古い町並みって、その時代に生きていたわけじゃないのに懐かしくて、歩いているだけでなんだか心がとっても落ち着くような気がしませんか?
技術がどんどん発達して生活は便利になっていくけれど、歴史的な古い街並みは、残してほしい文化遺産ですよね。岐阜城の城下町の1角にも、そんなレトロ感満載の町並みがあります。
この記事では岐阜市長良川のほとりにある、古い町並みが残る湊(みなと)町・川原町と、アクセスと駐車場をご紹介します。
岐阜城や岐阜城下町に行かれる時は、ぜひ川原町まで足をのばしてみてくださいね。
岐阜川原町を散策
岐阜川原町の景観重要建造物
長良川南の交差点から長良橋の西側は、かつて川港として栄えた川原町があります。
斎藤道三の時代から、伊勢湾までつながっている長良川を使って、木材や炭、お茶、美濃和紙や関の刃物などの特産品を船で運び、川原町はそれら商品を扱う問屋が軒を連ねていました。
格子戸が残る商家や町家が続く街並みは、ただ古い、ではなくて、新しいものを取り入れながら現代まで存続している、そんな感じがします。
古い家の玄関のうえには、「十二月十二日」と書かれた小さな板がありました。なんとなんと、石川五右衛門が釜茹でになった日なんだとか。
泥棒除けのおまじないで、古い家の玄関に付けられていたんだそうです。面白いですね~!
川原町のパン屋さん「ラスティコ4」
明治10年に建てられた重要建造物、現在は「ラスティコ4(号店)」というパン屋さんになっています。看板も何もないので、お店ってわからないんですが、口コミで大評判!
通りに面した入口からではなく、反対側に出入り口があり、パンやサンドイッチ、キッシュがショーケースに並んでいて、店員さんと対面方式で購入します。
ただ、こちらのお店でパンを焼いているのではないそうで、食パンなどは10:00過ぎに配達されるとのこと。オープン直後に行くと種類が少ないので、注意してくださいね。
8:30からのモーニングは、食べきれないくらいのパンがプレートにのっていることで大人気。土日ともなると朝から行列ができています。ほとんどの人が持ち帰りのビニール袋をもらっていました。
モーニングで美味しいパンを食べると、帰りに買って帰りたくなるんですよね~。ドリンク代はちょっと高め設定です。
※ラスティコ4の店舗横にある自動販売機は、川原町の景観を統一するために茶色に塗られているそうです。
住所:岐阜市玉井町12
電話番号:058-213-3383
営業時間:8:30~18:00
モーニングタイム:8:30~11:30
定休日:なし
駐車場あり(お店の横に8台、奥に8台分)
ラスティコ4の横にある十六銀行のATM、格子戸のある家の中にATMがあるなんて、とってもステキですよね。
その横の民家には、屋根神様(屋根に上に祀られた祠)がありますよ。
岐阜川原町の美濃六庚申堂
入り口の左右に猿が座っている参道を入って行くと、庚申堂(こうしんどう)があります。
父・斎藤道三を打ち果たした斎藤義龍は、美濃の内政・外交と精力的に動きました。道三よりも優れているんじゃないか?と言われるくらい、策士だったようです。
岐阜城下に伝燈護国寺を建て、当時勢力を伸ばしていた禅宗寺院の統制権を奪おうとしたものの、禅僧の反乱がおき、そのさなかに義龍は急死してしまいます。
廃寺となった伝燈護国寺の跡地に建てられた庚申堂(こうしんどう)、お堂の中には「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿とさるぼぼが置かれていました。
人間の体の中には「三尸(さんし)の虫 」が住んでいて、人間(宿り主)の行動を監視し、60日に1回やってくる庚申の日に眠ると、身体から抜け出して、天帝に宿り主の悪行を密告し、寿命を縮めるという言い伝えが奈良時代からありました。
その日は(さんしの虫が身体から出ないように) 寝ないようにしよう、とみんなが集まる場所・庚申堂が全国あちこちにできたそうです。
江戸時代に広く信じられていた庚申信仰は、大正時代以降は廃れていきました。それに伴って、庚申堂は壊されて、今は数えるほどしか残っていません。
ここの庚申堂に置かれている水受けがハート形で、横には優しいお顔のお地蔵様ファミリーがいますよ。屋根の上にも猿が座っているので、見つけてみてくださいね。
住所:岐阜県岐阜市元浜町
岐阜川原町のおしゃれカフェ「川原町家」
川原町の昔ながらの日本家屋は、間口は狭いのに奥行きがとっても長い「ウナギの寝床」。飲食店やお土産物屋さんは古い家屋を改装して作られています。
赤い丸ポストが目印の「川原町家」は、レトロ感満載の和カフェ。コーヒー、紅茶にスイーツ、ランチがいただけると評判です。
入口すぐは雑貨屋さん、美濃和紙のポチ袋や手帳、干支の張り子、美濃焼の食器などが売られています。夏には水うちわも販売されますよ。
お店は中庭を挟んで奥に進むと土蔵があり、中に客席があります。狭いんだけど、無機質的な冷たさはなくて、板壁材に囲まれているせいか、あったかみがあって、ゆったりくつろげます。
どれをとってもおしゃれ~な感じ。写真いっぱい撮りたくなっちゃいます。
そのまま外へ出て、裏へ抜けることができます。抜けた先は長良川の支流です。(写真↑は支流側から見た川原町屋さん。黒い壁に赤い和傘がとっても映えています。)
メイン通りに抜ける裏筋が、黒い羽目板の蔵に囲まれて、何とも言えないいい感じ。夕暮れ時ならノスタルジックな雰囲気を味わえますね。
住所:岐阜市玉井町28
電話番号:058-266-5144
営業時間:10:00~18:00
定休日:木曜日 祝日と鵜飼シーズンは無休
ハツシモ100%のみたらし団子「緑水庵」
「緑水庵(りょくすいあん)」のみたらし団子は、岐阜県南部の美濃地方で作られている「ハツシモ」の米粉100%のおだんごに、こだわりのたまり醤油で作られたタレまたは粒あんときなこで、1本から購入できます。
焼き立てのみたらし団子は、あったかくてふっくらもっちもち。
入り口入ってすぐ右側で注文、会計をします。店内は奥に細長く、お座敷の客席があります。夏はかき氷やソフトクリーム、冬はぜんざいと、メニューはいろいろあります。
トイレはないので、「鵜飼観覧船待合所」で利用してくださいね。
長良川温泉「十八楼」
「十八楼」は江戸時代(1860年創業)からの老舗旅館。玄関わきに「手湯」があり、赤褐色のにごりがあるお湯が入っていて、長良川温泉に手を浸すことができます。
旅館内にある温泉「蔵の湯」は、明治時代の蔵の梁や柱を使って作られていて、蔵の中にお風呂があるみたい、昭和初期のステンドグラスも入っていて、贅沢な気分が味わえます。
十八楼の前にある「時の蔵」は、十八楼の駐車場奥に立っていた蔵をそのまま移動させて移築した建物です。蔵の雰囲気そのままで、食事を楽しむことができます。
館内には松尾芭蕉の「十八楼の記」、芭蕉が大津から岐阜へ入り、長良川を見渡して、その美しさに感動して読んだ句が刻まれています。
立ち寄り湯も可能なので、長良川の風景を眺めながら一休みはおすすめです。ぜひ散策途中に立ち寄ってみてくださいね。
住所:岐阜市湊町10
電話番号:058-265-1551
日帰り入浴:14:00~16:00 利用時間は90分
入浴料金:大人1,500円 子供(2歳~小学生)700円
注意)小タオル付 利用日限定・先着限定20組(予約不可)
岐阜川原町のアクセスは?
電車・バスでの行き方
名古屋駅からJR東海道本線で「岐阜駅」まで行きます。快速で約20分です。
岐阜駅から岐阜バス「市内ループ線《左回り》」で「長良橋」まで行きます。バス停はJR岐阜駅の北側、11番から乗車します。
「岐阜公園・歴史博物館前」から歩いても5分ほどで到着します。
車で行く場合・駐車場は?
川原町の飲食店やお土産物屋さん専用の駐車場はそれぞれありますが、数台分のスペースなので、そこに駐車したまま散策、というのは難しそうです。
川原町散策用の駐車場はありません。一番近い駐車場は岐阜公園堤外駐車場になります。
住所:岐阜市御手洗381 143台
料金:1回310円(税込)(最初の60分は無料)
営業時間:8:30~21:00
※すぐ近くに岐阜公園堤外第2駐車場(36台)があります。
※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認くださいね。
さいごに
岐阜市長良川のほとりにある、古い町並みが残る川原町と、アクセスについてお伝えしました。
川原町は他にもモダンなお店がたくさんあって、鮎や飛騨牛、長良川ういろのお店も評判になっています。ランチタイムになると、いい匂いがしてきて、何を食べようか悩んじゃいますよ。
川原町の古い街並みのメイン通りは、自動車も通行しますので、気を付けて歩いてくださいね。
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