名古屋城から徳川園までの「文化のみち」エリアにある、宮殿のようなレトロな「名古屋市市政資料館」は、映画やドラマのロケなどに使われる、大正時代の建物です。
大理石の手すりがある中央階段や、正面と天井のステンドグラスなど、見どころ満載! フォトジェニックな空間を借りて、挙式だってできちゃうんです。
この記事では、名古屋市市政資料館の見どころ、名古屋市市政資料館で挙式や撮影する方法、アクセスと駐車場についてバッチリご紹介します。
レトロだけどゴージャスな雰囲気の中央階段で、ステキな1枚を撮影してくださいね。
名古屋市市政資料館の見どころは?
市政資料館は大正時代のレンガの建物
名古屋市市政資料館は1922年(大正11年)に建てられたネオ・バロック様式、当時は名古屋控訴院、地方裁判所、区裁判所として、1979年(昭和54年)まで使われていた建物です。
レンガと鉄筋コンクリート造りの3階建てで、赤いレンガと白い花崗岩(かこうがん)を組み合わせた外観がモダンな印象ですよね。(正面のレンガは本物のレンガではなく、明るい色味のレンガ風タイルです。)
正面は左右対称で、中央入り口の上には、公正な裁判を象徴する「神鏡と神剣」を組み合わせたエンブレムが取り付けられています。
ドーム状になった塔の上には、避雷針にもなっている青銅色の玉が飾られています。
建物の中庭側は本物のレンガを積み上げて作られています。1階2階部分のレンガは刑務所で受刑者が作ったレンガ、3階部分は職人さんが作ったレンガです。
3階部分のレンガはキレイなのに対して、刑務所で作ったレンガは汚れが目立ちます。レンガを作る際の熱の入れ具合など、職人さんが作るものとは質が違って、汚れが浸透しちゃってるんですね。
市政資料館の中央階段とステンドグラスは必見!
中に入った瞬間に「わぁ」と声が出そうになる、天然の国産大理石の中央階段。まるでヨーロッパの宮殿のようですよね。この2階から3階に上がる中央階段の後ろに、1階に下りる階段があります。
階段上の正面には、罪と罰が釣り合うことを意味する天秤をモチーフにしたステンドグラスがはいっています。
特に午前中は光が降り注いでとっても明るいんですが、ステンドグラスの模様がキレイに写らないのが残念です(-_-;)。
少しアーチになった天井にも、公明正大を意味する日輪をモチーフにしたステンドグラスが入っています。
3階の手すり部分には、シカマイヤ(大型の2枚貝)の化石を見ることができます。
3階にある黄色い柱は、漆喰に顔料を混ぜた黄漆喰(きしっくい)塗り、2階にある4本の黒い独立柱は、上部が漆喰塗に大理石のマーブル模様が描かれていて、下部が黒大理石です。
触ってみると、下部の方が冷たく感じるので、試してみてくださいね。
2階部分の窓ガラスは「結霜(けっそう)ガラス」、霜が張ったような模様のすりガラスで、大正時代に作られたガラスです。職人さんが手作りで1枚1枚作るガラスなので、同じ模様はないんだとか。
3階の窓ガラスは割れているのがあるんですが、割れ目に接着剤を入れて、当時のガラスをそのまま利用しています。
1階にある独居房
1階には、裁判を待つ容疑者の留置所(独房と雑居房)があります。
建物正面玄関に向かって右側に被告人が通る通用口があり、中庭を通って独房(雑居房)に入れるようになっています。一般の人に見られないようにするための配慮、なんですね。
雑居房の壁は何度か塗りなおしているものの、いつの間にか浮き出てくるシミがあるんだとか。裁判を待つ被告人が入る部屋で、ここで亡くなった人の記録はないものの、刑を宣告された人の怨念が浮き出てくるとか???
中央階段周辺の雰囲気とは全く違って、殺風景なコンクリートの壁の部屋は、なんだかここだけ気温が低いような感じがします。
当時をそのまま再現した大会議室
市政資料館は重要文化財に指定されていますが、全部ではなく、外観、中央階段、そして大正時代に使用されていた状態を完全に復元した控訴院の会議室(写真↑)の3つのみ、そのほかのエリアは除外となっています。
大正時代に建てられた当時は「大日本帝国憲法」下で、「すべての権限を持つ絶対君主天皇制」の時代でした。戦後、「天皇は日本国の象徴」となり、建物についていた菊の御紋は取り外されたのですが、会議室の菊の御紋は(完全な当時の復元なので)そのまま残されています。
会議室に敷かれた花柄模様の赤い厚手の絨毯は1枚物で、重さは700Kg(3,000万円かかったんだとか)! 人が歩いても踏み跡もつかず、擦り切れることもない、手織りの超高級じゅうたんです。
中央玄関の真上のベランダに出られる扉がある部屋で、アールヌーボー調のイスや天井の漆喰装飾、シャンデリアなど見どころ満載! じっくり見てくださいね。
3階には第1~11までの常設展示室があり、市政資料館の全体模型や当時の会議室が復元されています。
明治から戦前に名古屋市内に建てられたモダンな建物の模型もあります。いとう呉服店は明治43年に名古屋で初めて開店した百貨店で、のちに松坂屋と改名しました。
明治30年(1897年)に開業した御園座、旧名古屋商工会議所、旧日本銀行名古屋支店など、戦災や再開発の取り壊しなどで建物は残っていませんが、名古屋の街はけっこうハイカラだったんですね。
第4常設展示室からは、名古屋市の歴史を時系列でわかりやすく説明している展示が続きます。2000年開業のJRセントラルタワーズが建つ前の名古屋駅の写真も残されています。
市政資料館は旧地方裁判所
第8展示室は、明治時代の控訴院が復元されています。
3人の裁判官と検事、弁護人が同じ法壇に並んで座っています。襟元の唐草模様の色が違う(裁判官は紫、検事は赤、弁護人は白)法服を身につけて、同じ法冠をかぶっています。
右側の書記も、法冠とエリに緑の模様が入った法服を着ています。
第9展示室は現行憲法での法廷です。正面に裁判官、左右に検事と弁護人が着席します。
第11展示室は、昭和3年~18年まで陪審制度があった時の陪審法廷で、12人の陪審員席があります。
どこかで見たような気がすると思っていたら、映画「謝罪の王様」で、国際弁護士の竹野内豊さんが、アメリカでかっこよく働く法廷シーンに使われていました。
市政資料館では映画やドラマのロケが行われています。
官僚たちの夏:製本室がフランスのアパートの1室になりました。
坂の上の雲:中央階段室が首相官邸に。
花より男子(リターンズ):全体が大河原家の自宅の外観に。
そのシーンを思い浮かべながら、まわってみるのも楽しいですね。
住所:名古屋市東区白壁1-3
電話番号:052-953-0051
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日は開館、翌平日休み)・第3木曜日(祝日は開館、第4木曜日休み)
年末年始(12/29~1/3)
入館無料
※濡れた傘の持ち込み禁止
名古屋市市政資料館で何ができる?
市政資料館で結婚式ができる!
市政資料館では、中央階段と3階の回廊で結婚式を挙げることができます。
市政資料館での結婚式は、神さまに結婚の誓いをするのではなく、ご家族や友人たちに証人になってもらいます。
宗教の儀式にこだわらない、自由な挙式ができると人気で、年間50組ほどが市政資料館で挙式されているんだとか。
国の重要文化財という歴史的な建物での結婚式は、新郎新婦だけでなく、ご家族や友人たちにとっても印象に残る挙式になりますね。
>>名古屋市市政資料館ウェディングを確認するならこちら市政資料館で前撮りの撮影ができる!
19世紀のヨーロッパ建築で建てられた重要文化財の建物の前、ゴージャス感満載の中央階段、大きなステンドグラスの前で写真を撮れば、まるで海外で撮影したかのような写真が出来上がります。
最近では結婚写真にこだわるカップルも増えているんだとか。市政資料館なら、どこで撮っても絵になりますね。
まるでドラマのワンシーンのような、すてきな写真をぜひ撮ってみてくださいね。
※結婚式が予定されている日は、結婚式が優先になります。
>>名古屋市市政資料館フォトウェディングを確認するならこちら市政資料館の喫茶室でカフェタイム!
市政資料館の2階、「第弐號法廷」とある小さな扉の奥に、喫茶室があります。
ちょっとレトロな雰囲気の中で、バナナジュースやクリームソーダを注文したら、学生時代へタイムスリップしたような気がします。
名古屋名物・小倉トーストもあります。散策の途中に、寄ってみてくださいね。
※朝イチで入っても、モーニングはありません。
名古屋市市政資料館のアクセスと駐車場は?
市政資料館へ電車・バスで行く
名古屋駅から電車で行く場合は、桜通線「久屋大通駅」または、東山線「栄駅」から名城線に乗り換えて、「市役所駅」で下車、2番出口から東方向へ8分ほど歩きます。
東山線「栄駅」から、少し離れた「栄町駅」まで行き、名鉄瀬戸線に乗り換えて「東大手駅」で下車すると、南口から南へ5分ほど歩くと到着します。
名古屋駅バスターミナルから、8番のりば「幹名駅1 大曽根/上飯田行」で約15分「市政資料館南」バス停で下車し、北へ5分ほど歩きます。
11番のりばのメーグル(名古屋市観光ルートバス)で行く場合も、「市政資料館南」バス停で下車します。名古屋駅から市政資料館までメーグルで行くと、約50分ほどかかります。
市政資料館の駐車場は?
市政資料館の西側に無料駐車場がありますが、あまり広くありません(12台分)。駐車したまま、文化の道散策に出かけるのはやめるようにしてくださいね。
満車の場合は、近くのコインパーキングを利用してくださいね。
料金:30分220円、最大料金24時間1,210円
料金:30分200円、最大料金24時間1,300円
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
↑名古屋市市政資料館はこちらの本の「愛知の名建築」で紹介されています。
さいごに
名古屋市東区の市政資料館の見どころとできること、アクセスと駐車場についてお伝えしました。
私が市政資料館に出かけた日は、結婚式の前撮りをされているカップルがいて、真っ白いウェディングドレスが赤レンガの建物に映えて、とっても素敵でした。
映画のワンシーンのようで、ものすごぉ~く羨ましかったです。自分がもう少し若かったら、やってみたかったなぁって見とれちゃいました。
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