名古屋で一番有名な観光地と言えば「名古屋城」、名古屋城と言えば「金のしゃちほこ」が名古屋のシンボル的存在ですよね。
名古屋城の天守閣は現在閉鎖中ですが、しゃちほこ2体が地上に降りてきて、目の前で見られることになりました!
この記事では、
- 名古屋城の金のしゃちほこが16年ぶりの地上展示!
- 名古屋城しゃちほこの大きさや歴史
- 名古屋城の天守閣の木造復元工事はどうなった?
についてご紹介します。
名古屋は「魅力に欠ける街」と言われるけれど、そんなこと言っとらんと、いっぺん来てみやぁ。歴史を感じる町並みが残る名古屋の魅力に、参っちゃうと思いますよ!
名古屋城のしゃちほこの地上展示が決定!

名古屋城のしゃちほこは、2021年3月にヘリコプターで吊り下ろされて、地上に降臨します! 名古屋城の屋根に戻ってくるのは、8月中旬の予定になっています。
名古屋城の現在は、足場や落下防止ネットに囲まれて、金シャチの姿ははっきり見えない状態になっています。
名古屋城金鯱展(名古屋城春まつり):3月20日~4月2日 名古屋城二の丸広場
名古屋城金シャチ特別展覧:4月10日~7月11日 ミツコシマエ ヒロバス特設会場
※ミツコシマエ ヒロバスは久屋大通公園の市バスターミナル噴水南のりば跡地にできた、オープンスペースです。
金のしゃちほこは2005年に愛知県で開催された万国博覧会「愛・地球博」の開会式に出席するために地上に降臨し、約3か月間地上滞在していました。
その時に金のシャチホコにさわることができるイベントがあって、30分ほど並んだ記憶があります。本丸御殿再建の寄付を集める目的もあったようです。
金のしゃちほこの協力のおかげもあって、2018年に本丸御殿は見事に再現されました。今回の滞在は、名古屋城天守閣の再建に協力するのかも?しれませんね。
※しゃちほこの展示についての詳細は分かり次第追記いたします。
名古屋城のしゃちほこの歴史は?
尾張徳川家を支えたしゃちほこ

名古屋城は別名「金鯱城(きんしゃちじょう)」といわれ、金のしゃちほこで有名です。身体は魚で頭はトラ、尾ひれはいつも上向きで、背中にとげがある空想上の生き物です。
しゃちほこは建物が火事になると水を吐いて火を消すという、火伏せの守り神です。木造建築は火が大敵なので、火事になっても大事に至らないというという「おまじない」なのでしょう。
金箔を貼り付けたのではなく、本物の金を使ったしゃちほこは名古屋城だけにしかありませんでした。徳川家の潤沢な資産の象徴だったんですね。
1612年名古屋城の天守閣ができた当初は、1対で215Kgの純金が使用されましたが、財政悪化に苦しんだ尾張藩は、うろこを外して小判を作り、代わりに純度の低い金を貼り付けました。
一度やっちゃえば躊躇なくできちゃうようで?何度も改鋳を行って、しゃちほこの純度はどんどん下がっていきました。しゃちほこも身を削って、尾張徳川家を支えたんですね。
純度が下がっても金は金、昭和12年には盗難事件もありました。うろこ58杯をペンチではぎ取って、金の延べ棒に鋳直して売ろうとした男性が逮捕されています。
その後、1947年の名古屋大空襲で名古屋城は消失、現在の金のしゃちほこは復元されたもので、金は1対で88Kgとなっています。
名古屋城のしゃちほこの大きさは?

オス(北側) | メス(南側) | |
高さ | 2.621m | 2.579m |
重量 | 1,272Kg | 1,215Kg |
金版の厚み | 0.15mm | 0.15mm |
うろこの枚数 | 112枚 | 126枚 |
金量(18金) | 44.69Kg | 43.39Kg |
名古屋城のてっぺんで、オスとメスが向かい合っています。オスとメスは同じ大きさではなく、雌の方が少し小さいんですね。
オスの方の尾ひれが空を向いていて、口を大きく開けています。メスの方は黒目が端に寄っていて、周りをうかがっているようです。
しゃちほこは名古屋で大人気
名古屋に本社がある、スタンプ印の「シャチハタ」のシンボルマークは「しゃちほこが描かれた旗」で「シャチハタ」というブランド名になったんだとか。
インキ浸透印が「シャチハタ」って言われるくらい、シャチハタの名前が一般的になっています。(正式商標名はXスタンパー)
名古屋土産にはしゃちほこをモチーフにしたものもたくさんあります。しゃちほこの形の最中に粒あんがぎっしり入った鯱もなか、金シャチまんじゅうは大正時代から愛されてる人気商品です。
金しゃちショコラ、金鯱ういろ、しゃちほこえびせんべいなど、定番のお土産が揃っています。名古屋といえばしゃちほこと言っても過言ではない、存在感があるしゃちほこです。
天守閣の木造復元工事はどうなった?

名古屋城の天守閣は設備の老朽化や耐震性の問題で、2019年5月から非公開になっています。
「戦後に鉄筋コンクリートで再建された名古屋城を木造復元」は、焼失前の記録や写真など、復元できるだけの資料が現存しているから可能なんです。
500億を超す巨大公共プロジェクトが、2022年の完成を目指して進みだした…かのように見えましたが、現時点で2022年の完成は断念されています。
2021年2月に名古屋城の天守閣だけでなく、焼失した東北の隅櫓、表一之門、東一之門も段階的に復元するという構想が提示されました。けれども、必要な事業費や期間については触れられていません。
2020年4月の時点で、2028年10月完成の工期案が出されていましたが、調整中のまま未確定なので、完成はさらに先になりそうです。
木造復元が決まった時には、エレベーターを付ける付けないで物議をかもし、石垣はこのままで大丈夫なのか?という根本的な問題が発生し、さらには金のしゃちほこも再利用するしないで議論されています。
「現在の金のしゃちほこでは、史実に忠実な復元にならない」という意見、「戦後の復元でも価値はある」という意見、どちらの意見もごもっともなんですが、最終的には予算的な問題になるような気もします。
日本建築の伝統的な組み方と、当時と同じ木曽ヒノキで再現される天守閣。過去の構造を再現するのは意義があることですが、火災報知機や耐震装置が取り付けられます。エアコンも付けられるかもしれません。
どこまで「史実に忠実に再現」されるのか、議論は続きそうですね。
でもいつか。本丸御殿が江戸時代の技術と現代の技術が融合して出来上がったように、名古屋城もきっと誰もが目を奪われる、立派な天守が出来上がるはずです。
過去の伝統的技術と現代の技術が合わさった、最強の名古屋城の完成が待ち遠しいですが、まだまだ先になりそうです。
さいごに
名古屋城の金のしゃちほこの16年ぶりの地上展示としゃちほこの歴史、現在進行中の天守閣の木造復元工事についてお伝えしました。
名古屋が誇る金のしゃちほこを目の前で見られるチャンスはめったにないので、この機会を逃さずに見に行ってくださいね。
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