名古屋市西区にある「トヨタ産業技術記念館」は、繊維機械を発明したトヨタグループの創始者豊田佐吉氏と、自動車産業に尽力した息子の豊田喜一郎氏の記念館。
トヨタの原点である繊維機械と自動車技術について学ぶことができます。
旧トヨタ紡織工場跡地の大正時代の赤レンガ工場をそのままに、大人でも子供でもわかりやすく、ものづくりの発展してきた歴史や仕組みを体感することができます。
この記事では、トヨタ産業技術記念館の見どころと入場料、お土産、アクセス・駐車場についてご紹介します。
「モノづくり」の進歩を目の当たりにして驚きがいっぱいのトヨタ産業技術博物館は、入館者数が年々伸びている、とっても人気がある観光スポットです。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。
トヨタ産業技術記念館の見どころは?
トヨタ産業技術記念館は大きく分けると「繊維機械館」と「自動車館」に分かれています。それぞれの見どころをご紹介します。
繊維機械館で織機の進化を見る
綿花から糸を紡ぎ、木製の人力織機から現代の繊維機械まで、大正・昭和と時代ごとに約100台の機械が展示されています。
スタッフの実演付きで説明を聞くと、「正確に早く布を織る」技術の進化を目の前で知ることができます。
1人でカタカタと織っていた布は、横糸を自動的に補給するという発明によって、1人が30~40台の織機を扱うことができるようになりました。
人力から動力、そして自動化と、生産性をどんどん高めてきたんですね。
現代の「電子ジャガードエアジェット織機」になると、写真をそのまま布に織り込むことができて、しかも数色しかない糸で表現できてしまうコンピューター制御に、ただただ唖然としちゃいます。
繊維機械館の「実演・ガイドツアー」は午前(10:00~)・午後(13:30~)と1日2回あります。説明を聞きながら実演を見ると仕組みがよくわかるので、ぜひ実演を見てくださいね。
自動車館で国産自動車への道を知る
自動車館では、ゼロから国産車づくりにチャレンジした人たちの、失敗と成功の繰り返しの歴史を見ることができます。流線型ボディをいち早く取り入れたものの、苦労は絶えなかったようです。
原寸大の展示なので、その時代の状況がわかりやすく、見ごたえあります。
乗用車の試作を進める中で、国からの依頼でG1型トラックの製造へ、そこから国産大衆車の誕生と、トヨタの自動車は技術の進歩を続けていきます。
当時の画期的なデザインだったトヨダAA型乗用車(1936年完成)は、観音開きのドアで、後部座席にはシートベルトがわりに掴まるヒモや、足置きが付いています。
- 窓はすべてフラットグラスで手動開閉
- 運転席には両ひざにはさんでならす、風船クラクション
- 最高速度は110Km/h
- テールランプは手動スイッチ、運転手さんが車から降りてスイッチを入れる
- ワイパーはエンジンの空圧で動く仕組みなので、スピードが遅いと動きも遅くなる
今では考えられないような車ですよね。
アクセルやブレーキを踏みながらクラクションを鳴らす、道路は舗装なんてされていないし、ハンドル操作は重たくて、運転するにはかなりの体力と技術が必要だったはずです。
後部にトランクはなく、後部座席の乗り心地が優先されてる作りで、タクシーなどで利用されるための高級車です。1937年当時の値段は、3,685円!(現在の価格では1000万円以上)
この車が販売されてすぐ、「トヨダ(TOYODA)」の社名が「トヨタ」に変更されました。「トヨタ」「とよた」どちらも8画、末広がりで将来性がある数字になるからなんだとか。
思わず指で字を書いて、画数をチェックしちゃいました。こじつけだとしても、「なるほど」って思っちゃいますよね。
各時代を代表する懐かしい車から、最新の「MIRAI」までが展示されてるエリアは、子供より大人が夢中になっちゃうエリアです。目を輝かせた大人たちが、カメラを構えて写真撮影に熱中しています。
自動車館の「実演・ガイドツアー」は午前(11:15~)・午後(14:45~)と1日2回、繊維機械館のガイドツアーが終わった後、そのまま参加できる時間に設定されています。
テクノランドで遊びながら自動車技術を学ぶ
テクノランドは幼稚園児から小学生を対象にした、遊具でモノつくりの楽しさを体感できるエリアです。追加料金は必要なく、入館チケットで入ることができます。
遊具によっては年齢制限・身長制限がありますが、遊びを通して知識を深めることができるようになっています。身体を動かして遊べるし、ベビーカーの持ち込みも可能なので、とっても人気があります。
土日祝日や夏休みなど学校のお休み期間は、入館したらまずテクノランドへ直行して、整理券をもらってくださいね。幼児は保護者同伴が必要です。
トヨタ産業技術記念館の入場料は?
トヨタ産業技術記念館の入場料は、2024年4月1日に改定されました。※未就学児は入場無料。
2024年3月まで | 4月~ | |
大人 | 500円 | 1,000円 |
65歳以上 | 300円 | 600円 |
大学生 | 500円 | 500円 |
中高生 | 300円 | 300円 |
小学生 | 200円 | 200円 |
ノリタケの森クラフトセンターとの共通券は、大人1,200円。トヨタ博物館との共通券は、大人1,800円、65歳以上980円です。
トヨタ産業技術記念館にチケット割引はある?
トヨタ産業技術記念館の総合案内で見せると、入館料が2割引になります。
- 地下鉄・市バスの「1日乗車券」「ドニチエコきっぷ」
- 名古屋観光ルートバス「メーグル」の1DAYチケット
- 観光文化施設優待割引券(名古屋観光コンベンションビューロー発行のもの)
- トヨタ「ティーエスキュービック(TS3)」のカード支払い
このほか、チケットぴあで2割引の入場券が販売されています。使えるチケット割引があれば、忘れずに使ってくださいね。
住所:名古屋市西区則武新町4-1-35
開館時間:9:30~17:00(入場受付は16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
トヨタ産業技術記念館のお土産は?
トヨタ産業技術記念館のミュージアムショップでは、トヨタ自動車初のAA型乗用車1/43スケールのミニカーをはじめ、トヨタ名車の1/40スケールのインゴットミニカー、プルバックカーなどが並んでいます。
1/30ヤリスのカラーサンプルミニカーには、好きなナンバープレートを注文することができるので、自分だけのオリジナルミニカーにできちゃいますよ。
トヨタマーク付きのアクセサリーや文房具、Tシャツ、トートバックなど他では購入できないオリジナル製品が揃っています。
メープルバターのクッキーにチョコを挟んだ「クルマニアクッキー」が一番人気です。車の形にくりぬけるバームクーヘンも、子供さんが喜ぶおすすめ土産です。
トヨタ産業技術記念館でランチならミュージアムカフェがおすすめ
トヨタ産業技術記念館ミュージアムショップ前にある「ミュージアムカフェ」では、記念館プレミアムカレーが人気です。(ミュージアムショップにこのカレーのレトルトを販売しています。)
牛肉がゴロゴロ入った、ちょっとスパイシーなカレーと、ライスまたはナンが選べます。
トヨタ博物館で人気のカレーメニューもあり、キッズカレーなどカレーメニューが用意されています。
営業時間:9:30~17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
トヨタ産業技術記念館のアクセスは?
名古屋駅から名鉄線「栄生(さこう)駅」で下車、徒歩約3分です。栄生駅には急行・準急・普通電車が停車します。
名古屋観光ルートバス「メーグル」に乗るなら、名古屋駅バスターミナル11番乗り場から乗って、1番最初の停留場所が「トヨタ産業技術記念」正面出入り口前です。1乗車大人210円・小児100円(税込)、交通系ICカードが使えます。
メーグルの1DAYチケットは大人500円・小児250円(税込)ですが、トヨタ産業技術記念館の入場が100円引きになるので、メーグルを使うなら1DAYチケットを使うと、ほんのちょっとお得ですね。
近くに「ノリタケの森」もあるので、一緒に回るならメーグルがおすすめです。
トヨタ産業技術記念館の駐車場は?
トヨタ産業技術記念館に車で行く場合、名古屋高速「明道町出口」から西へ約5分、または「丸の内出口」から北東に約10分向かいます。
敷地内に乗用車220台分の駐車場があります。なんとなんと、無料です。
こんな大きな駐車場が名古屋の街中で無料だなんて、ちょっと驚いてしまいました。さすが天下のトヨタ、太っ腹です。
さいごに
名古屋市西区のトヨタ産業技術記念館の見どころと入場料、お土産、アクセス・駐車場についてお伝えしました。
トヨタ産業技術記念館では、繊維機械や自動車に興味がなくても、見てるだけで人の考える力の「すごさ」が伝わってきます。
愛知県の「モノづくり」の原点がわかるトヨタ産業技術記念館へ、ぜひお出かけくださいね。