この記事では、懐かしさと新しい発見が織り交ざる「名古屋レトロ散歩」をご紹介します。
名古屋には江戸時代から明治、大正、昭和と、レトロでノスタルジックな風景が見られる場所が数多く残されています。
これらのスポットを巡ることで、タイムスリップしたかのような不思議な体験ができるんです。最近では、こうしたレトロな雰囲気を楽しむ「大人の散歩」が人気を集めています。
懐かしい風景に出会えるだけでなく、新たな名古屋の魅力を発見できる絶好のチャンス。カメラを片手に、ノスタルジックな旅へ出発しましょう。
江戸時代にタイムスリップ!有松の歴史的町並み
アクセス方法
- 名鉄名古屋駅から名古屋本線(岡崎方面行)で「有松駅」下車
- 注意:準急か普通電車のみ停車
おすすめスポット
有松の古い町並み通り
有松駅南側に出て徒歩3分ほどで、江戸時代の面影を残す町並みに出会えます。
「うだつ」と呼ばれる防火壁や、土蔵の「なまこ壁」などの伝統的な建築様式を見ることができ、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。
井桁屋(服部屋住宅)
井桁屋さんは1790年創業の老舗問屋、江戸時代の建物をそのまま利用した店舗で有松絞りの製品を販売しています。
母屋の脇に塀、門、土蔵が連なっていて、有松最大の間口を誇っています。店内に入れば、太い梁が通っている豪壮な小屋組みで、当時の建築様式を間近で見学することができます。
日傘やスカーフ、ストールなどの絞り製品は、お土産にも最適ですよ。
棚橋家の鐘馗さま
井桁屋さんの正面の棚橋家は、昭和8年から約50年「棚橋医院」として使われていました。屋根には、邪気から家を守る鐘馗さまが立っています。
剣を持ち、長いひげとにらみつけてるお顔が印象的な鐘馗さまは、鬼よりも強いんだとか。
つばめの飾り瓦も見ることができます。ぜひ探してみてくださいね。
有松・鳴海絞会館
有松絞りの歴史や技法を学べる施設です。実演を見学したり、自分で絞り体験をしたりすることができます。懐かしさと新鮮さが同時に味わえる体験となるでしょう。
住所:名古屋市緑区有松町3008
営業時間:9:30~17:00
定休日:年末年始・臨時休館あり
料金:大人300円 小中高生100円
体験料:1,800円~(要予約)
有松散策のポイント
- 旧東海道沿いは国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。古い町並みをゆっくり歩きながら、江戸時代の生活を想像してみてくださいね。
- カメラ好きの方は、レトロな建物や路地の風景を撮影するチャンスです。
- 有松絞りの製品は、使いやすい小物から本格的な着物まで幅広く取り揃えられています。お気に入りの一品を見つけてみてはいかがでしょうか。
大正ロマンを感じる「文化のみち」エリア
有松から名鉄電車で名古屋駅に戻り、なごや観光ルートバス「メーグル」に乗り換えます。文化のみちエリアには、大正から昭和初期にかけての歴史的建造物が点在しています。
アクセス方法
- 名古屋駅バスターミナル11番のりばから「メーグル」に乗車
- 「文化のみち二葉館」で下車(1乗車:大人210円)
おすすめスポット
文化のみち二葉館
日本初の女優・川上貞奴と実業家・福沢桃介が暮らした大正時代の建物です。
華やかなステンドグラスで飾られた大広間は必見です。1階には貞奴の資料、2階には名古屋ゆかりの文学資料が展示されています。
住所:名古屋市東区撞木町3-23
電話番号:052-936-3836
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日(祝日は開館、翌平日休み)・12/29~1/3
入場料:大人200円 中学生以下無料
文化のみち百花百草
文化のみち百花百草は、大正時代に建てられた、岡谷鋼機の創業者・岡谷家の邸宅です。四季折々の草花が楽しめる庭園や、ピアノ演奏を聴きながらお茶を楽しめる優雅な空間が魅力です。
日曜日は閉館なので、行かれる時は開館日に注意してくださいね。
住所:名古屋市東区白壁4-91
電話番号:052-931-1036
開館日:水~土曜日 10:00~16:00
入場料:大人500円 中小学生200円
文化のみち撞木館
文化のみち撞木館は、大正末期から昭和初期に建てられた輸出陶磁器商の邸宅です。
洋館と和館が融合した独特の建築様式が特徴で、ステンドグラスや茶室など見どころが満載です。
台所にはガス釜戸や古い冷蔵庫が置かれています。窓ガラスは手吹きの、ちょっとぼこぼこした感じで、外の風景が歪んで見えるのが趣があっていい感じです。
入り口を入った左手にはカフェが併設されていて、スリランカの最高級茶葉を使った紅茶をいただくことができます。(カフェの利用だけなら入館料は不要です。)
住所:名古屋市東区撞木町2-18
電話番号:052-939-2850
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日(祝日は開館、翌平日休み)・12/29~1/3
入場料:大人200円 中学生以下無料
※二葉館との共通券あり(大人320円)
文化のみち旧豊田佐助邸
トヨタグループの創始者・豊田佐吉の弟で実業家の佐助の邸宅です。
大正12年に建てられた、白いタイル張りの洋館と和館が融合した独特の建築様式が特徴で、無料で見学できます。
洋館はソファにシャンデリア、鶴の絵に「とよだ」の文字がデザインされた天井の換気口、上げ下げ窓などこだわって作られたお屋敷です。
住所:名古屋市東区主税町3-8
開館時間:10:00~15:30
休館日:月曜日(祝日は開館、翌平日休み)・12/29~1/3
入場料:無料
文化のみちエリア散策のポイント
- 各建物の建築様式や内装の違いを比較しながら見学すると、より楽しめます。
- カフェを利用して一休みしながら、大正時代の雰囲気を存分に味わいましょう。
- 文化のみち二葉館と撞木館は共通券があるので、両方訪れる場合はお得です。
名古屋の実業家が愛した別荘「揚輝荘」
文化のみちエリアから地下鉄を使って移動します。豪華絢爛な別荘で、大正時代の贅沢な暮らしを体感しましょう。
アクセス方法
- 地下鉄東山線「覚王山駅」2番出口から北へ徒歩約5分
※覚王山商店街(日泰寺参道)には、休日には行列ができるカフェやショップが並んでいます。有名なお店も多いので、お散歩がてら歩いてみるのもおすすめです。
揚輝荘の見どころ
北園
回遊式庭園になっており、尾張徳川家の茶室付き和室(伴華楼)や、修学院離宮の千歳橋を模した白雲橋などが見られます。四季折々の自然を楽しみながら散策できます。
南園(聴松閣)
- 開館時間:9:30~16:30
- 休館日:月曜日(祝日は開館、翌平日休み)・12/29~1/3
- 入場料:大人300円 中学生以下無料
聴松閣(ちょうしょうかく)は大正7年から建築された山荘風の建物で、松坂屋初代社長・伊藤祐民のこだわりが詰まった空間です。
特に地下室のインド様式のレリーフや留学生が描いた壁画は必見です。
揚輝荘散策のポイント
- 北園と南園それぞれの特徴を比較しながら見学すると、より楽しめます。
- 伊藤祐民の世界観や美意識を感じ取りながら館内を巡るのも面白いですよ。
住所:名古屋市千種区法王町2-17(南園)、21(北園)
電話番号:052-759-4450
開館時間:9:30~16:30
休館日:月曜日(祝日は開館、翌平日休み)・12/29~1/3
入場料(聴松閣):大人300円 中学生以下無料
昭和レトロな雰囲気を満喫!四間道・円頓寺エリア
最後は、昭和の雰囲気が残る商店街エリアです。レトロなお店巡りやグルメを楽しみましょう。
アクセス方法
- 地下鉄桜通線「国際センター駅」2番出口から東へ徒歩約5分
四間道町並み保存地区
築100年以上の古民家や土蔵をリノベーションしたカフェや雑貨店が並ぶエリアです。レトロな街並みと現代的なおしゃれな空間が融合した独特の雰囲気を楽しめます。
【見どころ】
- 石垣の上に並ぶ白い土蔵群
- 屋根の2階部分に祀られた「屋根神さま」
- リノベーションされたカフェや雑貨店
円頓寺商店街
昭和レトロな雰囲気が漂う商店街です。古くからある商店や、最近オープンしたおしゃれな店が混在する、活気のある空間です。
【見どころ】
- 名古屋弁みくじ(ユニークな名古屋限定のおみくじ)
- レトロな看板や店舗デザイン
- 地元の人々で賑わう活気ある雰囲気
四間道・円頓寺エリア散策のポイント
- お気に入りのカフェや雑貨店を見つけて、ゆっくりとした時間を過ごすのもおすすめです。
- カメラ好きの方は、レトロな看板や路地裏の風景を撮影するチャンスです。
地元民おすすめ!知る人ぞ知る名古屋レトロ建築
モデルコースでご紹介した場所以外にも、名古屋には魅力的なレトロ建築がたくさんあります。地元の方々に人気の隠れた名所をいくつかご紹介しましょう。
名古屋市役所本庁舎
- 場所:名古屋駅と文化のみちエリアの間
- 特徴:1933年に建てられた昭和初期の建築で、アール・デコ様式を取り入れた重厚な外観
- 見どころ:天井まで届く大理石の柱と精巧な模様が施された天井のエントランスホール、螺旋階段や装飾性の高い柱頭、正面玄関上部の直径3.2メートルの大時計など
名古屋テレビ塔
- 場所:文化のみちエリアの近く
- 特徴:1954年に建設された日本初の集約電波塔で、エッフェル塔を参考にしたデザイン
- 見どころ:レトロな展望台からの眺望、塔下のイベントスペース
旧春田鉄次郎邸
- 場所:文化のみちエリア内
- 特徴:明治時代の実業家の邸宅で、和風建築の粋を集めた建物
- 見どころ:精巧な木組みや欄間彫刻
名古屋陶磁器会館
- 場所:文化のみちエリアと四間道の間
- 特徴:1936年建築の近代和風建築で、瀬戸焼や常滑焼などの展示販売を行っています
- 見どころ:和洋折衷の建築様式
名古屋邦楽館
- 場所:揚輝荘の近く
- 特徴:1931年に建てられた木造2階建ての洋館で、現在は邦楽の演奏会場として使用されています
- 見どころ:昭和初期の洋館建築
名古屋市市政資料館
- 場所:文化のみちエリアの近く
- 特徴:大正時代に建てられたレンガ作りのネオバロック式洋館。昭和54年まで裁判所として使用
- 見どころ:大階段にステンドグラスがはめ込まれた窓があり、ゴージャスな印象
まとめ:名古屋のレトロ散歩で新たな魅力を発見しよう
この記事で紹介したモデルコースは、あくまでも一例です。あなたの興味や時間に合わせて、自由にアレンジしてくださいね。
大切なのは、ゆっくりと歩きながら、名古屋の歴史と文化を肌で感じること。時には寄り道をして、予定にない新たな発見や感動を見つけてください。
江戸時代から昭和にかけての歴史的建造物や街並みを通じて、名古屋の新たな一面を発見し、心に残る思い出を作ってくださいね。