「桃太郎」は、日本で一番親しまれている、誰もが知っているおとぎ話ですよね。
犬山といえば、国宝犬山城。城下町の風情ある街並み。正統派の歴史観光地として、東海エリアでも屈指の人気スポットです。
そんな犬山に、突然ぶっこんでくる場所があります。
桃太郎神社。
行くと「え?」ってなります。桃型の鳥居。色鮮やかな桃太郎像。泣き続けている赤鬼。犬山城の格調高い雰囲気とはまったく関係ない、独特すぎる世界観がそこにある。
カオスです。でも——なぜか嫌いになれない。
「昭和の観光地ってこういうことだったんだ」と妙に納得しながら、気づいたらたくさん写真を撮っていました。正統派犬山観光の合間に、ぜひ立ち寄ってほしい場所です。
桃太郎神社ってどんな場所?

桃太郎神社の正式名称は、そのまま「桃太郎神社」。桃太郎の物語ゆかりの地として、子どもの守り神を祀っています。
ご利益は子授かり・安産・子どもの健康・厄災除け・長寿と、まるで母親がわが子の一生を見守るような内容です。
桃太郎の発祥地には岡山県が有名ですが、実は奈良・香川・山梨など各地が名乗りを挙げています。
犬山もそのひとつで、このあたりに桃太郎の物語に由来する地名が多く残っていることから、「もしかしたら、ひょっとしたら、犬山が生誕地じゃないかな?」と控えめに自己申告しています。
この遠慮がちな主張も、なんか好きです。
犬山と桃太郎

桃太郎神社のお社はもともと近くの山(村人が「桃山」と呼んだ山)にあり、昭和5年に現在の場所に遷されました。
なぜ犬山が桃太郎の地なのかは諸説あって、はっきりとは分かっていません。でも木曽川沿いに鎮座するこの神社は、今も地元の人たちに「子どもの神様」として大切にされています。
昭和観光地として人気だった
桃太郎神社が現在のような「昭和珍スポット感」を持つ大きな理由のひとつが、境内に並ぶ約20体のコンクリート像です。
これらは故・浅野祥雲氏の作品。独特の色使いと表情、手作り感あふれる造形で、昭和の観光地文化を支えた作家です。
同じ浅野氏の作品は岐阜県の関ヶ原ウォーランドでも見ることができますが、桃太郎神社の像はまた独特の世界観を放っています。
昭和の頃、ここは家族連れの観光スポットとして賑わっていたはず。その熱量が、令和の今もそのまま残っているのが、この神社の面白さです。
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実際に行ってみると想像以上にカオスだった

鳥居をくぐると、まず出迎えてくれるのが各所に配置された桃太郎像たちです。
桃から元気に生まれた(?)桃太郎が両手を挙げて立っている像、鬼を従えて参拝者を見下ろす像——色使いが鮮やかというか、かなり強烈です。
肌色・赤・青・黄色が混在して、全力で「見てくれ」と言っている。
生まれたばかりのはずなのに、なぜか赤ちゃんにしては大きい桃太郎。ツッコミどころはありますが、「桃太郎なんでお許しください」という気持ちになってきます。
浅野祥雲氏の作品は、写実的ではない。でも不思議な存在感がある。「うまい」とは違う方向の「すごい」です。
鬼たちもインパクト強め

個人的に一番印象に残ったのが、鬼の像です。
拝殿の東側に、赤鬼が涙を流し続けています。「もう悪いことはしません。この涙を見てください。」と悔い改めた鬼——
永遠に泣き続ける鬼の像の前に立つと、なぜかこちらが「もう泣き止んでいいよ」と言いたくなります。
怖いというより、どこか哀愁がある。「鬼にも事情があったんだろうな」と思わせる表情が、昭和の手作り感の中に宿っています。怖いけど味がある、まさにそういう像です。
鬼の子のミイラ!?

宝物館には、かつて鬼の子のミイラが展示されていたそうです(残念ながら放火で焼失)。
細い手足に指が3本、頭に角のような突起——写真で見ても衝撃的で、「実物があったら夢でうなされそう」と思いました。
鬼の金棒や角が生えた頭蓋骨の写真なども展示されていて、宝物館もなかなか濃い内容です。
昭和レトロ感がたまらない

桃型の鳥居——日本でここだけという珍しい形で、「桃型鳥居をくぐれば 悪は去る(サル)病は居ぬ(イヌ)災いは来じ(キジ)」と書かれています。
このダジャレ、嫌いじゃないです。
おばあさんが洗濯するときにぐっと力を込めた左足の親指の跡が残るという「洗濯岩」、凶のおみくじを食べさせる「悪運を食べるサル」、桃の形をした岩をくぐる「長命桃くぐり」……
参道のあちこちに仕掛けが散らばっていて、歩いていると次々と発見があります。
整然と整備された観光地ではなく、「昔からここにこうあった」というそのままの雑多な感じ。
古びた色使い、手書き感のある看板、コンクリートの像に積もった時間——この空気感が、昭和観光地ファンにはたまらないはずです。
なぜか写真を撮りたくなる不思議スポット

桃太郎神社、行くとわかるんですが、とにかく写真を撮りたくなります。
「これ、なに?」「この顔、すごい」「この色使い、どうなってるの?」——見るものすべてにリアクションが生まれるから、カメラが止まらない。
インスタ映えとは少し違います。「おしゃれ」ではないし「きれい」でもない。でも「面白い」と「懐かしい」と「ちょっとシュール」が混ざった独特の写真が撮れる。それがこの場所の不思議な魅力です。
一緒に行く人と「これどう思う?」と話しながら歩く楽しさがある場所でもあります。カップルでも、友人同士でも、一人でも——それぞれの楽しみ方ができます。
実際に歩いて感じた”嫌いになれない魅力”

正直に言うと、桃太郎神社を最初に知ったとき、「ちょっとB級すぎるかな」と思っていました。
でも行ってみると、不思議と悪い気がしない。むしろ、愛しくなってくる。
その理由を考えてみると——この神社、作った人たちが本気なんですよね。ふざけているようで、子どもの守り神として今も大切に守られている。
浅野祥雲氏の像は、独特だけれど手を抜いていない。昭和の観光地文化の熱量が、そのまま令和に持ち越されている。
「カオスなのに愛されている」場所って、そういうことだと思うんです。作り手の本気と、それを受け継いできた人たちの愛情が、あの独特の空気を作っている。
犬山城の格調と、桃太郎神社のカオス。このギャップが同じ犬山にある、というのもまた面白い。
所要時間はどれくらい?

- さらっと参拝するだけなら、30分ほど
- 像を一体ずつ見て、写真を撮りながら歩くなら、1時間ほど
- 宝物館も見るなら、1時間〜1時間半
- 犬山城・城下町とセットで観光するなら、半日
写真を撮り始めると…時間が延びます。こだわればこだわるほど、あっという間に時間が過ぎます。
愛知県犬山市栗栖大平853
宝物館:大人200円 こども100円
御朱印授与:10:00~16:00
桃太郎神社のアクセスと駐車場
電車・バスの場合
名鉄「犬山駅」東口から犬山コミュニティバス(わん丸君バス)「栗栖・富岡線」で「桃太郎公園」下車、約15分(1日乗車券大人200円)。
ただし土日は運行なし・平日2時間に1本なので注意が必要です。犬山駅東口近くにレンタカーもあります。
車の場合
小牧ICから国道41号線→「五郎丸交番前」を左折→日本モンキーパーク通過→「菅林」左折→木曽川沿い県道185号線。神社周辺に参拝者用無料駐車場あり。
犬山観光と一緒に回るのもおすすめ
桃太郎神社は犬山観光と組み合わせてこそ、ギャップが際立ちます。
- 犬山城
日本に12しか残らない現存天守のひとつで、国宝に指定されています。木曽川沿いの高台に立つ天守からの眺めは圧巻。
まずここで「正統派の犬山」を感じてから、桃太郎神社へ行くのがおすすめです。落差が面白さを倍増させます。
- 犬山城下町
古い町並みと食べ歩きが楽しいエリア。城下町を散歩して、桃太郎神社でカオスを楽しんで——これが犬山のフルコースだと思っています。
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桃太郎神社まとめ
桃太郎神社は、昭和観光の熱量が今も残る不思議スポットでした。
カオスです。色が強い。像が独特。宝物館も濃い。犬山城の格調とのギャップがすごい。
でも歩いていると、なぜか嫌いになれない。むしろ、愛着が湧いてくる。
「本気で作られたもの」は、時代が変わっても人を引き付けるんだと思います。令和の今も、ここに来る人がいる。写真を撮る人がいる。それがその証拠じゃないでしょうか。
犬山に行く機会があれば、城下町と合わせてぜひ。「なんだこれ」と笑いながら、気づいたら写真フォルダがいっぱいになっているはずです。
>>桃太郎神社がある犬山市の観光情報はこちら【楽天たびノート】※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
