岡崎市にある法蔵寺は、飛鳥時代の701年に創建されたと言われる、とっても古いお寺。徳川家康のお父さん、松平弘忠が眠るお墓がある、松平家の菩提寺です。
徳川家康が読み書きを習ったという硯箱や机が残っているお寺、なんですが、このお寺は歴史ファンを引き付ける、もう一つの魅力があるお寺なんです。
なんとなんと、今だ行方不明となっている、新撰組局長・近藤勇の首塚があるんです。
この記事では、岡崎市法蔵寺・徳川家康ゆかりのお寺と、新撰組局長・近藤勇の首塚、アクセスについてご紹介します。
この記事を読めば、歴史ロマンが漂う法蔵寺に行きたくなっちゃいますよ。
岡崎市法蔵寺は徳川家康ゆかりのお寺
家康が手習いをしたお寺
岡崎市本宿町は、東海道の藤川宿と赤坂宿の中間にあった村です。
幼少期の徳川家康公が使用した硯箱、硯硯石、手本、机、墨付小袖、破破魔弓などが残されていて、家康公が子供のころ、伯父さんが法蔵寺の住職だったので、ここで読み書きを習っていたそうです。
山門をくぐると階段の参道があり、階段を登りきったところに、鐘楼門があります。その奥の正面に本堂があります。
とても格式が高いお寺で、参勤交代の武士は法蔵寺の前では馬を降りて参拝したそうです。シーボルト(ドイツ人医師)も参拝したという記録が残っています。
お寺はどこを見ても古くて、時代を物語るお寺、なんですが、本堂の中は、びっくりするくらいカラフルできらびやか。徳川家の威信がまだ残ってるって感じですね。
ご本尊は阿弥陀如来さま、極楽往生、現世安穏のご利益があるとされています。
本堂左手には、勝負事の前に訪れたくなる開運スポット「六角堂」があります。堂内には開運祈願台や開運鐘などが置かれ、開運勝利観音さまが祀られています。
東照権現宮と松平家霊廟
六角堂の奥にある階段を上がると「東照権現宮」があります。
葵ご紋の入った、とっても立派な東照宮(徳川家康を祀る神社)が立っています。家康公が亡くなった時に全国で700社ほど東照宮が建立されたんだとか。現在は約130社ほど残っています。
東照宮下の中腹には、松平家の霊廟が立ち並び、その中に家康公のお父さん、松平広忠のお墓や、家康公の長女亀姫の墓所があります。
家康公の三大危機の一つである三方ヶ原の戦い(上洛する武田信玄を徳川家康が迎え撃ち、織田信長の援軍を得て戦うも大敗した)で戦死した家臣のためのお墓もあります。
※夏目漱石の先祖であり、家康公の身代わりとして戦死した夏目次郎左衛門吉信のお墓もあります。
徳川家康公最大の敗北とされるこの戦いで、家康が着用していたとされる帷子(かたびら)が法蔵寺に残されています。
岡崎市法蔵寺にある近藤勇の首塚
激動の幕末に、反幕府勢力の取り締まりに奔走した、泣く子も黙る新撰組。池田屋事件で一躍有名になった新撰組は、局長近藤勇(こんどういさみ)を筆頭に、ひたすら徳川幕府に忠誠を尽くしました。
幕末のヒーローと言えば、坂本龍馬や高杉晋作、西郷隆盛、勝海舟などなど、なんで同時期にこんなにたくさんの人たちが立ち上がったの?って思うくらい、いますよね。
新撰組は彼らを追い詰める悪者ってイメージが強いんですが、どちらも国を思う気持ちは同じだったと思うんです。それぞれが自分の信念を貫いただけで、目標とする方向が違ってただけなんですよね。
明治元年、新政府軍に追い詰められた近藤勇は投降し(土方歳三に兵を託して逃がすための時間稼ぎだったとも、徳川幕府あってこその武士であり、徳川幕府とともに終わることを決めたためだったとも言われています)、板橋宿近くの刑場で斬首となりました。
近藤勇の首は板橋で晒され、京に運ばれて、三条河原で3日間晒され、大阪の千日前で晒されたあと、東本願寺門主の請願で下げ渡されて、東大谷に葬ったとされる説、粟田口の刑場に埋められたという説、などがありますが、真相は不明です。
胴体は近藤勇の親族が引き取って、故郷多摩(三鷹市大沢)の龍源寺に葬ったとされています。JR板橋駅前には、近藤勇供養塔も立っています。
法蔵寺に近藤勇の首塚があるというのは…近藤勇の首は新撰組の隊士に奪還され、近藤勇が生前敬慕していた京都誓願寺の住職に供養が託されたそうです。その住職は転任で法蔵寺の住職になっていたので、法蔵寺に運んでひっそり埋葬したという説です。
当時は石碑を土で覆って誰の墓かわからないようにしてあったんですが、昭和33年に総本山(誓願寺)の記録に基づいて調査をした結果、墓の台石が発見されました。
現在、首塚の台座になっている石には、土方歳三はじめ、数人の名前が彫られていますが、慶応?年、の年代は判読できません。
実際、ここに首があるかどうかは掘り起こしてみなきゃわからないし、法蔵寺以外にも首塚があると伝承されている場所は、米沢市の高国寺や、会津若松市の天寧寺(遺髪が埋葬されている?)などがあります。
謎は残る首塚ですが、江戸幕府を開いた徳川家康公、その徳川幕府に忠誠を誓い、討幕派と戦った新撰組の近藤勇。その2人が同じお寺で祀られているって、なんだか不思議な縁を感じます。
35歳で亡くなった近藤勇の胸像、以前は悔しさが現れている顔に見えましたが、今はとってもりりしくて、どことなく微笑んでいるようにも見えました。
今となってはどこにあるのかわからない近藤勇の首ですが、どこであれ「誠」を貫いた武士が、今は安心して眠っていると信じたいです。
岡崎市法蔵寺のアクセス駐車場は?
名古屋駅から名鉄名古屋本線「本宿駅」で下車します。急行・準急・普通列車が停車します。本宿から徒歩で10分くらいです。
車なら、新東名高速道路「岡崎東IC」から国道473号線経由で西南へ向かい、名鉄線路に並行して通る国道1号線にぶつかったら(本宿西交差点)、左折します。
「新箱根入口」の交差点で右斜め後ろの細い道(東海道)に入ります。(Uターンするような感じで曲がります。)
東海道を道なりに行き、T字の交差点を左折(法蔵寺の看板があります)すると、到着します。
東名高速道路「音羽蒲郡IC」から国道1号線を北上し、「新箱根入口」の交差点を過ぎてから側道に入ると、わかりやすいかもしれません。
山門入口に参拝者用駐車場があります。
住所:岡崎市本宿町寺山1
電話番号:0564-48-2636
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
さいごに
岡崎市法蔵寺・徳川家康ゆかりのお寺と、新撰組局長・近藤勇の首塚、アクセスについてお伝えしました。
お寺はしんとした静寂の中にたたずんでいて、本堂右側にある高さ12mの、天然記念物のイヌマキの木が、風に揺れています。
法蔵寺から見下ろすことができる本宿町は、江戸時代から明治時代にかけて栄えた商業都市でした。本宿近くへお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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