この記事では、名古屋城敷地内に完全再現された本丸御殿の入場料や見学時の注意点、絶対に見逃せない見どころまで、詳しくご紹介します。
2018年から一般公開された名古屋城本丸御殿は、400年前の豪華絢爛な姿そのままに復元された、まさに「タイムスリップ」できる歴史的建造物。
どこを見ても金ピカであでやかで、壁に描かれた虎はどう猛さをそのまま生き写しで、ここで座ってるだけでも落ち着かない、と思うのですが、当時はこれがステイタスの象徴だったんでしょうね。
当時の武将たちが感じた威厳と美しさを、現代に生きる私たちも体験できるなんて、なんだかワクワクしちゃいますよ。
ぜひ、名古屋城の本丸御殿を見に行ってくださいね。
名古屋城本丸御殿の入場料は?
名古屋城本丸御殿の入場料と基本情報
まずは、気になる入場料についてお伝えしましょう。
本丸御殿の入場料は、名古屋城の入場料に含まれています。つまり、別途料金を支払う必要はありません。これは嬉しいですね!
名古屋城の入場料
- 大人:500円(名古屋市内在住65歳以上は100円)
- 中学生以下:無料
開園時間と注意点
- 開園時間:9:00~16:30
- 本丸御殿への入場は16:00まで(お忘れなく!)
- 休園日:12月29日~1月1日
ご家族でお越しの場合、お子様の入場料が無料なのはとってもお得ですよね。
ただし、本丸御殿の入場は16:00までと少し早めなので、時間には余裕を持って計画を立ててくださいね。
本丸御殿見学時の注意事項
せっかく訪れるのですから、快適に見学できるよう、いくつか注意点をおさえておきましょう。
- 靴を脱いで入場します(ストッキングの方はスリッパを利用できます)
- 大きな荷物はコインロッカーに預けましょう
- カメラ撮影OK!ただし、フラッシュと三脚は使用禁止(貴重な障壁画を守るため)
- 携帯電話は使用禁止(静かな雰囲気を楽しみましょう)
- 文房具の持ち込み、飲食も禁止です
- ふすま・障子・金具には触らないでくださいね
- リュックは前に抱えて見学しましょう
- 残念ながら、中にトイレはありません(事前に済ませておきましょう)
中之口部屋横出入り口から入ると、靴とは別に荷物を預けるロッカーがあります。荷物は預けて、カメラ、携帯電話のみで見学するのがおすすめです。
名古屋城本丸御殿の見どころベスト5!
さて、いよいよ本丸御殿の魅力に迫ります。どこを見ても素晴らしいのですが、特におすすめの5つをご紹介しますね。
迫力満点!襖絵の虎
本丸御殿の最大の見どころと言えば、やはり襖絵の虎でしょう。「竹林豹虎図(ちくりんひょうこず)」と呼ばれるこの絵は、その迫力に思わず息をのむほど。
なぜ虎なのか、ご存知ですか? 実は、戦国時代の武将にとって、虎は勇猛さの象徴だったんです。睨みつけるような虎の目に、当時の武将たちの威厳が感じられますね。
面白いのは、虎の隣にヒョウがいること。これには、ちょっとした秘密があるんです。
江戸時代の絵師さんたちは、実際の虎を見たことがなかったんですね。そのため、「虎のメスはヒョウ柄」と思い込んでいたんです。今では笑い話のようですが、当時の常識だったんですよ。
家康公が寅年生まれなので、日光東照宮にも虎の彫刻が多く残されていますが、襖絵と同じく、ヒョウの姿も彫られています。
こちらは「デジタル複製」の襖絵↑。復元模写は本丸御殿完成時の姿が再現されていて、設計図に基づいて作られた新作、なんですよね。
デジタル複製は400年経った現在の状態で、戦火で燃える前に取り外されて残っていた襖(現在は重要文化財)をスキャンして、金箔を貼った上に印刷したものです。
復元模写はとってもクリアな状態ですが、400年以上たつと、ちょっとくすんでぼやけた感じになっています。
絢爛豪華な上洛殿
上洛殿は、将軍が京都へ上る際に宿泊する特別な部屋。その豪華さは、まさに圧巻!
- 最高級の木材を使用
- 松やボタン、鶴が立体的に彫られた、精巧な彫刻が施された欄間
- 華麗な床の間や違い棚などの座敷飾り
特に注目したいのが天井。二重折り曲げ天井には、1マスごとに異なる絵柄の板絵が施されています。首が痛くなるほど見上げてしまうかもしれません。
どこを見ても職人の技のオンパレード! どっちを見ても見どころだらけ、とにかく金ぴかの豪華さに圧倒されます。(フラッシュ禁止なので、写真がちょっと暗いのが残念です。)
1000枚の障壁画の世界
本丸御殿内には、なんと約1000枚もの障壁画が展示されています。これらは狩野探幽(かのうたんゆう)をはじめとする江戸幕府の御用絵師たちによって描かれたもの。
部屋ごとに描かれているモチーフが異なるのも面白いポイントです。
- 対面所:和歌山の名所
- 上段の間:京都の名所
実は、これには粋な計らいがあったんです。当時の城主、徳川義直の正室が和歌山出身だったことから、奥様のふるさとを描いたのだとか。
江戸時代のロマンチックな一面を感じられますね。
職人技が光る欄間と建具
欄間(らんま)や建具にも、ぜひ注目してください。金や銀などの貴金属で作られた飾り金具が、部屋の格式に合わせて施されているんです。
飾金具は、部屋の用途や格式に合わせてデザインや質感が変わり、動物、花鳥、幾何学模様など微細な彫刻が施されていて、本丸御殿の豪奢さを一層際立たせています。
面白いのは、引き戸の取っ手や釘隠しにまで徳川家の家紋(三つ葉葵)が入っていること。細かい細工は、訪れる大名に将軍との格の違いを見せつけるためだったんでしょうか。
また、本丸御殿の天井も、部屋の格式や用途に合わせてさまざまな形状や飾り付けが施されています。
折上格天井や桟縁天井、梁間天井など特徴的なスタイルが存在し、天井の装飾には彫刻や金箔、色紙などが用いられ、部屋全体の雰囲気を高めています。
驚きの復元精度
本丸御殿の魅力は、その驚くべき復元精度にもあります。2009年から始まった復元工事では、江戸時代の図面や記録を基に、可能な限り当時と同じ材料や工法が用いられました。
- 300枚以上の実測図
- 約700枚の写真
- 詳細な記録
- 戦火を免れた襖絵や障壁画
これらの資料があったからこそ、ここまで精密な復元が可能だったんです。現代の最新技術で耐震補強もされているので、まさに「現代の本物」と言えるでしょう。
本丸御殿の復元にかかった費用は150億円、壁も天井もふすまも見事に再現された空間は、豪華絢爛というよりも、技の結晶というべき芸術作品。
名古屋城に行かれた時は、床から天井まで見逃さないで、約400年前と同じ光景を見ながら、殿様気分を味わってくださいね。
本丸御殿をより深く楽しむには?
せっかく訪れるなら、より深く本丸御殿を楽しみたいですよね。そんな方におすすめなのが、以下の2つです。
音声ガイド
本丸御殿では、笑点でおなじみの春風亭昇太さんと、名古屋おもてなし武将隊の徳川家康公による音声ガイドが用意されています。
- 料金:100円(税込)
- 所要時間:約70分(全20か所の説明)
- 受付場所:本丸御殿の中之口部屋
楽しく分かりやすい解説で、本丸御殿の歴史や建築の細部まで深く理解できると評判です。
ボランティアガイドツアー
名古屋城観光ガイドボランティアさんによる案内ツアーもおすすめです。
- 予約不要
- 無料(ただし、希望者多数の場合は抽選)
ガイドさんの生の声を聞きながら見学できるので、より深い知識が得られます。
本丸御殿は見るだけでびっくりですが、部屋の用途や使い方がわかれば、「なるほど~」と思うことも。御殿の歴史や建築の細部について深く理解できるので、お時間があればぜひ参加してみてくださいね。
本丸御殿の歴史 ~400年の時を越えて~
本丸御殿の魅力をより深く味わうために、その歴史についても少し触れておきましょう。
- 1610年:建築開始
- 1615年:完成(徳川家康の9男・義直の婚儀が行われる)
- 1930年:名古屋城とともに国宝第1号に指定
- 1945年:空襲により焼失
- 2009年:復元工事開始
- 2018年:一般公開開始
本丸御殿は、名古屋城築城の際に、江戸時代の当時でも先端技術を駆使して作られました。1615年、尾張藩主の住居であり、藩の政庁(役所)として、本丸御殿が完成。
木造で、屋根は銅板葺きが施され、内部は金箔をふんだんに使った装飾…徳川家の権力と富の象徴として、そして、政治や外交の重要な舞台としての役割を果たしていました。
特に興味深いのは、完成後わずか5年で義直が「二の丸御殿」に引っ越してしまったこと。あまりの豪華さに「落ち着かない」と感じたのかもしれません。
その後は、将軍の上洛時の宿泊所として使われました。京都と江戸を結ぶ東海道の中間にあり、尾張徳川家の政治的な地位を象徴する場所でもあったんですね。
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本丸御殿見学後のおすすめスポット
本丸御殿見学の後は、ぜひ周辺のスポットも楽しんでください。
金シャチ横丁
名古屋城のすぐそばにある「金シャチ横丁」は、名古屋名物が集まる食の宝庫です。
- みそ煮込みうどん
- みそカツ
- ひつまぶし
- あんかけスパゲティ
など、名古屋めしを満喫できます。
名古屋城・本丸御殿の有料エリアの出入り口には透明なスタンプが置かれています。手の甲に押せば、再入場が可能ですよ。
名古屋城の他の見どころ
本丸御殿以外にも、名古屋城には見どころがたくさん。
- 天守閣からの眺望(現在は外観のみの見学となっています)
- 名古屋城の象徴、金のシャチホコ
- 櫓(やぐら)や石垣
ゆっくりまわって、名古屋城をめいっぱい満喫してくださいね。
・名古屋城の楽しみ方7選!天守閣は入れないけど魅力満載の観光ガイド
・名古屋城しゃちほこの意味と大きさは?天守閣の木造復元工事の完成はいつ?
・名古屋城アクセス2024年最新情報!電車と車での行き方、周辺駐車場まとめ
さいごに
古屋城本丸御殿は、単なる観光スポットではありません。400年前の日本の技術と美意識が、現代に蘇った奇跡の空間なんです。
本丸御殿は再現とはいえ、職人技が集められた「美術館」のようです。実際、職人さんたちは、昔の技術を学んで、1つ1つ手作業で作り上げてきたものです。
「すごい!」「きれい!」という感動はもちろん、日本の歴史や文化についても自然と学ぶことができます。「お殿様の気分」を味わいながら、タイムスリップする楽しさを味わってくださいね。
そして、本丸御殿で目の保養を楽しんだ後は、名古屋めしで舌鼓を打って、名古屋を満喫してくださいね!