愛知県丹羽郡大口町に、犬山城や小牧山城よりも古い城があったってご存じですか?
応仁の乱が始まる8年前に築城された小口城は、かつて城があったと語り継がれてきた城山の発掘調査で、存在が証明されました。
この記事では、大口町にある小口城址公園の見どころ、小口城址公園西側にある小口神社、小口城址公園のアクセスと駐車場についてご紹介します。
小口城公園には戦国時代の砦をイメージした木製の遊具や、馬の遊具が設置されています。戦国時代の始まりを想像しながら、ゆっくり散策してみてくださいね。
小口城址公園の見どころは?
小口城址公園の物見やぐらは圧巻!
丹羽郡大口町にある「小口(こぐち)城址公園」、高さ17mの立派な物見やぐらに圧倒されます。歴史的根拠がない物見やぐらですが、現在は小口城址公園のシンボルになっています。
※物見櫓は階段で上がることができるのですが、現在は消毒・換気ができないという理由で閉鎖されています。
北東に犬山城、南西に岩倉城、南東に小牧山の砦(当時は城ではなく砦があった)に囲まれた小口城は、二重掘や土塁に囲まれた頑強な城だったようです。
小口城の塀や門、橋もイメージで作られていますが、戦国時代初めの雰囲気を味わうことができます。
小口城の歴史は?
1459年:室町時代後期の武将・織田広近により築城。
初代城主の織田広近は織田信長の何代か前の祖先です。尾張守護・斯波家の守護代である織田伊勢守家当主であり岩倉城主の兄・敏広に仕えていました。
1469年:広近は小口城を拠点に、美濃の勢力に対抗するために木ノ下城(現在の犬山市役所西にある愛宕神社周辺)を築城し、移る。
1475年:広近は家督を息子に譲って小口へ戻り、隠居所(現在の妙徳寺)に移る。
1558年~1569年:尾張統一を目指す織田信長の軍勢に攻め落とされて廃城。
信長軍は小口城を一気に攻め落とすことができずにいました。信長は清洲城から小牧山城へ拠点を移すと、戦いは信長有利に展開し、小口城の軍勢は信長に投降、小口城は廃城となりました。
1584年:小牧・長久手の戦いで、秀吉は小口城を砦として再利用、稲葉良通が布陣。
小牧・長久手の戦いが終わると、秀吉は小口城の塀や柵を犬山城に移しました。
1889年:小口神社境内に小口尋常小学校が開校。1962年に大口町立大口北小学校に改称。
2010年:大口北小学校が移転し、旧校舎が取り壊し。
2019年:名古屋城二の丸大手門を模した門などが整備されて、小口城址公園として開園。
出土品が並ぶ展示棟
1994年と1996年の発掘調査で、礎石や内堀、井戸の遺構や天目茶碗片などが見つかっています。展示棟では、お城の歴史や当時のお城のジオラマ、出土品などが展示されています。
以前に勾玉や銅鏡が出土したという記録があり、小口城が築城される前は古墳があったのでは?と推測されています。
住所:愛知県丹羽郡大口町城屋敷1-261
開館時間(展示室・物見やぐら):9:00~12:00 13:00~16:30 入場無料
開館日:土日祝日
※12/29~1/3は特別休館
小口城の土塁跡が残る小口神社
小口城址公園の西側にある小口(おぐち)神社。主催神は少彦名命(すくなひこなのみこと)、国土安寧、病難排除、安産・育児守護の神様です。
創建は不明ですが、大正時代に妙徳寺(小口神社の北側にある)付近にあった小口神社を現在の場所に移築、傷みが激しかったので、平成19年に社殿の造営工事が行われたそうです。
社殿東側に山柿の木があります。本州南から九州地方の暖地の山に生える木で、平野部で大木まで育っているのは珍しく、大口町の天然記念樹となっています。
老木ながら毎年実をつけるとのこと、すごい生命力ですね。山柿の木の横には、小口神社の由緒が書かれた石碑が建っています。
拝殿奥の本殿周辺(山柿の木の奥)は、小口城の土塁跡が残っていて、少し地面が盛り上がっています。土塁跡の上には「山神」と書かれた石が4つ並んでいます。
住所:愛知県丹羽郡大口町城屋敷11
小口城址公園のアクセスと駐車場は?
小口城址公園の最寄り駅は、名鉄「柏森駅」です。名古屋から名鉄犬山線で「柏森駅」で下車します。柏森駅にはミュースカイ以外の電車はすべて停車します。柏森駅から東に約2Km、25分ほど歩きます。
柏森駅からバスを利用するなら、大口町コミュニティバス北部ルートで「小口城址公園」バス停で下車し、北に向かいます。1乗車100円(税込)、中学生以下無料です。
土日祝日も運行していますが、本数が少ないので時刻表を確認してからお出かけくださいね。
車で行く場合は、住宅街の中にあり、ちょっとわかりにくいです。カーナビなどを設定していかれることをおすすめします。駐車場は小口城址公園の南側に広めの無料駐車場があります。
さいごに
丹羽郡大口町にある小口城址公園の見どころや、小口城の土塁が残る小口神社、小口城址公園のアクセスと駐車場についてお伝えしました。
ぐるっと回っても所要時間は30分くらい、ですが、当時の眺望を思い描く物見櫓や、お堀を渡る南入口の門は、戦国情緒たっぷりでワクワクしちゃうこと間違いなし!
公園内には桜の木が植えられていて、桜並木で有名な五条川も近くにあり、春にはお花見スポットになっています。ぜひ一度見に行って、戦国ロマンを感じてみてくださいね。