この記事では、犬山市にある寂光院(じゃっこういん)について、詳しくご紹介します。
寂光院は、1360年もの歴史を誇る愛知県最古の真言宗のお寺です。紅葉の名所として有名ですが、実はそれだけじゃない魅力がたくさん詰まっているんですよ。
では、さっそく寂光院の見どころやご利益、アクセス方法などを詳しく見ていきましょう!
寂光院の見どころ7選:自然と歴史が織りなす絶景
千体観音堂:祈りの始まりの場所
寂光院の参道を上がっていくと、最初に目に入るのが「千体観音堂」です。
この堂内には、なんと千体もの観音さまが安置されているんです! 中央には、本堂の先手観音さまとつながっている紐が下がっています。
この紐に触れて願い事をするんですが、引っ張っちゃダメですよ! 優しく触れるだけでOKです。
七福坂:320段の階段に込められた願い
本堂へ向かう道のりには、「七福坂」と呼ばれる320段の階段があります。この階段を上ることで、7つの徳を得られるんだそうです。各段には、こんな風に願いが込められています:
- 恵比寿坂:「先ず繁栄を願って64段」
- 大黒坂:「裕福を祈って34段」
- 毘沙門坂:「勇気を祈って17段」
- 弁天坂:「良縁を祈って37段」
- 布袋坂:「円満を祈って37段」
- 福禄寿坂:「人望を祈って43段」
- 寿老人坂:「健康長寿を祈ってあと104段」
階段を上がりながら、それぞれの願いを心に描いてみるのも素敵ですね。
ほうきでお掃除中のお地蔵さま。なんだかとってもかわいくて、疲れた心を癒してくれます。
最後の坂を上がるところで振り向くと、木曽川対岸の風景が広がっていて、「もうひと踏ん張り!」と気持ちを奮い立たせてくれますよ。
展望台:織田信長も見た絶景
七福坂を上り切ったところにある展望台からは、まさに絶景が広がります。犬山城はもちろん、小牧城、岐阜城(金華山)、そして遠くには名古屋の街並みまで見渡せるんです。
ここで面白いのは、織田信長もこの景色を見ていたかもしれないということ。
1565年、織田信長が尾張一帯を統一した年に、柴田勝家らを伴って参詣し、清州城の鬼門の方角に当たる寂光院を、この地域を守護する重要な寺院として位置づけました。
濃尾平野を一望し、信長公が「あれが斎藤道三の美濃の山か」なんて、家来と話していたかもしれませんね。歴史ロマンを感じずにはいられません!
展望台中央には筆弘法大師像(筆塚もあります)、周りには十二支恵当(生まれ年)守り本尊が並んでいます。
本堂:先手観音様に会える場所
本堂には、寂光院のご本尊である先手観音さまが祀られています。実はこの観音様、秘仏なんです。なんと60年に1回、甲子(きのえね)年にしか開帳されないんですよ。
次の開帳は2044年。もしその時に参拝できたら、本当に幸運ですね!
随求堂:美しい天井画に注目
本堂の西側には、渡り廊下でつながった随求堂(ずいぐどう)があります。
ここの見どころは、なんといっても色鮮やかな天井画。左右には西国三十三観音が並んでいて、仏教美術ファンにはたまらない空間です。
弁天堂:良縁を願う特別な場所
本堂の裏手にある「弁天堂」は、恋愛成就や良縁成就を願う人に人気のスポット。
お堂の前にある「愛の錫杖(しゃくじょう)」は、良縁だけでなく、仕事や友人関係など、あらゆる良い縁を引き寄せてくれるそうです。
※錫杖:上に鐶(かん)が掛かっている、僧が持ち歩く杖。持ち上げて下へ突くと音が鳴る。
※その他、馬鳴堂(めみょうどう:デザインやセンス、美の守護、ペット守護)、素手や素足をのせてお参りする、仏足石、仏手石があります。
スロープカー:山上へと続く空中の旅
寂光院のユニークな見どころの一つが、このスロープカーです。急こう配の山道を、まるで空中散歩をするように進んでいくこの乗り物は、参拝体験をより特別なものにしてくれます。
【スロープカーの特徴】
- 山上駅から山麓駅まで約4分で結ぶ電動モノレール
- 定員6名(実質4名程度が快適)
- 床面が常に水平を保ったまま動く特殊設計
- 利用料金は1人200円(以上)
スロープカーからの眺めは格別です。ゆっくりと進むにつれて、周囲の景色が変化していく様子を楽しめます。
特に紅葉の季節には、色とりどりの木々の間を縫うように進む様子は、まるで絵画の中を進んでいるかのよう。
また、階段を上るのが難しい方や、体力に自信のない方にとっては、このスロープカーが寂光院参拝の強い味方になります。
山頂まで楽に上ることができるので、より多くの人が寂光院の魅力を存分に楽しめるようになっているんです。
さらに面白いのは、日本ではこのスロープカーが「エレベーター」に分類されているということ。坂道や階段の補助という役割を果たしているんですね。
運行時間は8:00から17:00まで。往復利用すれば、寂光院の魅力をより深く、そして楽に堪能できること間違いなしです。登りはスロープカー、下りは階段、なんていう楽しみ方もおすすめですよ。
このスロープカーは、寂光院の歴史と現代の技術が融合した、まさに「新旧の調和」を体現する見どころと言えるでしょう。
犬山寂光院のご利益:現世利益を叶える観音さま
寂光院のご本尊、先手観音さまは「千手観音」とも呼ばれ、その名の通り千の手を持つと言われています。この千の手で、あらゆる方法で人々を救うとされているんです。
観音さまは左側に毘沙門天、右側に不動明王を従えています。
寂光院で期待できるご利益には、次のようなものがあります:
- 災難除け
- 病気平癒
- 夫婦円満
- 恋愛成就
- 良縁
- 健康長寿
- 子宝
特に、生きている現世での悩みや願いを叶えてくれるご利益が多いのが特徴です。自分の生きている今を良くしたい、そんな願いを持つ人にぴったりのお寺と言えるでしょう。
犬山寂光院の御朱印情報
愛知県犬山市継鹿尾杉ノ段の寂光院にお参りして御朱印と御朱印帳(大判)頂きました。#御朱印#寂光院 pic.twitter.com/DW03CMUsnZ
— HiroB (@HiroBhiro) October 17, 2024
寂光院の御朱印は、3種類あります。
- 千手大悲殿
- 厄除不動
- 良縁 弁才天
御朱印は山門を入ってすぐの寺務所(総受付窓口)にて、授けていただけます。(千体観音堂に向かって左手にあります。) もみじの時期だけの限定御朱印もあります。
オリジナルの御朱印帳も色違いで3種類(白・ネイビー・ピンク)あります。寺務所の受付時間は8:00~17:00です。
住所:愛知県犬山市継鹿尾杉ノ段12
電話番号:0568-61-0035
拝観料:なし
スロープカーの運行時間:8:00~17:00
犬山寂光院のアクセス方法
電車・バスでのアクセス
1.名鉄新名古屋駅から犬山線で「犬山遊園」駅下車
2.「犬山遊園」駅から徒歩約20分、またはタクシーで約5分
【バスを利用する場合】
- 犬山駅東口から犬山コミュニティバス「栗栖・富岡線」で「寂光院口(一之門前)」下車
- 料金:1日大人200円、子供100円
- 注意:土日は運行していません(月~金・祝日も運行)、年末年始は運休。
- 2時間に1便ほどなので、帰りの便の時間を確認しておくようにしてくださいね。
車でのアクセス
- 東名神高速道路小牧東ICから県道461号(尾張パークウェイ)を利用
- 犬山出口を右折して約1分
【駐車場情報】
寂光院の山門を入ってすぐに、参詣者用の無料駐車場(50台)があります
もみじまつり期間中は、追加の駐車場(①「氷室」交差点近く②不老公園駐車場)も利用可能です。
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
寂光院のもみじまつり:秋の絶景を楽しもう!
今日は会社を休んで『もみじ寺』犬山の寂光院へ
— みつきまん (@mickeymangosten) December 4, 2023
平日なのに人いっぱい
今年一番の赤い もみじを見た pic.twitter.com/ZNkw2VbqHq
開催日:2024年11月5日(火)~12月5日(木)
大随求菩薩特別開帳:12月5日(木) 10:30~12:00
寂光院は「尾張のもみじ寺」とも呼ばれ、約1000本のもみじが山全体を赤く染める様子は圧巻です。毎年11月から12月上旬にかけて「もみじまつり」が開催されます。
【もみじまつりの見どころ】
- 限定御朱印: もみじまつり期間限定の御朱印もあります
- 紅葉の絶景: 山全体が赤く染まる様子は、まるで絵画のよう
- ライトアップ: 夜間はライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しめます
- 限定グルメ: 「あゆは寿司(アユの甘露煮と大葉が入った巻き寿司)」という名物料理が、寂光院の中にあるお休み処「つがお茶屋」でいただくことができます。
もみじまつりだけの限定料理とあって、お土産で買われる方も。柔らかくって甘辛い鮎は一度食べたら忘れられない味になりますよ。他にも抹茶やぜんざい、甘酒もあります。
寂光院のもみじまつりに関する公式HPはこちら
寂光院周辺の観光スポット:お寺巡りの旅を楽しもう
寂光院を訪れたついでに、周辺の観光スポットも巡ってみてはいかがでしょうか?
これらのスポットを巡る「恋の縁むすび御朱印帳」では、寂光院、大縣神社、三光稲荷神社(姫亀神社)の3か所を巡って御朱印を集めるというもので、恋愛成就や夫婦円満、子授けを願う方におすすめです。
御朱印の初穂料(300円)はかかりますが、御朱印帳は無料です。御朱印をいただくページには、各神社の簡単な紹介も載っていますよ。
犬山寂光院を100%楽しむために
1.歩きやすい靴で
320段の階段があるので、歩きやすい運動靴がおすすめです。
2.時間に余裕を持って
ゆっくり参拝するなら2~3時間はあると良いでしょう。
3.スロープカーを利用
階段が厳しい方は、スロープカーを利用しましょう。
4.季節を選んで:
紅葉の時期(11月~12月上旬)がおすすめですが、桜の時期が終わって、5月上旬の「青もみじ」、もえぎ色の若葉が鮮やかに茂る時期もおすすめです。
5.お守りをゲット
寂光院オリジナルのお守りもあるので、お土産にいかがでしょうか。
まとめ:心も体も癒される、寂光院の魅力
寂光院は、1360年の歴史が息づく空間で、心身ともに癒されるスポット。320段の階段を上りながら、日々の喧騒を忘れ、自分と向き合う時間を持てるのは、とても貴重な経験ですよね。
紅葉の季節はもちろん、新緑の春、涼やかな夏、そして静寂な冬と、四季折々の表情を見せてくれる寂光院。
ぜひ一度、寂光院を訪れてみてください。きっと、心が洗われるような、そんな素敵な体験ができるはずです。
たくさんの木々や仏さまに囲まれて、ゆったりした気持ちでお参りしてくださいね。
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