この記事では、愛知県が誇る国宝「犬山城」について、見どころや楽しみ方をわかりやすくお伝えします。
愛知県犬山市にある「犬山城」は、日本最古の木造天守を持つお城で、国宝5城の1つ(あとの4つは松本城、彦根城、姫路城、松江城)。
犬山城は大きくて立派、というわけではないけれど、たくさんの人の手によって大切に守られてきたお城です。
「もしかしたら、この柱は豊臣秀吉が触れたかもしれない」なんて想像すると、ワクワクしちゃいますよ!
犬山城の楽しみ方:見どころを詳しくご紹介
それでは、犬山城の魅力的な見どころをご紹介していきましょう。
現存天守12城の1つ
犬山城は、愛知県犬山市にある日本最古の木造天守を持つお城で、江戸時代までに建造された現存天守12城の1つ。
当時建てられたそのままの姿を今に伝える、オリジナルのお城なんです。
戦国時代を生き抜き、第二次世界大戦の空襲からも奇跡的に免れた犬山城。さらに興味深いことに、2004年まで個人が所有していた珍しいお城です。
鉄門(くろがねもん)をくぐる瞬間
城は小高い山の上に建てられており、木曽川を一望できる絶好の場所にあります。南側から坂道を上がっていくと、犬山城の天守閣がちらちら見え隠れし、期待感が高まります。
鉄鋲が打たれた頑丈な扉、鉄門(くろがねもん)をくぐった瞬間に広がる景色は圧巻です。思わず「おぉ」と声が出てしまうほど。
※城門の手前にチケット売り場がありますので、お忘れなく。
犬山城の建築的特徴
- 3層4階地下2階の望楼型(上層に小さな物見櫓が付いています)
- 5つの曲輪(くるわ)と13の櫓を持つ、かつての鉄壁の守り
- 木材を主に使用し、石垣で支えられた日本の城郭建築の傑作
現在は天守しかありませんが、いくつかの城門は近隣のお寺に移築され、山門として再利用されています。
犬山城内部の見どころ
1.靴を脱いで入城
入り口で渡されるビニール袋に靴を入れて持ち歩きます(土足厳禁)。
2.地下2階からスタート
お城は石垣より上が1階になります。急な階段を上がっていきます。
3.地下1階の石垣
石垣の内部が見られる珍しい機会です。
隙間が空いているのは、雨水を貯めないための工夫と言われています。
4.1階の防御設備
「石落とし」:床を跳ね上げて、侵入者に石を落とす仕掛け
「付櫓(つけやぐら)」:城の内側から攻撃できる窓
5.2階以上の急な階段
2階と上がっていく階段は、狭くて急なので、上り下りするのが怖いくらい、天井が低いので頭を打ちそうになります。
歩くとミシミシ床が鳴り、たくさんの人が歩いた床はツルツルで、ところどころ床板の隙間から下が見えるくらいの隙間もあります。心配な方は下を見ない方がいいかも?
天守からの絶景
犬山城の天守最上階では、廻り縁(まわりえん)をぐるりと一周できます。江戸時代のお城でこれができるのは、犬山城と高知城だけなんです。
- 南側:名古屋駅のJRセントラルタワーズやテレビ塔、小牧城
- 西側:木曽川、ライン大橋、御在所岳
- 北側:岐阜城
- 東側:御嶽山、日本モンキーパークの観覧車
豊臣秀吉も眺めたであろう濃尾平野が広がる景色は、まさに感動もの。ただし、手すりが低いので、身を乗り出さないよう気を付けてくださいね。
出入り口の下にある唐破風(からはふ:曲線を描く屋根の妻側の部分)の両端に、亀の甲羅に桃がのった魔よけの瓦がのせられています。
※自撮り棒は使用禁止です。
犬山城内のご神木
天守の東側に、櫓で囲われた杉の木があります。これは、犬山城築城時からあったご神木「大杉さま」です。
- かつては、お城と同じ高さまで成長
- 台風時には風よけとなり、お城の身代わりとして落雷に遭う
- 1965年頃に枯れるまで、樹齢約650年!
今は静かにお城を見守っていますが、長い歴史の中で人々の行き交いを見てきた、まさに生き証人ですね。
今はお役目を終えて、ひっそりと城の陰に立っています。
犬山城の入場料は?お得な周遊券もご紹介
さて、気になる入場料についてご紹介しましょう。
基本入場料
- 大人(高校生以上):550円
- 小中学生:110円
- 未就学児:無料
※料金は税込価格です。
お得な周遊券・セット券
- 犬山城下町周遊券
料金:760円
有効期限:3か月
内容:犬山城・城とまちミュージアム・IMASEN犬山からくりミュージアム・どんでん館の入場料がセットになっています。
- 犬山城 + 有楽苑セット券
料金:1,450円
有効期限:2日間
特徴:信長の弟が京都の建仁寺に創設した茶室を移築した、国宝茶室「如庵」や重要文化財「旧正伝院書院」がある日本庭園をセットで楽しめます
- わん丸君手形
料金:1,000円
有効期限:3か月
特典:犬山城下町で使える300円相当の商品引換券2枚付き(17店舗で利用可能)
その他のセット券
- 明治村とのセット券
- リトルワールドとのセット券
- 日本モンキーセンターとのセット券
これらのセット券は3か月有効なので、お得に観光を楽しめますよ。
チケット購入場所
- 各施設
- 犬山駅観光案内所
- 犬山城前観光案内所
支払い方法
犬山城の券売所では、現金の他に以下の支払い方法が利用できます。
- 交通系ICカード
- 楽天Edy
- QUICPay
- PayPay
- nanaco
- WAON
ただし、セット券は現金払いのみとなりますので、ご注意くださいね。
開場時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
定休日:12/29~12/31
住所:愛知県犬山市犬山北古券65-2
※ペット入場不可
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犬山城の歴史:戦国時代から現代まで
犬山城の歴史を、時代を追ってわかりやすくご紹介します。
1.1537年:築城
- 応仁の乱時代の砦を、織田信長の叔父・織田信康が改修
- 木曽川を背に標高約85mの断崖に建てられる
- 室町時代は織田家や家臣の池田恒興が城主を務める
2.1584年:小牧・長久手の戦い
- 本能寺の変後、羽柴秀吉が犬山城に本陣を敷く
- 徳川家康と対峙するも、城周辺での合戦はなし
3.1600年:関ヶ原の戦い
- 西軍(石田三成側)の拠点となるも、岐阜城が落ちると、多くの武将が東軍へ寝返る
- 犬山城は徳川家の支配下に
4.1617年:成瀬正成が城主に
- 2代将軍・徳川秀忠より犬山城を拝領
- 以後、成瀬家9代の居城となる
成瀬正成は幼少の時から徳川家康に仕えた側近で、江戸幕府初期の幕政を支えた人です。
尾張藩が創設され、徳川家康の9男・徳川義直が尾張藩主になると、その補佐役となり貢献しました。ただひたすらに徳川家のために働いた人だったようです。
5.1871年:廃藩置県により廃城
- 山門や櫓が取り壊される
- 一時愛知県所有となるも、再び成瀬家の所有に(13代まで成瀬氏が個人で所有する城となる)
6.1952年:国宝に指定
7.2004年:個人所有から法人所有へ
8.2006年:日本100名城に選出
480年以上もの歴史を持つ犬山城。時代の流れを見守り続けてきた、まさに日本の宝物ですね。
犬山城の御城印:入手方法と特徴
犬山城の御城印(御朱印)は、多くの方が楽しみにしているものの1つです。ここでは、入手方法や特徴をご紹介します。
御城印の入手場所
犬山城の御城印は、犬山城前観光案内所で購入できます。
※注意:お城の城内ではなく、犬山城第一駐車場に隣接する観光案内所です。
御城印の特徴
- 美濃和紙使用
- 「犬山城」の文字入り
- 織田家・豊臣家・徳川家・成瀬家の家紋入り
- 書き置きタイプ
- 料金:1枚300円(税込)
オリジナル御城印帳
犬山城オリジナルの御城印帳も販売されています。
- 表紙:犬山城と桜・もみじが描かれた犬山焼き
- デザイン:白を基調にしたシックな色合い
- 特徴:
- 書き置きの御城印を収納できるポケットタイプ(42枚収納可能)
- 裏側はスタンプを押せるスペースあり
- 犬山城の写真と説明付き
- クリアのビニールカバー付き
- 料金:1冊2,400円(税込)
※三光稲荷神社(犬山城のふもと)でも、犬山城がデザインされたオリジナル御朱印帳を販売しています。
名城スタンプ
犬山城の名城スタンプ(43番)は、犬山城の本丸門2階にある犬山城管理事務所で押すことができます。
住所:犬山市犬山北古券12-17(犬山神社の西側、犬山城第1駐車場内にあります)
営業時間:9:00~17:00
休業日:12/29~12/31
コインロッカーあり。
問い合わせ先:0568-61-6000(※名鉄犬山駅にある観光案内所につながります。)
初めて訪れる方へのアドバイス
1.歩きやすい靴を選ぶ
坂道や階段が多いので、歩きやすい靴がおすすめです。
2.時間に余裕を持って
じっくり見学するなら2~3時間程度の時間を確保しましょう。
3.天気をチェック
晴れの日は眺望が格別です。雨の日は足元に注意が必要です。
4.城下町の食事を楽しむ
五平餅や味噌カツなど、地元グルメも堪能しましょう。
5.セット券を活用
周辺施設も併せて訪れる場合は、お得なセット券がおすすめです。
6.早めの時間帯がおすすめ
開城直後は比較的空いていることが多いです。
犬山城を楽しむための豆知識
犬山城の名前の由来
- 「犬」は「戌(いぬ)」の方角(北西)を示すといわれています。
- 山城であることから「犬山城」と名付けられたという説があります。
天守閣の屋根瓦
- 現在の瓦は昭和40年代に葺き替えられたもの。
- 当時の瓦は城内で展示されています。
犬山城と桜
- 城周辺には約600本の桜が植えられています。
- 4月上旬が見頃で、ライトアップも行われます。
お城の管理について
- 現在は公益財団法人犬山城白帝文庫が管理・運営しています。
- 城の保存と活用のバランスを取りながら、未来に伝える取り組みが行われています。
最後に:犬山城の魅力再発見
犬山城は、規模は大きくありませんが、その歴史的価値と美しさは他の城に引けを取りません。戦国時代から現代まで、480年以上もの間、時代の流れを見守り続けてきた犬山城。
ここを訪れると、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。城壁に触れれば、かつてここで生活し、戦い、平和を願った人々の思いが伝わってくるようです。
春には桜、秋には紅葉と、四季折々の美しさも楽しめる犬山城。あなただけの「お気に入りの犬山城」を見つけてみてはいかがでしょうか。
初めて訪れる方も、リピーターの方も、きっと新しい発見があるはずです。ぜひ、犬山城で日本の歴史と文化の息吹を感じてみてくださいね。
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