゃいました。
